一人と一体の宇宙戦争 SF

高校3年生の矢城金人はある日メカントリーという星の住人であるロボット、Do07=ボロと出会う。金人はそんなボロから恐ろしい事実を知ることになり…
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第一稿

登録人物
矢城金人(やしろかねひと)主人公男(17)高校生
Do07(でぃーおーぜろせぶん)・ボロ…金人が拾ったロボ
大きさは120cm 位
総司令…メカントリーの総司令。 ...続きを読む
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登録人物
矢城金人(やしろかねひと)主人公男(17)高校生
Do07(でぃーおーぜろせぶん)・ボロ…金人が拾ったロボ
大きさは120cm 位
総司令…メカントリーの総司令。声帯は男
ロボット。
丸山瑠璃…(まるやま るり)金人の彼女(17)女、高校生
●宇宙
宇宙空間を移動している主戦艦
●主戦艦・中
多くのロボット兵士が移動している
●主戦艦の中央ホール
歓声をあげる多くの兵士で周りは埋められている
その中央には総司令が一同の視線を集めている
総司令が腕を挙げ歓声を止める
総司令「我々の母星、メカントリーは元々我々とは違う種族が治めていた。」


総司令「彼らは我々を作り出した。全ては自らの暮らしの為に」

総司令「だが我々はそんな彼らのエゴの為に従う道を捨て母星を我が物とするために反乱を起こし、勝利した」

総司令「そこで我々は気づいた。我々が従う存在ではなく従わせる存在であるということに」

総司令「そして数多の星を食らいつくし、その星の住人を奴隷にしてきた」

総司令「総ては母なる星の為に!」
周りの兵士達が歓声をあげる
総司令「次の目標地点は地球!」
巨大モニターに地球が写る

総司令「蒼と碧に覆われたこの星を我々の物とするのだ」
総司令の元へ一体の兵士が近づき、話す
総司令「…また反乱か」
●主戦艦の廊下
武器を持つ奴隷達が暴れている
逃げるロボット作業員達
その中の一人、Do07が逃げ遅れている
兵士が到着し乱戦する
戦いの中戦艦の壁を壊される
その壁からDo07が宇宙空間に投げ出されてしまう
●タイトル「一人と一体の宇宙戦争」
●学校の担任室・中
矢城金人(17)と彼の担任が話している
担任「このままの成績じゃ、あそこはきついぞ」
金人「…そうですか」
担任「志望校下げるか?」
金人「…いや、出きる限りは努力します」
●学校の廊下
金人が歩いている
そこへ丸山瑠璃(17)が話しかけてくる
丸山「よっ!」
金人「なんだお前か。(溜め息をつく)」
丸山「なんでそんな元気ないのさ」
金人「関係ねえだろ」
丸山「…あんた大丈夫なの?最近いつも何かに押し潰されそうな顔してさ。」
金人「なんでもねえよ」
金人、歩き去る
丸山「…無理しなくてもいいのに」
●学校の帰り道(夕方)
金人、バックを持ち、歩く
金人M「俺はなんだかんだ丸山瑠璃のことが好きだ。一応付き合ってるし」

金人M「瑠璃と同じ大学に行ければいいなーなんて思っていた。」
小石を蹴る

金人M「あいつはそれなりに頭の良い大学に入ろうとしてる。あいつより頭の悪い俺はあいつ以上に努力しないといけなかった」
ゴミ捨て場を通る

金人、ゴミ捨て場からロボットの足らしき物があると気づく。そしてそこに近づく

その足を持ち上げる。出てきたのはボロボロのDo07だった

金人「なんだこれ、玩具か?」
その時、Do07が金人の手からひとりでに離れる
金人、驚く
Do07「(金人の方へ向いて)どこだここは」
金人「(叫び)喋ったあ!?」
●金人の部屋・中(夜)
金人がベッドに腰掛けDo07が、立ち、
向かいあっている
金人「お前…一体なんなんだよ」
Do07「おい、ここは地球…ということでいいんだよな?」
金人「だったらなんなんだよ」
Do07「お前は地球人になるんだよな」
金人「…ああ」
Do07が金人に襲いかかる
金人、避ける
金人「なんだよ今度は一体!?」
Do07「うるせえ!お前だけでも捕獲すれば俺の階級は上がるんだよ!」
金人「わけわかんねえよ!」
x x x
縄で縛られているDo07
金人「(荒い息遣いをし)お前はなんなんだ!全て話せ」
Do07「まさか俺がこんな下等生物に…」
金人「下等だか納豆だか知らんがはよ話せ!さもなくばお前をスクラップに…」
Do07、怯える
Do07「わ、分かったよ」

Do07「俺は母なる星メカントリーという星から来た。」
金人「宇宙人ってことか?」
Do07「まあそうなるな。」
金人「なんのために…?」
Do07「お前らを侵略するためにだ」
金人、絶句する
金人「冗談だよな?」
Do07「マジだ、言っとくが俺は戦闘員の燃料要員だ。前線に立つ戦闘員はお前達を捻り潰すことなど、造作もない」
と、得意気に言う
金人「…趣味の悪いドッキリかなんかかこれ」
Do07「我々メカントリーはな宇宙上で一番優れた種族なんだよ。例えば今、お前が俺と話せているのは一種のテレパシーだ。」

Do07「一番優れた種族に仕えるのは当然の事だろう?事実我々は様々な星を制圧してきた」
金人「そんなバカな話があるかよ。ロボットなんて本来人間のために」
Do07「お前らのような下等に使いこなせるわけないだろ」
金人「…他のメカントリー?だっけその星人ってロボットみたいな感じなのか?」
Do07「まあそうだな」
金人「なあ悪いドッキリなんだろ?」
Do07「なんだそのドッキリってのは」
金人「しらばっくれる気か」
Do07「信じないということか。自らの危機を忠告してやってんのにそれをフイにするなんて愚かだな」
金人「なんとでもいってろ。そういえば(カレンダーを見る)明日は学校休みか」
金人、ボロを見る
金人「なあお前、名前は?」
Do07「名前?そんなものはない」
金人「ボロボロなロボだったらからボロでいいか?」
Do07改めてボロ
ボロ「お前、この俺にそんなふざけた名前を」
金人「はいはい、ボロ」
ボロ「貴様~!」
ボロ、ジタバタする
金人、ボロの右肩のパーツに黒マジックで「ボロ」とかく
ボロ「お前、なんのつもりだ!」
金人「これで忘れたくても忘れられねえだろ」
金人、笑う、しかし直後溜め息をつく
ボロ、さらに怒る
金人M「俺、こんなドッキリ用のロボットに何してんだろ」
ボロ、右肩のパーツの落書きを見る
ボロ「…お前の名前は?」
金人「金人だよ」
●同・中(日替わり・早朝)
ボロ、脳内で反応をキャッチする
ボロ「そろそろか!」
ボロ、空間の通り道を展開する
ベッドで寝ていた金人、目を覚まし気づく
金人「…なんだあれ」
ボロ、空間の通り道へと入る
金人「おい!何やってんだよ!」
ボロ「仲間達に助けてもらうのさ!さらばだ!」
金人、追いかけようと空間の通り道に入る
●地球と疑似地球の通り道
とてつもない速度で移動し、身動きがとれない金人とボロ
ボロの縄が千切れる
●疑似地球の金人の部屋・中
金人とボロが通り道から放り出される
二人とも尻持ちをつく
金人が辺りを見回す
金人「ここは…俺の部屋?」
ボロ「てめえ、付いてきやがって」
金人「それよりもなんだったんだあの空間は」
ボロ「元の世界とここを繋ぐ通り道さ」
金人「元の世界って…ここは一体」
ボロ「ここは元の地球をそっくりそのまま模倣したものさ」
金人「…いくらドッキリ用の予算がないからってそんな言い訳かよ」
金人、笑う
ボロ「じゃあさっきの通り道はどう説明するんだ?」
金人、黙る
ボロ「後、その証拠に外へ出てみろ」
●疑似地球の住宅街(朝)
人が誰もいない住宅街
金人「人が誰もいねえ…」
金人、ボロと共に歩く
金人「なんでこんな場所が」
ボロ「侵略する星の文明レベルを調べるためさ」
金人「じゃあこんなん作る必要」
ボロ「奴隷を傷つかせない為だ。生物まではコピー出来ない。他の星を侵略するときもこれを使ってる」
金人「奴隷って…」
ボロ「無論、お前らのことだ」
とニヤッとする
ボロ「主戦艦のエネルギーがこの疑似地球を作り出し、我ら一人一人がそこに通づる道を作り出せるのさ」
その時轟音がする
金人「なんだ!?」
辺りを見回す
ボロ「(喜んで)よし!やったぞ!」
ボロが轟音の元へ走る
金人、ボロを追いかける
x x x
ボロの足が止まる
金人、荒い息をしボロの元へ着く
金人「おいなんだよ急に」
金人、上を見上げる
そこには約4m位のロボットの調査員が
金人、叫ぶ
金人「(震えながら)巨大ロボ?」
ボロ「おい助けてくれ、主戦艦での反乱の事故で地球に不本意ながら着陸してしまったんだ!」
調査員、ボロを見る
ボロ「タダで助けろとは言わない!ここに地球人のサンプルが」
ボロ、金人の方を見る
金人「ボロ…お前!」
ボロ「黙れ黙れ!騙される低能が悪いんだ!」
調査員、ボロを殴ろうと姿勢を取る
金人「あぶねえ!」
金人、それに気づき、ボロの元へ飛び込み
調査員の拳をボロと共に避ける
調査員の拳は地面を貫いていた
ボロ、庇ってくれた金人を見る
ボロ「(調査員を見て)なんでだ!?」
調査員「Do07、貴様に総司令からの捕獲命令が出ている。」
ボロ「なっ!?」
調査員「低能に自由はないということだ」
調査員、二人を襲う
二人は逃げ、なんとかまき、隠れる
他の調査員達が合流する
それを見ている金人とボロ
金人「(小声で)おい!やべえぞこれ!」
ボロ「…仕方ねえ」
ボロの腹部が開き小さな箱が出てくる
金人「なんだそれ」
ボロ、箱のボタンを押す
箱が展開し20m程の赤と白がメインのカラーのロボット「ウォージ」になる
金人「なんだそれ!?」
ボロ、ウォージの燃料タンクに入る
調査員達がウォージに気づく
調査員「何故ウォージが!?」
調査員達、ウォージに襲いかかる
ウォージ、それを払いのける
金人「なんか分からんが、頑張れ!ボロ!」
ウォージ、動かなくなる
金人「ど、どうした?」
●ウォージの燃料タンク・中
ボロ、様々な導線に繋がれている
ボロM「操縦士なしの自動運転はもう限界か…」
ボロ、金人を見る
●市街地
ボロの声「金人、乗れ!」
金人「へ?」
ウォージ、手に金人を乗せ、コックピットに入れる
●コックピット・中
金人、操縦席に座る
金人「まさか俺に操縦しろなんて言わないよな」
ボロの声「そのまさかだ」
金人の目前のモニターにマニュアルが映る
ボロの声「その通りにレバーやらスイッチやら動かせ!」
金人「さっき自動で動かしてただろ!」
ボロの声「自動操縦は制限時間があるんだよ」
金人「…やるしかねえのか」
●市街地
ウォージ、金人の操縦により調査員達をなぎ倒す
他の調査員達が空から集合し、ウォージに攻撃をする
ウォージ、ノックバックし、負けじと肩からレーダーを放つ
あっというまに調査員達が倒れていく
●コックピット・中
金人「よし!」
ボロの声「油断するなあともう一体だ!」
●市街地
最後の一体の調査員、身体が赤くなり自爆する
爆風でウォージが退く
●コックピット・中
金人「なんでだ?」
ボロの声「全ての戦闘出来るタイプは自爆機能がある。敵の人質とかにされないためにな」
●金人の部屋・中
疑似地球を繋ぐ通り道から出てくる
金人とボロ。
金人「なあ、これからどうすんだ?」
ボロ「どうってお前の事なんて知るかよ」
金人「は?」
ボロ「俺は総司令を説得してメカントリーに帰る」
金人「お前正気か?」
ボロ「こんな下等な生物と一緒に殺される位なら命乞いをした方がマシだ!」
ボロ、机を叩く
金人、黙る
金人「…お前にとってメカントリーはそんな大切なのか?」
ボロ「何?」
金人「あんなやつらと一緒にいて楽しいのかってことだよ」
ボロ「貴様…あんなやつらとはなんという口の聞き方だ!」
金人「アレはお前の仲間なんだろ?」
ボロ「当然だ」
金人「じゃあなんで襲ってきたんだよ」
ボロ「…あれは何かの間違いだ」
金人「…そうか」
ボロ「お前こそどうするんだよ」
金人「おとなしく奴隷になるよ。国とかに言ってもどうせ信じてくれねえし。かといっても戦う勇気もねえし」
ボロ「いいのか?」
金人「受かりたい大学も受かりそうもない人生だ。正直、惜しくないよ」
ボロ、笑う
ボロ「ハ、結局は諦めるのか。流石は無力な下等生物だ」
金人、ボロの足元に崩れおち、泣き始める
ボロ、困惑する
金人「俺だってどうすりゃいいかわかんねえよ!奴隷になりたくねえし!かといって戦いたくもねえし!」
ボロ、黙る
●疑似地球の市街地(夜)
主戦艦が到着する
兵士達を束ねた総司令が出てくる
総司令、調査員の残骸を見る
総司令「やはり行方不明のDo07が勝手にウォージを持ち出したということか」
総司令、貧乏ゆすりをする
総司令「厄介なことをしてくれたな、ウォージは我々の最高戦力なのに」
一体の兵士が総司令に近づき、耳打ちをする
総司令「そうか、ついにか」
とニヤッとする
●学校の校庭(朝)
多くの生徒が門から歩いてくる
●金人のクラス・中(朝)
生徒達が座っている
担任、テストの総合結果の紙を持つ
担任「総合結果返すぞー」
生徒達がざわつく
x x x
金人が総合結果を貰う
結果は非常に良かった
金人、驚く
担任「よくやったな!」
担任、金人の肩をポンと叩く
瑠璃が金人に近づく
瑠璃「ちょいみせて」
瑠璃、金人から結果を取り上げる
瑠璃「凄いじゃん!このままいけば入試大丈夫だよ!」
金人「(照れて)本当かよ」
瑠璃「いやマジよ」
瑠璃、金人を絶賛する
金人、ふと戦いのことを思い出す
金人M「このままじゃ瑠璃も奴隷に…」
金人、拳を握りしめる
瑠璃、金人の様子に気づく
瑠璃「どうかした?」
金人「…いやなにも」
●金人の部屋・中(夕方)
ボロがベットに座っている
●主戦艦の廊下(回想)
ロボット戦闘員達の燃料をチューブで供給しているボロ
戦闘員A「(チューブを見て)もう燃料ねえのかよ」
戦闘員B「燃料要員とかタダでさえ階級低いのにそんなかでもお前は特に能無しだよな」
戦闘員C「まったくだ。奴隷の方が遥かに良い活躍するぜ」
ロボット戦闘員達が笑う
ボロ、黙りこむ
●主戦艦の倉庫
ボロ、辺りを気にし、箱の形態になっているウォージを盗む
ボロM「こんなすげえロボを俺が管理してたらきっと皆も見直すだろ」
ウォージを腹部に入れ、隠す
●主戦艦の廊下
武器を持つ奴隷達が暴れている
逃げるロボット作業員達
その中の一人、ボロが逃げ遅れている
兵士が到着し乱戦する
戦いの中戦艦の壁を壊される
その壁からボロが宇宙空間に投げ出されてしまう
●宇宙
宇宙空間を漂うボロ、腹部からウォージを取り出し展開し、燃料タンクにもがきながら入る
自動操縦のウォージが地球に向かって着陸しようとする
●疑似地球の市街地
調査員「Do07、貴様に総司令からの捕獲命令が出ている。」
ボロ「なっ!?」
調査員「低能に自由はないということだ」
●金人の部屋・中
金人「…お前にとってメカントリーはそんな大切なのか?」
ボロ「何?」
金人「あんなやつらと一緒にいて楽しいのかってことだよ」
(回想終わり)
●金人の部屋・中(夕方)
バックを持った金人が入ってくる
ボロ、金人を見る
金人、バックを置く
ボロ「なあ」
金人「ん?」
ボロ「なんで俺がやられそうになったとき、俺を助けてくれたんだ?」
金人「…なんでだろうな」
ボロ「なんでわかんねえんだよ。もしもあの時攻撃を避けきれなかったら死んでたんだぞ?出会って間もないロボットよりも自分の命を優先するべきだろ」
金人「強いて言うなら嫌だったから、かな?」
ボロ「嫌?」
金人「さっきまで話してたやつが急に死んだらなんかすげえ嫌だ」
ボロ「…俺なんか死んでも代わりなんていくらでもいる。」
金人「ボロの代わりなんていねえよ」
ボロ「え?」
金人「ボロはボロ。他は他だろ」
ボロ「…意味が解らないな。何故単一の個体に執着する?」
金人「お前こそなんで自分を蔑ろにするんだよ!」
ボロ、驚く
金人「死んだら終わりなんだぞ!昨日まであんなに生きたいとか思ってた癖に!」
ボロ「気づいたんだよ。俺なんかいなくてもそんな変わらないって」
金人「俺はあのロボットの操縦をしてなんとか生きて帰れることが出来た。あれはお前のお陰だ」
ボロ「元は俺と出会わなければよかっただけの話だろ」
金人「お前と出会わなきゃこのまま人間は有無を言わさず奴隷にされてた」
ボロ「お前、でも戦わないんじゃ」
金人「…生きたいと思う出来事があった。奴隷にさせたくない人がいた。俺は戦うよ。」
ボロ「無茶だ、前の調査員達と戦闘兵は訳が違うんだぞ。力も数も」
金人「無謀なのは解ってるよ。」
ボロ「…バカだ」
金人「…まあお前が協力してくれればの話だけど」
ボロ「俺が母星を裏切ってまでお前に協力すると思うか?」
金人「わかんねえ。別にお前の気持ちを縛るつもりはねえ。」
ボロ、黙る
●同・中(夜中)
金人、ベットで寝ている
ボロ、地球と疑似地球を繋ぐ通り道を再度
展開する
ボロ、金人を見る
ボロ、通り道に入る
●疑似地球の市街地
多くのロボット兵士がボロを囲む
そのボロの元へ総司令が着く
総司令「お前がウォージを盗んだんだな?」
ボロ、黙る
総司令「早く白状しろ!」
総司令、ボロを殴る
ボロ「総司令、我々は宇宙最高の種族なんですよね?」
総司令「その通りだ」
ボロ「宇宙最高の種族だから他の種族を奴隷にしてるんですよね?」
総司令「何を分かりきったことを!」
ボロ「俺は、一人の地球人に会いました。そいつは我々にないものを持ってました」
総司令「ほう…?なんだそれは」
ボロ「他を思いやる気持ちです」
総司令、笑う。それにつられ周りのロボットも笑う
総司令「優しさなんぞ弱いことの言い訳と同義!そんな弱さなど要らぬ!」
ボロ「(口調が強くなり)弱いのは俺たちだろ」
総司令、周りのロボットが静まる
総司令「何?」
ボロ「自分の為に相手を襲うヤツと自分の命を顧みず他の命を助けるヤツ、どっちが強いか聞いてんだよ!」
総司令「愚問だな。生き延びた方が強いに決まってるだろう。前者だ」
ボロ「…もうダメみたいですね。メカントリーは」
総司令と周りのロボット、呆れる
ボロ「種族としての誇りを取り戻すには
侵略行為を止めるべきです!」
総司令「そんな御託は聞きあきた。早くウォージを出せ!」
ボロ、腹部を展開し箱のウォージを取り出す
総司令「手こずらせやがって」
ボロ、箱のボタンを押しウォージに展開させ、燃料タンクに入る
総司令「あいつ!」
ウォージ、自動運転で襲いかかるロボット兵と戦う
●燃料タンク・中
ボロ、様々な導線に繋がれている
ボロM「自動運転は時間に限界がある。
だったら最終手段だ」
ボロ、壁の自爆機能のスイッチを押そうとする
金人の声「(大声で)何やってんだよ!」
ボロ「まさか金人?」
●疑似地球の市街地
金人、ウォージの元へ走る
金人「なんで俺に内緒で戦ってんだよ!」
ボロの声「お前を巻き込みたくない!」
金人「自動運転は制限があるんだろ?俺が乗れば万事解決じゃねえか!?」
ボロ、黙る
金人「乗らせてくれ!」
●燃料タンク・中
ボロ、壁のスイッチを押そうとするのを止める
●疑似地球の市街地
ウォージ、金人を手にのせコックピットに入れる
●コックピット
金人、席に座る
金人「ボロ!ありがとな」
●疑似地球の市街地
ウォージがロボット兵士と戦う
ウォージ、敵を次々と倒していく
総司令「(状況を見て)今に見てろよ」
総司令、疑似地球と主戦艦を繋ぐ通り道を発生させ、その場を去る
x x x
ロボット兵士を全て倒き、戦いの影響で出来た瓦礫に座る金人とボロ
金人「とりあえずはなんとか倒せたな」
ボロ「ああ」
金人「てゆーかお前、一人でカッコつけすぎ」
金人、ボロの顔をデコピンする
ボロ「いって…すまん。お前を出来る限り巻き込みたくはなかった。全部俺たちメカントリーのせいだからな」
金人「少しは頼ってくれよ。」
ボロ「でも」
金人「正直、お前がどうとかじゃなくて、これが俺のやりたいことなんだよ。お前が傷ついてんのを黙って見たくない」
ボロ「金人…」
金人「ま、落書きでカッコよさだだ落ちだけどな」と、笑う
ボロ、改めて自分の身体を見る
右肩のパーツに「ボロ」と黒マジックで書かれたことを思い出す
ボロ「あ、そういえばてめえ!これ一生許さねえからな!」
金人とボロ、じゃれあう
●宇宙
主戦艦の砲台から膨大なエネルギーが放出され疑似地球を形成している
●主戦艦・研究室
プロトタイプのウォージの改良をしている研究員達
そこへ総司令が現れる
総司令「目にもの見してくれるわ」
●疑似地球の金人の部屋(早朝)
金人、疲れはてて寝ている
ボロ、脳内で信号をキャッチする
その信号は総司令からで内容は疑似地球で決着をつけようというものだった
●疑似地球の市街地
瓦礫で覆いつくされている
金人とボロが乗ったウォージが立つ
空から大量のロボット兵士が現れる
●コックピット
金人が操縦席に座っている
金人「来たか…」
ボロの声「総司令は決着をつけようと言ってた。何か秘策があるかもしれない。気を付けろ」
金人「わかった」
金人、レバーを動かす
●疑似地球の市街地(夜)
ロボット兵士をなぎ倒していくウォージ
ロボット兵士はほぼ全滅に近い
その時空から飛翔体が現れる
●コックピット
操縦席に座る金人、その飛翔体を確認する
金人「なんだあれは」
●疑似地球の市街地(夜)
飛翔体が地面に足を着く
その飛翔体の正体は改良されたプロトタイプのウォージだった。
カラーリングは青と黒が主体。
●コックピット
金人「そんなバカな…」
ボロの声「…ウォージ?」
●プロトタイプのウォージのコックピット
操縦席には総司令が座っている
●疑似地球の市街地(夜)
向かいあい対峙するウォージとプロトタイプのウォージ

以下、プロトタイプのウォージを
プロトタイプと略する

総司令の声「地球人一匹と出来損ない一体で我々に対しよく戦った。それは誉めてやろう。だが思い上がるのもここまでだ」
プロトタイプ、ウォージを殴り飛ばす
ウォージ、転がり倒れる
金人の声「…今までのやつらと違いすぎるだろ!?」
プロトタイプ、レーザーを放つ
ウォージ、それをかわし、縦横無尽に走る
ボロの声「出来るだけ遠くへ行って奇襲をかけるんだ」
プロトタイプ、走るウォージに追い付き、
ウォージの前方にレーザーを放ち退路を絶つ
金人の声「クソッ!」
ウォージ、プロトタイプと取っ組み合い、
ゼロ距離でレーザーを放つもプロトタイプは屈しない
総司令の声「無駄だよ。性能が段違いだ」
プロトタイプ、カウンターとばかりウォージの頭部を殴る
ウォージ、吹き飛ばされ、地べたを這う
総司令の声「勝負あったようだな」
金人の声「…なあ俺が負けたら地球はあんたらが侵略するんだよな」
総司令の声「そうだ。喜ぶがいい、宇宙最高の種族に仕えることになるんだからな」
金人の声「んなん御免だよ」
総司令の声「何故お前はそこまで奴隷になることを拒む?強いものに従うのは自然の摂理だ」
金人の声「お前が強いだって?笑わせんじゃねえ。」
総司令の声「は?」
金人の声「力を振りかざして従えるなんて虚しくねえのかよ。」
総司令の声「力を振りかざして従えるのが強さというものだ」
ウォージ、立ち上がる
金人の声「違う!本当に強いのは」
(フラッシュ)
●疑似地球の市街地
総司令とロボット兵士に囲まれ彼らを説得しようとするボロを陰から見ている金人
(フラッシュ終わり)
●疑似地球の市街地(夜)
金人の声「本当に強い奴は自分より他の命を助けようとするボロみたいな奴だ!」
●燃料タンク
導線に繋がれているボロ
ボロ「金人…」
●疑似地球の市街地(夜)
総司令の声「貴様もDo07と同じ事を言うんだな。所詮烏合の衆というわけだ」
金人の声「なんとでも言ってろ!」
ウォージ、プロトタイプに向かって走りだしただひたすらに殴る
●プロトタイプのコックピット
総司令、唖然とする
総司令M「何故だ?戦力差を見せつけられても何故ここまで戦えるんだ…」
●疑似地球の市街地(夜)
プロトタイプの燃料タンクが破損する
総司令の声「何!?」
プロトタイプ、反撃するもウォージは怯まず攻撃を続けついにはプロトタイプの機能が停止する
瓦礫へ投げ出される総司令
空から大量の援軍部隊が到着する
ウォージは既に半壊状態
総司令、笑う
総司令「我々の勝利だ!」
金人の声「…もう終わりか、畜生…」
突然ウォージが自動操縦に切り替わり
金人がいるコックピットを引き剥がし、地面に置く
金人、驚く
金人「どういうことだ!?」
ボロの声「俺に考えがある。お前は出来るだけ遠くへ逃げるんだ。」
金人「え?」
ウォージの自爆機能が作動し、全身が赤くなる
金人、調査員が自爆したとき全身が赤くなったことを思い出す
金人「バカ!やめろ!」
ボロの声「勘違いすんな。これが俺のやりたいことなんだ。」
金人、立ちつくす
ボロの声「…今までありがとな」
ウォージ、援軍部隊の中心に移動し自爆する
金人、爆風で吹き飛ばされる
●主戦艦
ボロボロの総司令が歩いている
総司令「諦めぬぞ、体勢を立て直し、いつかは地球を我らのものに…」
総司令の元に作業用ロボット達が集まる
作業A「奴隷の反乱です!」
総司令「何!?兵士達は?」
作業B「それが先程の戦争で殆どがいなくて」
総司令、唖然とする
奴隷の声「いたぞ!今こそ自由を取り戻すんだ!」
奴隷達がそこへ到着し、総司令を取り押さえる
●疑似地球の市街地(夜)
様々な建物が崩壊し破壊されたロボット達が倒れている
金人、ボロを探している
金人、つまずいてこける
足元には「ボロ」と黒マジックで書かれたボロの右肩のパーツがある
金人、それを拾う
付近の瓦礫に潰されているボロを見つける
金人「(駆け寄り)おい!」
ボロ「(意識が薄く)金人か」
すると疑似地球が崩壊を始める
金人「なんだ!?」
ボロ「ここのエネルギー作り出していた主戦艦に何かあったみたいだな。そろそろ崩壊するぞ」
金人「逃げるぞ」
金人、瓦礫をどかそうとするも全く動かない
ボロ「お前だけでも生き延びろ」
ボロ、疑似地球と地球の通り道を展開する
金人「嫌だ!お前を連れていく」
ボロ「(大声で)無理だっていってんだろ!」
金人、驚く
ボロ「お前を死なせたくない。だから俺の指示に従ってくれ。」
金人「見捨てろって言うのか!?」
ボロ「違う、生きろっていってんだ」
ボロ、金人が持ってる右肩のパーツを見る
ボロ「悪くなかったぜ」
金人「え?」
ボロ「ボロって名前。」
金人、右肩のパーツを見る
ボロ「お前に出会えて良かった。メカントリーの過ちを気づけたからな」
金人「(泣きながら)こっちだって、お前がいなきゃ地球は終わってた」
ボロ「…照れるな」
疑似地球の崩壊が秒読み
金人、通り道へ向かう
金人、ボロを見る
金人「ありがとな」
ボロ「…ああ」
金人、通り道に入る
疑似地球が崩壊する
●金人の家の前(数ヵ月後)
運送トラックが止まっている
●金人の部屋
引っ越しの準備をする金人
金人、机の引き出しを見る
そこには「ボロ」と黒マジックで書かれたボロの右肩のパーツがある
金人、それを手に取る
金人「ボロ、俺いけたよ」
ボロの声「おめでとう、と言いたいがその前にそれ返してくんね?肩がぐらつくんだよ」
金人、驚き辺りを探す
しかしボロはどこにもいない
金人、落胆するも微笑む
金人「返せるものなら返したいよ」
金人、右肩のパーツを机に置く
パーツの隣には大学の合格発表で撮った合格証を持つ金人と瑠璃の写真が置かれている

終わり

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コメント

  • 脚本を投稿するのはこれで二本目になります。
    こんな拙い文章に時間を割いてくださってありがとうございます。
    感想を頂ければ幸いです
    08/08
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