その手の温もり 恋愛

千尋を迎えに来た哲平。 しかし、イタリアの家には誰もいない。 その時、庭で笑ったのはあの人だった……。 「愛してるの数」裏話。 【謎の男と迎えに来た男】
悠二 28 0 0 03/29
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第一稿

・イタリアの家前

門の前に立っている哲平
永久の表札を確認して中に入っていく
玄関前でインターホンを鳴らすが誰も出てこない

哲平 「……」

恵  『お願い。ち ...続きを読む
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・イタリアの家前

門の前に立っている哲平
永久の表札を確認して中に入っていく
玄関前でインターホンを鳴らすが誰も出てこない

哲平 「……」

恵  『お願い。ちーに顔みせてやって』

哲平 「……」

二階の窓を見上げるが、人の気配がしない

哲平 「……」

急にハーモニカの音が聞こえてくる

哲平 「っ?」

音のする方を見ると庭のベンチに誰かが座っている

哲平 「ちー……?」

こちらを向いて微笑んでいる

哲平M「じゃない……」

***
・庭

ベンチに座っている男をぼーっと見つめていると
またハーモニカを吹き出す
左手薬指の指輪に夕日が反射して一瞬目がくらむ

哲平 「あの……」
男  「ふふっ。てっちゃん、おいで」
哲平 「なんで……俺の名前……?」

男、微笑んでいる
その笑顔につられてゆっくりと近づいていく

男  「ちーを迎えに来てくれたんでしょう?」
哲平 「え、あの……どうして?」
男  「ちーはね、今海にいるよ。君が来るのを待ってる」

微笑む男

哲平 「どうして知っているんですか……? あなたは……」
男  「君がちーを幸せにしてくれるって信じてるよ。僕が出来なかった分、君があの子を大切にしてあげて」
哲平 「でも俺」
男  「ふふふっ、何を不安になっているのー? 大丈夫、君ならできるよ」

男、哲平の手を取り微笑む
指輪を見て疑問を抱く

哲平M「この指輪……どこかで……」

男  「君はこの手をずっと繋いでいてあげてね」
哲平 「手……」

千尋 『その手がね、僕の知ってる手だった。僕はその手を二つ知ってる。恵ちゃんと、パパの手。その手は一生懸命に僕を守ろうとしている手。それが同じだった』

哲平 「恵ちゃんと……パパの……っ──」

哲平、男の顔を見る
微笑んでいる男

哲平 「あなたは──」

男、立ち上がる

男  「さぁ、僕はもう行かなくちゃ。ちーは転びやすいから、早くしないと海に落ちちゃう」

笑いながら門を出て行こうとする

哲平 「待って! あなたはちーの──!」

男、振り返り微笑む

男  「恵ちゃんによろしくね。それと……」
哲平 「え……?」
男  「ありがとうって」

男、去っていく

哲平 「待って! 待ってください!」

哲平、追いかけて門を出るが、去っていった方向には誰もいない

哲平 「そんな……」

立ち尽くしていると、遠くからハーモニカの音が聞こえてくる
それを聞いて微笑む哲平

哲平 「海か……」

走っていく

***
・リビング

哲平、千尋と二人でソファに座っている

哲平 「なぁ、ちー」
千尋 「ん? なぁに?」
哲平 「春さんってどんな人だった?」
千尋 「え? パパ? ふふっ、すっごく優しくてね、かっこよくて、ハーモニカが上手くって、それで恵ちゃんが大好きなの」

笑いながら答える千尋

哲平 「そっか」
千尋 「どうしたのー? 急に」
哲平 「ううん、なんか知りたいなって思って」
千尋 「そうだ! アルバム、見るー?」
哲平 「うん」

微笑むと、戸棚からアルバムを持ってくる千尋

***
・リビング

ソファに座って二人でアルバムを見ている

哲平M「写真の中で笑っている春さんが、庭で会った人なのか、俺にはよくわからなかったけど、それでも俺はあの人の言ったことを守ろうと思う」

ソファに置いてある手にそっと重ねる
それに気づいて微笑む千尋
笑い合う二人

恵  「ただいまー!」

恵、大きな荷物を抱えて帰ってくる

千尋 「おかえりー」
恵  「あ、何、上手くいったんだな?」

恵、笑う

千尋 「ふふふっ」
恵  「やっぱお前は笑ってるのが一番いいよ」
千尋 「恵ちゃんのおかげだよ」
恵  「なーに言ってんだよ! さっ、荷物運ぶの手伝え哲平!」
哲平 「はいはい……何買ってきたんですかこんなに沢山……」
恵  「いろいろだよいろいろ! って……何、アルバム見てたの?」

恵、ソファに座って写真を見る

恵  「懐かしいー」

懐かしげに笑う恵
その手を見て、あの指輪を思い出す

哲平 「……」

恵の左手薬指にはめられている二つの指輪
写真の中で笑っている春を見て
微笑む哲平

恵  「何笑ってんだよ? あ、俺様のカッコよさにビックリしたんだろ?」
哲平 「はははっ」
恵  「? なんだよ気持ち悪ぃな……まぁ春には負けるけどなっ」
千尋 「ねぇ、この時さ……」
哲平 「え?! ほんとに?!」
恵  「違う! この時は!」

三人で笑い合っている

哲平M「あの人が離したくなかったこの手を、ずっと繋いでいよう」

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