〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・涼風アキラ
・中島英二
・聖川琉華
・乾椿
〇『STARLIGHT』・休憩室・中(夜)
アキラ「俺も…男…好きだから」
琉華「何!」
アキラ「お互いにこれは秘密って事にしておこう…じゃ、俺店に戻る
わ」
休憩室を出て行くアキラ。
琉華「は?アキラが男が好き?は?何で…ちょ、アキラ待てよ」
振り返るアキラ。
アキラ「何だよ。客が待ってんだけど」
琉華「アキラ…男好きなのか?」
アキラ「そうだって言ってんだろ。琉華もだろ?」
琉華「…」
アキラ「何か、同じ匂いがするから、そうだろうな。じゃあな」
店へ戻っていくアキラ。
〇シェアハウス・一階・七緒の部屋・前(夜 )
溜息を付きながら水晶を手に持ち七緒がリビングへ行く。
〇同・リビング(夜)
七緒が来て、ソファーに座り水晶をテーブルの上に置いて手をか
ざす。
七緒「(溜息)ダメだ…何度やってもダメです」
宗介と千秋の声「ただいまー」
宗介と千秋が仕事から帰ってくる。
宗介「おぉセブン居たのか?」
水晶に手をかざして集中している七緒。
宗介「無視かよ…」
千秋「集中してるんだよー(七緒に)ねぇ?」
七緒「はい」
宗介「返事してんじゃん!俺の時だけ無視だったじゃん!」
溜息を付き水晶から手を離す七緒。
千秋「七ちゃん、何か占ってたの?」
七緒「何か、嫌な予感が…」
千秋「え?」
七緒「水晶が真っ暗なんです?」
宗介「え?」
七緒を挟み一緒に水晶を見る宗介と千秋。
宗介「黒い?全然黒く見えないけど?真っ白」
千秋「確かに白い」
咳払いをする七緒。
七緒「(いきなり大声で)真っ黒です!」
宗介「うわぁ!!びっくりしたぁ…」
七緒「私には見えるのです…この真っ黒加減…これは相当ヤバい事が起
こる前兆です」
千秋「ヤバい?」
宗介「事?何だよ、ヤバい事って…」
七緒「それが…分からないのです」
宗介「何だよ、分からないのかよ…」
七緒「分からなくも無いのですが」
宗介「どっちなんだよ!」
七緒「このシェアハウスの中で何か不吉な事が起こりそうなんです」
千秋「それで?」
七緒「それが、どんな不吉な事が起こるのか…それが見えてこないんで
す。それさえ分かれば、未然に防ぐ事が出来るのですが…まだそこが
分からないとは、まだまだ修行が足りないのかもしれません」
宗介「あぁ…」
七緒「これはまた恐山へ修行へ行かなくてはいけないのかも…」
水晶を持って立ち上がる七緒。
宗介「あれ?部屋戻んの?」
立ち止まる七緒。
宗介「セブン、腹減ってないのか?何か作ろうか?」
七緒「いえ、お気持ちだけで…少し部屋に籠ります」
小走りで自分の部屋へ戻っていく七緒
宗介「セブン…大丈夫なのか?」
千秋「大丈夫…と、思う」
宗介「セブンが言ってた不吉な事って、何なんだよ…気になるじゃねぇ
か」
千秋「七ちゃんなら時間かけてでも、何か答えだしてくれると思うんだ
けど…まぁそれはまた七ちゃんが教えてくれるよ」
宗介「…」
千秋「悩むのは起きてからでいいんじゃない?」
宗介「まぁ…」
千秋「お風呂入って寝ようよ」
〇『STARLIGHT』・中・事務所・前(夜)
琉華が来て、事務所のドアをノックしようとするとアキラと椿が
楽しそうに話している声が聞こえる。
琉華「…」
ドアノックをする琉華。
椿の声「はい」
ドアを開け中に入っていく琉華。
〇同・同・中(夜)
琉華が入ってくる。
アキラが黒のスーツを着て喜んでいる。
椿「おぅ、琉華。お疲れ」
琉華「お疲れ様です」
アキラ「琉華。これ見てくれよ」
スーツを琉華に見せつけるアキラ。
琉華「どうしたんだ?」
アキラ「オーナーが買ってくれたんだよ」
琉華「え…」
椿「アキラの成績が、ほんとにいいからなぁ。今回は特別にアキラにプ
レゼントしたんだ」
琉華「…」
椿「琉華、どうだ?アキラ似合ってるだろ?」
琉華「ま、まぁ…」
アキラ「この戦闘服で今日も頑張ってきます」
椿「おぅ」
アキラ「じゃ、これからお客様迎えに行ってきます」
椿「おぅ、今日もよろしく頼むな」
アキラ「うっす」
琉華を見て事務所を出て行くアキラ。
椿「アキラの奴、売り上げが上がってきて顔つき変わって来たよな。自
信が付いたのか、いい顔してるよ」
琉華「何か椿さん…」
椿「ん?」
琉華「アキラに力入れすぎてませんか?」
椿「そうか?」
琉華「そうですよ…アキラにあんな高そうなスーツ買ってあげたり…俺
なんてそんな事…(声小さく)してもらった事ないし」
椿が笑って、琉華の隣に座る。
椿「何だ、琉華。ヤキモチ妬いてるのか?」
琉華「そんなんじゃ、ないけど…」
琉華の肩に手を回し耳に息を吹きかける椿。
琉華「あ…」
感じて勃起してしまう琉華。
椿「本当の事言えよ…」
琉華「そんなんじゃ…ない…」
さりげなく股間を手で隠す琉華。
椿「こんなになってんのに?」
琉華の手を優しく退けて椿が琉華の股間を撫でるように触る。
琉華「う…」
椿「俺と琉華は、アキラとはまた違う関係だろ?俺達だけの…秘密の
関係」
体がぞくぞくしてくる琉華。
琉華「椿さん…」
椿にキスをしようとする琉華だが、人差し指で琉華の口を塞ぐ
椿。
椿「こっからは、琉華の目標を達した時だろ?」
琉華「またそれか…」
溜息を付く琉華。
椿「だって、約束だろ?俺と琉華の」
琉華「…」
〇同・同・前(夜)
アキラが下唇を噛んで握り拳を作っている。
〇同・前(朝)
仕事終わりの琉華が出てくる。
琉華「今月も、トップは無理そうだな…」
アキラが出てくる。
アキラ「琉華」
琉華「何だよ」
アキラ「少し話そうぜ」
琉華「…」
〇道(朝)
琉華とアキラ。
琉華「何だよ。俺疲れたから帰りたいんだけど」
アキラ「…」
琉華「また売り上げの自慢か?もうそれなら聞き飽きたぞ」
アキラ「いくら売り上げが良くなってきても、このスーツを買ってもら
っても…」
琉華「おい、何言ってんだ?」
アキラ「俺の方には振り向いてくれないんだよな」
琉華「は?」
アキラ「何で、琉華はオーナーと付き合う事が出来てるんだ?」
琉華「あ?」
アキラ「とぼけるなよ。さっきは言葉濁したけどな…付き合ってるんだ
ろ?琉華とオーナー」
琉華「あ…」
アキラ「違うとは言わせないからな」
琉華「付き合ってると言うか…まだそこまでの関係じゃない」
アキラ「嘘つくなと言ってんだろ」
琉華「嘘じゃねぇよ!ってか何なんだよ…どうしてそこまで俺と椿さ
んの事聞いて来るんだ?」
そっぽを向くアキラ。
琉華「もしかして…アキラも好きなのか…?椿さんの事」
アキラ「だったら…悪いのかよ…」
琉華「悪いのかよって…」
アキラ「俺、諦めないから…琉華がライバルでも…話はそれだけ。お疲
れ」
帰って行くアキラを見ている琉華。
〇シェアハウス・リビング(朝)
琉華が仕事から帰ってくる。
琉華「ただいま」
キッチンから宗介が出てくる。
宗介「おぅ、お帰り」
琉華「ただいま」
溜息を付いてソファーに座る琉華。
宗介「どしたんだよ、何か元気ないな?」
琉華「そうか?ちょっと疲れただけ」
宗介「そっか…」
琉華「あれ、千秋は?」
宗介「何か、仕入れ先の人と打ち合わせで先に出ちゃった」
琉華「打ち合わせの人…」
宗介「何か最近、仕入れ先の人と会うのが多くてさぁ。何の打ち合わせ
してんだろ」
琉華「それって、本当に打ち合わせの人間なのか?」
宗介「え…?」
琉華「えって…ちゃんと聞いてねぇの?」
宗介「聞いてない…ってか、千秋がそういうんだからそうなんだろ?」
琉華「もしかして…新しい男かなあ?」
宗介「男?」
琉華「彼氏って事だよ」
宗介「わ、分かってるよ…んな事」
ふと、心配になる宗介。
〇カフェ・中(朝)
千秋と英二。
千秋「もぅ、いい加減にしてくれる?」
英二「って、言う割にはこうやって来るんだよなぁ」
千秋「…」
英二「やっぱ、俺の事忘れられないんじゃないかなぁって」
千秋「それはない」
英二「そう俺に勘違いさせてるのは千秋の方だぞ」
千秋「…」
英二「俺、妻とは…別れる事にした」
千秋「は?」
英二「は?じゃなくて…妻と別れる事にしただから、もう一度俺とや
り直さないか?」
千秋「また、そんな事」
英二「俺、本気だからな。だから千秋もそのノンケの彼と別れて俺と
一緒に」
千秋「だから、もう遅いんだって」
立ち上がり、店を出て行く千秋。
〇道(朝)
千秋の後を追いかけていく英二。
英二「ちょっと、千秋!」
千秋の腕を掴む英二。
千秋「離せよ!」
千秋の腕を掴んだまま、人気のない路地に入っていく。
千秋「離せって!」
千秋を壁に押し付ける英二。
そっぽ向こうとした千秋をそのまま英二がキスをする。
千秋「!!!」
千秋の唇から離れる英二。
英二「俺の事忘れられなくしてやるよ」
再び英二が千秋にキスをする。
続。
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