テスト中の脳内 コメディ

テスト中の脳内でのうるさい独り言です。 クスッと笑えるコメディです。
ソン 20 0 0 02/13
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第一稿

ジー。テストが始まる2、3秒前に鳴る音。みんないつ鳴るか、いつ鳴るかとドキドキする。そして、ジーと鳴ったらみんなが音もなくざわつく。そして、キーンコーンカーンコーンと鳴る。だが、み ...続きを読む
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ジー。テストが始まる2、3秒前に鳴る音。みんないつ鳴るか、いつ鳴るかとドキドキする。そして、ジーと鳴ったらみんなが音もなくざわつく。そして、キーンコーンカーンコーンと鳴る。だが、みんなと違って私は動じない。ジーと鳴っても動じない。キーンコーンぐらいでやっとシャーペンを握る。先生に従い、名前を書く前にプリントの印刷を確認。プリントは半面印刷2枚。余裕かな。その後丁寧に名前を書く動作をしながら、名前を少しテキトーに書く。ここで時間を確認。1分程遅れた時計の世界では2分経っていることになっている。出だしはそう悪くはない。まあ良くもないんだけどね。
「大門一、次の問いについて答えなさい。」あ。予想と違う。「大門一、次の文章を読んで答えなさい。」だと思っていた。一度読んだことがある文章を誰がもう一回読むんだ、とツッコミをいれる予定だった。チッッックショー。大ダメージをくらった。先生にやられてしまった。調子が狂う。ダメだダメだ。こんなことで動じてはいけん。最初は漢字。ココは予想どおり。ふっふっふ。「ようそう」という聞きなれない漢字を出してきたか。だけど私は一歩先を行く。ここは朝休み、そうさっき瑠璃子ちゃんから出そうと聞いたんだ。ハッハッハ。さっきのお返しだーっと頭突きをする。まあまあこの辺は勉強していなくても解ける解ける。・・・記号問題。エとイどちらもあっていると思う。こういうときは「曖昧な方があっている」と言っていた昔の英語の先生を信じようではないか。どちらにしようかで決めるよりは当たる確率は高い。うん、信じよう。・・・また答えがイか。二連続記号が同じだと不安になる。私は二連続ごときでは不安になどならない。だがしかし、六連続は流石におかしい。見返す・・・。いや、あっているはずだ。待てよ、そういう不安にさせる罠かもしれない。昨日ちょうどみたギャグ漫画で答えが全部アというのをみたじゃないか。それと一緒かも。いやでもでも所詮ギャグ漫画。先生がテストにギャグをいれてくるはずが・・・ないか?不安になるテストをつくるのはどうなのか、問題ではないかとは思う。
ペラッ。
ん?ページめくりフィーバーだ。もうみんな二枚目にいったのか。動じてはいけん。さっきの問題はもう全部イでいこう。私があっていると思っているのであればいいじゃない。実は先生がギャグ好きだったりSだったりもしくはぷよぷよクエストで六連鎖した喜びを表現しただけかもしれない。まあ、私は倍の十二連鎖まではいったことがあるけどね。さ、引きずらず動じず次へ行こう。
よしやっと二枚目突入。今で二十五分経過か。まあ、イの件もあったからこんなものでしょう。ここで先生をみる。そう、監督?見張り?の先生。・・・先生は何をみているんだ?前の見張りの先生もそうだった。・・・テストの問題?一緒に解いているのか。先生たちに親近感が湧いた。良い世界。
国語の先生が来た。まだ私は二枚目に入ったばかり。テスト開始から三十分弱。いいタイミングかな。少し早いくらいか。早すぎてもあとあと訂正点がみつかって全員に一点とか、遅すぎて訂正点言うのも遅くなって私たちの問題を解く時間が遅くなるっていうのも大変。そう思うと教科の先生も大変だな、お疲れ様です。気持ちも和んだところで早く終わらせてしまおう。
あ、ここは昨日徹夜でやったところだ。昨日考えるのが面倒くさくなって赤で書いたんだっけ。・・・そうだ、ここには「徐寧」がはいるんだ。書いた記憶がある。そのあとはなにか聞いたことのない単語がはいるんだった。ダメだ、諦めよう。でも空白はダメって昔からママに言われているからなにか書かなきゃ。でも珍回答はダメだ。夜が眠れなくなる。うーん。もういいや。本文に書いてある漢字を使おう。「見知って」でいいかな。見知るっていうかな。意味は伝わるからいいか。
よし。終わったー。残り十分か。ややギリギリといったところかな。なにをしようか。見直しをする体力はもう残っていない。やっぱり落書きかな。だけどみんなみたいに問題用紙には書かない。回答用紙に書く。このスリルが一歩先を行く私の楽しみ方。書くのは風に吹かれる少女。さらさらロングに麦わら帽、白い膝下丈のワンピース。たまらないのが風を受け、浮き出るふとももの形。変態チックだが何回も書きたくなる。やめられない、とまらない。謎に少女を泣かせ涙を風に飛ばして完成。その子を小さいベランダに立たせ題名は「ハウルが死んでしまったときのラスト」とする。今日は調子がいい。回答用紙だから消さなければならない。残り二分。悲しさも回答用紙に書く楽しみの一つである。さよなら・・・。またジーと鳴る。・・・気がついたが遅かった。国語の回答用紙のクラス番号は漢数字で書くと決めていたのに・・・算用数字で書いてしまった。あー。ショック死。先生にやるな、コイツと思われたかった・・・。私は日本人の心を忘れてしまった。

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