あしたの若者 ドラマ

成績学年トップの優秀な高校3年生の成瀬健斗は、大学受験を目前に初めて社会というものに疑問を持ち始める。
友里香 16 0 0 01/30
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第一稿

◯桜蘭高校・全景

○同・廊下
   3年A組の看板。

○同・3年A組
   高山順一(33)が教壇に立っている。
高山「始め」
   一斉に紙を裏返す音が響く。 ...続きを読む
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◯桜蘭高校・全景

○同・廊下
   3年A組の看板。

○同・3年A組
   高山順一(33)が教壇に立っている。
高山「始め」
   一斉に紙を裏返す音が響く。
   沢山の生徒が机に向かっている。ペンを走らせる音。
   必死にペンを動かす成瀬健斗(18)。机の上の腕時計を見る。ふと何かに気づく。
   津村大輔(18)が高山の目を盗みながらスマホをいじり、答えを記入していく。
   じっと津村を見つめる成瀬。

○同・職員室(夕)
   教員達が各々デスクで作業をしている。
   成瀬がドアを開け入る。
成瀬「失礼します」
   高山がデスクで採点をしている。
   高山に近寄る成瀬。
成瀬「先生…」
   振り向く高山。
高山「おう成瀬、丁度良かった。お前第一希望は変わらず東大で良いんだよな」
成瀬「え、あっはい」
   高山が引き出しの中から書類を取り出し、成瀬に渡す。
高山「そしたら今週の金曜までにこの出願許可書書いてきてくれ。重要な書類だから無くさず最後
 に必ずチェックしてって…まあお前なら大丈夫だよな」
  採点に戻る高山。高山のデスクに広がっている答案用紙を見つめる成瀬。
成瀬「先生…あの」
高山「どうした」
   採点を続ける高山。
成瀬「あの…俺、カンニングしてる所見ました。津村がスマホを見てて…」
   高山、手を止める。
高山「本当か」
成瀬「はい」
高山「そうか…分かった。本人達に確認してみよう。勿論お前の名前は伏せておくから心配する
 な」
   成瀬が少し会釈をする。

○成瀬家・リビング(夜)
   成瀬と成瀬正敏(45)が向かい合って、食事をしている。
正敏「そういう人達は放っておけばいいんだ」
成瀬「でも…そういう奴らを放っておいたら、真面目にやってる人達が損するだろ」
正敏「人のことより自分はどうなんだ。勿論、満点なんだろうな」
成瀬「多分大丈夫」
正敏「多分か」
   食事を続ける正敏。
正敏「そんな奴らに構ってる暇があったら勉強しろ。東大受けるんだろ」
成瀬「…」
正敏「いいか、世の中不当なことばかりだ。真面目に生きてる人間が損することなんて当たり前に
 ある。それが社会だ」
   成瀬は正敏を見つめる。

○桜蘭高校・3年A組
   高山が答案用紙を持ち、教壇に立っている。
高山「じゃあこれから一人ずつ化学の答案返していくぞ」
   成瀬、ふと津村を見つめる。
   津村は男子生徒と談笑している。
高山の声「津村」
   成瀬、津村を見つめ続ける。
   津村、答案用紙をもらい笑みを浮かべる。そのまま席に着く。
津村の声「成瀬」
   成瀬、立ち上がり津村の横を歩いていく。津村の机の上には100点と書かれた答案用紙。
   津村の答案用紙を横目にゆっくりと足を進める成瀬。
   高山が成瀬に答案用紙を渡しながら、
高山「さすがだな満点、この調子でいけよ」
   成瀬は答案用紙をもらい、席に戻ろうとする。立ち止まる。振り向く。
成瀬「先生、何で津村の答案が満点なんですか」
   一瞬静まり返る教室。
   津村が成瀬を見る。
成瀬「俺は津村がカンニングする所を実際に見たんです」
   ざわつく教室。
   立ち上がる津村、成瀬を睨み、
津村「証拠も何もないのに変な言いがかりつけてくんなよ。それに学級委員長でもあるこの俺がカ
 ンニングなんて、そんな真似する訳ないだろ」
高山「はい静かに。本人はやってないと言ってる。だから先生はそれを信じることにしたんだ」
   津村を睨む成瀬。
津村「なんだよ。人を陥れてまで学年トップを維持したいのかよ」
   静まり返る教室。
   生徒達が成瀬を見つめる。
   津村を睨む成瀬。

○桜蘭高校・全景
   校舎の壁の時計の針は7時45分を指している。

○同・正門
   成瀬が参考書を片手に登校している。

○同・廊下
   廊下を歩く成瀬。ふと立ち止まり、カバンの中から紙を一枚取り出す。紙には志望校出願許
   可書と書かれている。
   引き返そうとする成瀬。振り向き様に紙を落とす。教室のドアの近くに落ちる紙。拾おうと
   する成瀬、ふと教室の中を見て目を見開く。

○同・教室
   女子生徒1とキスをしている高山。

○同・廊下
   その場に立ち尽くす成瀬。

○同・教室
   激しくキスをする女子生徒1と高山。
女子生徒1「…先生」
高山「ん?」
女子生徒1「そういえばこの間言ってた先生の本、どうなったんですか」
高山「出版されるよ」
女子生徒1「へえすごーい!」
高山「まあ津村の父親が偶然出版会社の社長でラッキーだったよ」
女子生徒1「津村の親?津村の親と先生仲良いの?」
高山「いや、津村のカンニング、黙ってるのと引き換えに」
女子生徒1「やばー」
高山「親子共々バカだよな」
女子生徒1「てかあいつ本当にカンニングしてたんだ」
  二人の笑い声。

○同・廊下
   成瀬の瞳孔が開く。茫然と立ち尽くす。

○同・体育館
   全校生徒が並んでいる。茫然と前を見ている成瀬。女子生徒2と女子生徒3がひそひそと話
   している。
女子生徒2「なんか今日高山機嫌悪くない?」
女子生徒3「多分急に朝会入ったからじゃない?」
女子生徒2「それだ。先生みんな機嫌悪そう」
女子生徒3「最悪、服装いつにもまして言われるじゃん」
   舞台の上で校長がマイクに向かって、
校長「三年生は今年は勝負の一年ですね。気を引き締めましょう…。ところで最近、ルールを破っ
 ている生徒達が多く見受けられる!服装や髪型!身嗜みをきちんと出来てない人間が社会で認め
 られると思ったら大間違いですよ!」
  茫然と前を見つめる成瀬。

○同・3年A組
   高山が生徒達に紙を配り始める。
   窓の外を見つめている成瀬。前の生徒から紙が回ってくる。紙には、今話題となっている社
   会問題を一つ例に挙げ自分の意見を述べよと書かれている。
   成瀬は再び窓の外を見つめる。
   × × ×
   高山が教卓に座りながら紙を一枚ずつめくっていく。突然手を止める高山。
   用紙の真ん中に、”社会ってなんだ”と書かれている。高山は顔を上げる。
   窓の外を見つめ続ける成瀬。


○成瀬家・リビング(夜)
   正敏が帰ってくる。電話が鳴る。正敏が受話器を取り、
正敏「ああ、こんばんは。はい父です。出願許可書ならサインして息子に渡しましたが…」
   玄関のドアが開く音。リビングに入ってくる成瀬の足。正敏が振り返る。目を見開く成瀬。
   はだけたシャツ、制服を着崩し、金髪姿の成瀬が立っている。

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