短編ホラー⑥『声』 ホラー

小学校の暗黙のルール。木曜日、旧校舎の三階に一人でいると、「それ」は起こる。
美野哲郎 77 0 0 09/01
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第一稿

〇小学校・外観(夕)

〇同・正門前(夕)
   校舎から出てくる摩美(10)と由梨(11)。
   摩美、ランドセルの中身を確認し、
摩美「あ。リコーダー忘れた。待って ...続きを読む
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〇小学校・外観(夕)

〇同・正門前(夕)
   校舎から出てくる摩美(10)と由梨(11)。
   摩美、ランドセルの中身を確認し、
摩美「あ。リコーダー忘れた。待ってて」
   摩美、校舎に引き返す。
由梨「ねえっ、さっき私たち最後じゃなかった?」
   摩美、振り返る。
摩美「……今日って木曜日?」
由梨「うん」
   摩美、面白がって、
摩美「木曜日。旧校舎の三階に一人でいると……」
由梨「アレって、出くわしたらどうなっちゃうの?」
摩美「さあ。どうもなんないんじゃない?」
   摩美、校舎に向かう。
由梨「え、行くの? 一緒に行こうか?」
摩美「いいよ。リコーダー取るだけだし」
由梨「だって先生も嘘じゃないって言ってたよ」
摩美「ビビり過ぎーっ」

〇同・階段(夕)
   摩美、駆け上がる。

〇同・三階廊下(夕)
   摩美、廊下から顔を出す。
摩美「誰か、いますかー?」
   返事は無い。
   摩美、目当ての五年一組の室名札をまず見る。
   摩美、一組に向けてゆっくり廊下を歩いていく。
   ドアが開いたり閉まったりしている各教室。
   ドアの開いた五年二組の前を通り過ぎる。
   教室の中から声がする。
男の子の声「ゴローくん」
   摩美、立ち止まる。
摩美「え、誰かいる?」
   摩美、五年二組の中を覗き見る。

〇同・五年二組(夕)
   淡い夕暮れの光線。無人の教室。

〇同・三階廊下(夕)
摩美「……」
   摩美、ドアを閉める。黙ってまた目的地に進む。
   背後の五年二組から声。
男の子の声「ゴローくん」
   摩美、立ち止まる。
   駆け足で一組に入る。

〇同・五年一組(夕)
   摩美、自分の机まで走り、リコーダーを手に取る。

〇同・三階廊下(夕)
   摩美、勢いよく顔を出し、廊下を見回す。
   人影は無い。
   摩美、慎重に引き返していく。
   さっき閉めたドアが開いている。
摩美「……」
   摩美、意を決し、五年二組に顔を出す。
摩美「いるんでしょ?」

〇同・五年二組(夕)
   摩美、室内を見回す。
   無人の教室。

〇同・三階廊下(夕)
   摩美、首をひねり、来た階段へ戻っていく。
   五年二組のもう一つのドア(開いたまま)の前を通り過ぎる。
   と、今度はすぐ背中越し、耳元で声がする。
男の子の声「ゴローくん」
   摩美、立ち止まる。
摩美「……いるの?」
   摩美、ゆっくり振り向いていく。
   背後を確認しそうなその時、
由梨の声「摩美っ」
   摩美、前に向き直る。
   階段から顔を出した由梨、必死に首を横に振っている。
   そして激しく手招きする。
   摩美、由梨の元へと走り去っていく。
摩美「何がいたの」
由梨「何も。アレは、見えないんだよっ」
   二人、階段を駆け下りていなくなる。
   残された無人の廊下。

〇同・五年二組(夕)
   淡い夕暮れの光線。無人の教室。
男の子の声「ゴローくん」

                     終わり

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