本日、右腕を落としました #1 (旧名: 絶望か希望か, 君はだれだ ) ドラマ

ある日常の物語。怪しい会社と出会う男。 ※絶望か希望か(旧名:君はだれだ)#2は削除しました
ゆでハム 7 0 0 08/31
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第一稿

【登場人物】
タチバナ(29) 男
モチダ(?)

【#1 本編】
〇暗闇
タチバナの声(前半無理に冷静な感じ、後半ひどく動揺)「本日、右腕を落としました。最近落とし物 ...続きを読む
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【登場人物】
タチバナ(29) 男
モチダ(?)

【#1 本編】
〇暗闇
タチバナの声(前半無理に冷静な感じ、後半ひどく動揺)「本日、右腕を落としました。最近落とし物が多いんです。この間も携帯を忘れていくし、最近ぼけてるかもしれません。右腕が…右腕が、、右腕、、いや、え、右腕??え、なに、え、え?みぎ、は???」

-3週間前-
〇都会ビル群 朝
街中の映像
〇タチバナ自宅 朝
目覚まし時計が鳴り響く。
昔ながらのベルが鳴り響く音。
(目覚まし時計を止める手)
タチバナ「ふぅ、メンクリ。メンクリ。...メンクリって(ふっと。笑う)」
ぶつぶつ独り言を言いながら準備をする男。
(外へ出て、車で向かう)

〇クリニック 受付
タチバナ「お願いします(受付チラ見)」
受付の人「はい」
階段を上がり、二階の大広間へと歩いていく。

〇大広間
机はなく、椅子だけが半円を描くように壁に沿って並び、向かい合うような形になっている。
教室の前にはホワイトボード。
資料を手に取り部屋に入っていく。
ちらちらと周りを見る。顔はうつ伏せぎみ。
タチバナ心の声「(ダメだ、周りが見れん、顔があげれない。、隣に人がいないとこに座ろう。) 」
両脇に人がいないところに座る。
タチバナ「ふぅー。前回は…」
カバンから資料を取り出す。
パラパラ読んでいると、男性スタッフが入ってきて、ホワイトボードの前で話し始める。
男性スタッフ
「では、今週もプログラムを始めていきます。資料を読んでいきますね。御覧ください。えぇー、と。人は、怖いものでありません。皆さん怯えすぎです、、。調子に乗ってるのかお前ら。甘ったれんじゃねぇぞ。えぇー…ぶち〇すぞ(〇すぞの時にピーが入る)」
タチバナ「…(資料を見ながら一点を見つめるタチバナ)口悪すぎるだろ」
(そのままプログラムは進んでいき、終わっていく。)

〇グループプログラム部屋の前廊下
スタッフA「あ、タチバナさん」
タチバナ 「え?どうも(罵倒されるんだろうか)」
スタッフA「このあと、ある会社の講演があるんです。ぜひどうですか?」
タチバナ 「あ、講演?」
スタッフA「はい。なんでも心理学者の方で会社を経営されている方が講演してくださるとか。」
タチバナ「あぁ、会社を...(目はキョロキョロ、焦点は合わない感じ)」
スタッフA「はい。たまには、自分が興味のなさそうな事に耳を傾けるのも、治療の一環ですよ?ぜひお話だけでも。」
タチバナ「そう、ですか…分かりました。まあ、時間もありますし」
スタッフA「よかったです(笑顔)」
タチバナ「(黙って頷く。相手は見ない)」
部屋へと案内される。

〇大広間 講演会場
ホワイドボードの前に椅子が横に列を成して並んでいる。
タチバナ「意外と大勢の人いるな」
後ろから二列目に座る。
椅子に座り、少し時間が経つと、スーツ姿の男がゆっくりとホワイトボードの前まで歩いてくる。立ち止まり、会場の方を向き話し出す。
スーツの男「みなさん...言霊って...知ってますか?言葉が現実になるっていう、あの言葉」
会場「…」
タチバナ「え?」
(ニコッと笑いながら会場見渡すスーツの男)
スーツの男「えぇー、それではみなさん...」
     「殺したい程...」
     「憎い人はいますか」
タチバナ「…え?」
スーツの男「…」
     「どうやって殺しますか」
(会場を見るスーツ男)
     「部屋に侵入して刺します?
      でも指紋も、他にもいろいろ証拠が残ってしまいそうじゃないですか?」
スーツの男「…」
     「ねえ?」
タチバナ 「...」
会場   「...」
(会場を見渡すスーツ男)
スーツの男「おい、そこの太いの」
タチバナ「おいって」
スーツの男  「お前、なんで太ったんだ?」
太っている男性「え...」
「いや…」
「す...すぐお菓子食べてしまうし、運動も嫌いなので…」
スーツの男  「じゃあ、お前が悪いんだな?」
太っている男性「え...」
       「あ…はい。」
スーツの男  「冗談だよ。はは。」
       「…」
       「冗談だって言えばいいんですか?」
タチバナ「いやあんたが言ったんだよ」
スーツの男「こんな大勢の前で罵倒されて、あなた、なかなか怒るに怒れませんよね?
      なんかすぐ怒る人だとも思われたくないし、
      そもそも周りからなんて思われるかわからないし。」
太っている男性「え、ええ、まあ…」
スーツの男「…」
     「ねえ?」
(会場を見るスーツ男)
(会場はキョトンとしている。)
スーツの男 「申し遅れました...心理学者兼会社を経営しているモチダと申します。
       よろしくお願い致します。お忙しい中お集まり頂き、とても光栄です。」
モチダ「みなさんには講演と伝えてありますが、『講義』という方が正しいのかも知れません。もっとも今の時点では、何の講義かわからないと思いますが...。私は、会社を経営していると先程言いましたが、私たちの会社はなんでしょうか。(会場を見渡すモチダ)」
(ニコッと笑うモチダ)
モチダ「みなさんには素質があると思うんです。
    『成る素質』と『救う素質』が。」
会場「...」
タチバナ「...? 」
モチダ「みなさん、ここに『虫眼鏡』があります。どういうモノかわかりますよね?
    小さい頃使ったんじゃないですか?それではこれから、講義を始めます」
【#1終わり】

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