母と子 ドラマ

母親の介護をする佐藤益美は限界を感じていた。頑張っていたのに報われることはなく、妹の明美に助けを求めても絶対に嫌だと突っぱねられる。そんなときに息子の敦也があることを言ってきて……。明美が介護をしない理由、敦也の悩みとは?
鈴木夏櫻 31 0 0 08/12
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第一稿

〇登場人物
佐藤益美-さとうますみ (48)看護師
佐藤敦也-さとうあつや (22)益美の息子・ゲイ
吉木明美-よしきあけみ (38)益美の妹・アセクシャル
吉木千恵子-よ ...続きを読む
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〇登場人物
佐藤益美-さとうますみ (48)看護師
佐藤敦也-さとうあつや (22)益美の息子・ゲイ
吉木明美-よしきあけみ (38)益美の妹・アセクシャル
吉木千恵子-よしきちえこ(74)益美と明美の母・認知症
吉木啓蔵-よしきけいぞう (83)益美と明美の父(故人)
佐藤隆-さとうたかし  (46)ミュージシャン

井上   (54)ケアマネージャー
佐藤香也-さとうかや (23)益美の後輩・看護師
則元諒太郎-のりもとりょうたろう(26)放射線技師・敦也の恋人
高橋   (51)タクシー運転手

男性患者(30代)
女子大生1・2
ゲイのカップル・男1・2




〇健診センター・ロッカールーム(夕)
  ロッカーが並ぶ部屋に夕日が差し込む。
  鞄の中で光る携帯。
  看護服を着た佐藤益美(48)、ロッカーを開けて着信に気づく。
  携帯の画面にはケアマネージャー井上さんの文字。
益美「(出る)はい佐藤です」
井上(声)『あっ益美さん? すみませんお仕事中に』
益美「いえ大丈夫ですけど、なにかあったんですか?」
井上(声)『千恵子さんが転んで今から病院に向かう所なんです。異様に痛がってるのでもしか
 したら骨折してるかもしれなくて』
益美「えっ、わかりました。すぐそっちに行きます」
井上(声)『お願いします』
益美「はい、失礼します」
  益美、電話を切って急いで帰り支度をする。
  益美、ロッカーを閉める。
  タイトル「母と子」

〇マンション前・歩道(夕)
  益美、電話をしながら歩く。
益美「うん、そう。ごめんだけどこっち来れる? ……ありがと、じゃ」
  益美、電話を切ってマンションの中へ。

〇同・佐藤家・玄関(夕)
   玄関を開ける益美。
  益美「ただいまー」
  益美、速足でリビングへ。

〇同・リビング(夕)
  ソファーに座ってテレビゲームをしている息子の敦也(22)。
敦也「おかえり」
益美「ただいま。ごめん敦也、お母さんしばらくおばあちゃんのとこ行かなきゃなんなくなっち
 ゃった」
  益美、コートを脱ぎながら寝室へ。
  敦也、ゲームを中断して益美を見る。
敦也「なんかあったの?」
  益美、ボストンバッグと数日分の服を持ってくる。
益美「転んじゃって今病院」
  益美、慌ただしく部屋を出入りし荷物を集める。
敦也「そうなんだ。(ゲーム再開)じゃ明美ちゃん来るの?」
  益美、荷物を抱えたまま敦也を見て。
益美「アンタ、外ではちゃんと叔母さんって言いなさいよ」
敦也「オバサンなんて言ったら明美ちゃん怒るんだもん」
益美「……まあ、わからなくもないけど」
  益美、ボストンバッグを閉める。
  益美、テレビを見る。
益美「ゲームばっかりやってないで就活対策ちゃんとしなさいよ? お父さんみたいな夢追い人
 になられても困るんだから」
敦也「ミュージシャンじゃん。そんなこと言ったら父さんかわいそうだよ」
益美「稼ぎがあるだけましだけど、そんな変わんないでしょ。早く日本に帰って来て落ち着いて
 欲しいもんだわ」
敦也「父さん今どこに居るの?」
益美「さあ? この間エッフェル塔の前で撮った記念写真が来たけど」
敦也「(笑いながら)ギター一本で世界一周マジでやりそう」
益美「絶対、だめだからね」
敦也「わーかってるって」
  鍵が開く音。
  二人、顔を見合わせる。
  敦也、ゲームを中断。
敦也「明美ちゃん?」
  益美、首をかしげる。
  お洒落な服を着た吉木明美(38)が顔を出す。
明美「ヤッホー。お姉ちゃん敦也久しぶりー」
益美「早くない?」
  明美、人差し指に引っ掛けた車の鍵を見せびらかす。
明美「コレがあるからね」
敦也「車買ったの? なに買ったの?」
明美「ミニのクロスオーバー」
敦也「カッケー」
  明美、敦也の頭を雑に撫でる。
  益美、二人の様子を見てほほ笑む。
  益美、立ち上がる。
益美「じゃ、あとはよろしく。敦也、なにかあったら電話してくれていいからね」
敦也「俺もうそんな歳じゃないんだけど」
益美「子供はいつまでも子供なの。いってきます」
敦也と明美「いってらっしゃーい」
  明美、見送ったあとソファーに座る。
明美「さて、対戦でもする?」
敦也「えっ明美ちゃんこれもやってんの?」
明美「当たり前じゃん。国内ランク百位内にいるよ」
敦也「スッゲェ! やろやろ!」
  敦也、ソファーを下りてテレビ台からコントローラーを出す。
敦也「あ、夕飯どうする?」
明美「(携帯を出して)ピザ頼もうぜ」
敦也「明美ちゃんサイコー!」
  敦也、ソファーに飛び乗る。

〇吉木家・駐車場(夜)
   日本家屋の平屋の前にタクシーが止まり、益美が降りてくる。
  益美、無意識にため息が出るが気合を入れ直して家の中へ。

〇同・居間(夜)
  益美、ふすまを開ける。
  パジャマ姿でベッドに眠っている吉木千恵子(74)のそばに立っている井上(54)、
  益美に会釈。
益美「(会釈)どうでした?」
井上「少しひねっただけで折れてませんでした。痛がった原因はわからないですけど、恐らく運
 動不足のせいだろうと」
益美「そうですか、よかった……」
井上「事情を話してデイサービスは少しの間お休みにしました。また様子見に来た時に元気だっ
 たら再開させましょう」
益美「わかりました。すみません色々、ありがとうございました」
井上「いえいえ。では、私はこれで」
益美「はい」
  井上、荷物を持って居間を出る。
  飲みかけのお茶が入ったコップや食べ残しなど物があふれている机の上。
  益美、片づける。
  益美、ハンガーにかかっている上着のポケットが膨らんでいるのに気付く。
  引っ張りだすと中からティッシュにくるまったエビフライ。
益美「なんで……?」

〇同・キッチン(夜)
  益美、フライパンで生姜焼きを焼く。
  益美、皿に盛りつける。
  二人分の夕食が出来上がる。
  益美、お盆に乗せて居間へ運ぶ。

〇同・居間(夜)
  益美、お盆を机に置く。
益美「お母さん」
  千恵子、目を覚ます。
益美「ご飯できたよ」
千恵子「……あら、いつ来たの?」
益美「ついさっき。冷めちゃうから早く食べよ?」
  益美、千恵子を起こして机の前に座らせる。
  千恵子、夕食を見て。
千恵子「お肉はお昼も食べたわ」
益美「今さら言われても困るんだけど」
  千恵子、文句を言いつつも食べ始める。
  益美、座布団に座ると違和感。
  座布団をめくると潰れたエビフライが出てくる。
益美「もう」
  益美、ティッシュを取る。

〇健診センター・廊下(朝)
  益美、溜息を吐きながら首を回して歩く。
  看護服姿の佐藤香也(23)、後ろからやってくる。
香也「おはようございまーす」
益美「香也ちゃんおはよう」
香也「なんかお疲れですねー」
益美「今、母の所にいて」
香也「あーなるほど」
  二人、スタッフルームへ。

〇同・スタッフルーム(朝)
  香也、シフト表を指でなぞって自分の名前を探す。
  佐藤香也:採血。
香也「ゲッ採血だ。最近採血ばっかりなんでぇ」
益美「慣れるためじゃない?」
香也「もうこれでもかってくらい血ぃ抜きましたあ」
  香也の指が下へ、則元諒太郎で止まる。
  則元諒太郎:胃レントゲン。
香也「やっぱりなあ……」
  香也、シフト表から指を離す。
香也「益美さんは?」
益美「身長体重」
香也「あーいいなあー」
  スクラブ姿の則元諒太郎(26)、顔を覗かせる。
則元「佐藤さん」
二人「はい」
  振り返る香也と益美。
則元「あ、ごめんなさい。香也さん」
香也「えっ私?」
  香也、則元の所へ。
  香也の緊張している様子を微笑ましく見ている益美。
  香也、話を終えて戻ってくる。
益美「なんだった?」
香也「お昼少し遅くなるってだけです」
益美「そう、でもよかったね」
香也「もうホント朝から最っ高。マジツイてる。あー採血頑張ろ!」
  香也、声のボリュームを落として。
香也「彼女いるんですかね?」
益美「さあ? のりくんのそういう話聞かないね」
香也「益美さん、則元さんと仲良かったですよね?」
益美「そんなことなかったと思うけど」
香也「私より仲良いですよね?」
  香也、益美を見つめる。
益美「(察して)聞けたら、ね」
香也「やった! ありがとうございます!」

〇同・診察室(朝)
  身長計のバーが下がっていく。
  計測器に乗っている男性患者(30代)。
  上がっていくバーを見ている益美。
  測定が終わり、印字された紙が機械から出てくる。
  益美、紙を取って確認。
益美「はい、お疲れさまでした。」
  益美、ファイルに記入。
益美「次は採血ですね。お願いします」
  益美、男性にファイルを渡す。
  男性、ファイルを受け取って診察室を出る。
  益美、扉から顔を出して。
益美「241番の方ー」

〇吉木家・居間(夕)
益美「ただいま」
  千恵子、散らかった部屋でテレビを見ている。
  机には大量に残された食事。
  益美、片付ける。

〇同・キッチン(夕)
  益美、グリルを開けて魚を裏返す。
  千恵子、なにか探している様子でのたのた歩いて来る。
  益美、気づく。
益美「どうした?」
千恵子「ご飯を誰かにとられたの」
益美「あれまだ食べる気だったの? だったらラップぐらいかけてよ。もう少しで夕ご飯できる
 からあっちで待ってて」
  益美、レタスの水気を拭く。
  千恵子、しばらくうろうろしあと、コンロに火をつける。
益美「なになになに!?」
  益美、慌てて消す。
千恵子「ここ寒いから」
益美「だからってなんでコンロなの!? あっちでエアコンでもストーブでもつければいいでし
 ょ?」
千恵子「あー寒い寒い。こんな所に居られないわ」
千恵子、ぶつぶつ言いながら居間へ。
益美「勘弁してよ……」

〇同・居間(夕)
  夕食を食べる益美。
  バラエティー番組を見ている千恵子。
益美「食べないの?」
千恵子「おいしそうねえ、あれがいいわあ」
  千恵子、特大ハンバーガーが映る画面を指さす。
益美「なに言ってんの。食べきれるわけないでしょ」
千恵子「(料理を見て)お魚は昨日も食べたもの。もっと違うものが食べたい」
益美「昨日は生姜焼きなんですけど。……もしかしてエビフライのこと言ってる?」
千恵子「エビフライ? そんないいもの食べてないわよ」
  益美、話が通じてない状況を理解して会話することをあきらめる。

〇マンション・佐藤家・リビング(夕)
  ハンバーガーにかぶりつく敦也。
敦也「ウマッ明美ちゃん、いつもこんな贅沢してんの?」
明美「たまにだよ」
  ソファーに座ってゲーム実況動画を見ながら食事をする明美と敦也。
  結婚式のCMが流れる。
  敦也、明美をちらっと見る。
  明美の表情は変わらない。
敦也「……明美ちゃんって結婚しないの?」
明美「なに急に」
敦也「いや、気になって。女の人ってだいたいそうじゃん」
  明美、寄り添う花嫁と花婿を見て。
明美「あたしの幸せは結婚じゃないから」
  明美、包み紙をクシャッと丸めてキッチンへ。
  敦也、明美を目で追う。
  明美、ごみを捨てる。
  敦也、テレビの中の花嫁を見る。
  出会い系のCMに変わり、男女のカップルがデートをしている。
  敦也、独り言のように。
敦也「付き合ってる人がいるんだ」
  明美、振り返って敦也を見る。
  敦也、明美を見る。

〇吉木家・居間(夜)
  暗い部屋で眠っている益美、物音で目を覚ます。
  千恵子、タンスの中をひっくり返している。
  益美、電気を点ける。
  千恵子、明るさにびっくりする。
益美「なにしてるの」
千恵子「腕が痛いから包帯探してるの」
益美「包帯巻いても腕は治らないよ」
千恵子「じゃあ救急車呼ばなくっちゃ」
益美「寝れば治るから。痛み止めもベッドの横にあるでしょ?」
千恵子「いやよ。わけのわからない薬なんて飲ませないで」
益美「お医者さんでもらった薬でしょ。(千恵子を止める)もう夜遅いんだから早く寝てよ」
  益美、千恵子をベッドへ。
千恵子「そうね、明日お父さんのお見舞いに行かないといけないものね」
益美「(諦め)……そうだね」
  千恵子、大人しく布団に入る。
  益美、溜息を吐いて父、啓蔵(83)の遺影を見る。

〇健診センター・休憩所・テラス
  益美、柵から景色を眺める。
  則元と香也が話している姿が見える。
  おっという表情の益美。
  話を終える香也、益美に気づいて手を振る。
  益美、振り返す。
  × × ×
  テラスの戸を開ける香也。
香也「昨日今日ヤバくない!?」
  益美、ベンチに座っている。
益美「なに話してたの?」
  香也、益美の横に座る。
香也「ゲームの話です。アイテムとかレアキャラが出る場所の情報交換みたいな」
益美「へー、のりくんゲームするんだ」
香也「そう! めちゃくちゃ意外ですよね! 家で本読んでそうなのに。あっギャップで死にそ
 う」
益美「(笑って)いい感じじゃん」
香也「そういえば聞いてくれました?」
益美「あっ(忘れてた)」
香也「……(忘れてたな)」
益美「また今度、話す時があったら」
香也「頼んでる側なのでなにも言いませんけどー」
  香也、弁当箱を出す。
香也「そういえば、どうしてみんな則元さんのことのりくんって言ってるんですか?」
益美「名前が長いからそっちで呼んでって本人が」
香也「へー……(はっとして)じゃあもし付き合ったら私が初めて呼べちゃうってこと!?」
  独りで盛り上がる香也。
  益美、笑ってサンドイッチの封を開ける。
  二人の内線に呼び出し音。
  顔を合わせて仕方ないという顔の二人、昼食を片付けてテラスを出る。

〇マンション・佐藤家・リビング
  机の上にパソコンとファッション雑誌や生地に関しての資料。
  明美、ボーイズラブのドラマを見ている。
敦也「ただいまー」
  明美、慌ててチャンネルを変える。
明美「おかえり、早かったね」
  スーツ姿の敦也。
敦也「面接だけだったから」
明美「いい感じ?」
敦也「んーまあまあ」
  敦也、部屋へ。
明美「そっか」
  明美、ほっと息を吐く。

〇吉木家・脱衣所(夕)
  洗濯機が回っている。

〇同・廊下(夕)
  懸命に掃除をしている益美、雑巾を床に投げつけて。
益美「あー……もう嫌」
  益美、居間に居る千恵子を見る。
  千恵子、上下違う柄のパジャマ姿でのんきにお茶を飲む。
  益美、溜息を吐いて掃除を続ける。

〇同・居間(夕)
  益美、疲れた顔で居間に入る。
  千恵子、ベッドで眠っている。
  益美、キッチンへ。
  千恵子の腹が鳴る。
  益美、呆れる。
  × × ×
  千恵子の前にハンバーグが置かれる。
千恵子「なあにこれ」
益美「昨日ハンバーガー食べたいって言ってたでしょ? あれは無理だから似てるハンバーグ作
 ったの」
千恵子「いやよこんな重たいの。脂っこくてちっとも食べられやしない」
  益美、ショックで言葉が出ない。
千恵子「下げてくれる? 見てるだけで胸焼けがするわ」
  千恵子、ベッドへ。
  お笑い番組が映るテレビから賑やかな笑い声。
  益美、箸を叩きつけて居間を出る。

〇同・廊下(夕)
  益美、行き場のない怒りで涙が出る。
  益美、深呼吸をして落ち着かせる。
  千恵子、ふすまを開ける。
千恵子「あら、どうしたの?」
  益美、は? という顔。
千恵子「こんな所に居たら風邪ひいちゃうじゃない、早く入りなさい。お腹空いたでしょ、美味
 しそうなハンバーグあるわよ」
  千恵子、ニコニコしながらハンバーグを食べ始める。
  益美、乾いた笑いしか出てこない。

〇同・キッチン(夕)
  半分以上残されたハンバーグを見ている益美、躊躇なくゴミ箱へ。
  益美、食器を洗う。
  こぼれてくる涙をぬぐいながら汚れを力任せに落とす。
  手が滑って皿が床へ。
  割れる皿。
  驚いた千恵子、キッチンにやってくる。
千恵子「どうしたの。(皿を見つけて)あらあら大変」
  千恵子、しゃがんで皿の破片を拾う。
千恵子「全く、ドジなんだから」
益美「……いいよ私がやるから」
千恵子「作るだけが料理じゃないのよ? 片付けまできちんと終わらせなきゃ」
益美「だからいいってば!」
  驚く千恵子、益美を見上げる。
千恵子「……そう。勝手にしなさい」
  千恵子、拾った破片を床に捨てる。
  千恵子、手を拭いて居間へ。
  キッチンに独り残る益美。
  益美、しゃがんで皿の破片を集める。
  益美、溜息と涙がこぼれる。

〇吉木家・駐車場(朝)
  ミニバンが止まり、井上が車から出てくる。

〇同・縁側(朝)
  濡れたTシャツを広げる益美。
井上「おはようございまーす」
益美「(振り返り)あっおはようございます」
井上「千恵子さんどうですか?」
益美「……変わらないです。けど食べられる量が減った気がします」
井上「そうですか。ちょっとお話させてもらいますね」
益美「はい、お願いします」
  益美、Tシャツを干す。
  益美、居間を見る。
  居間で井上とにこやかに話す千恵子。
  益美、洗濯カゴから千恵子のズボンを取り出す。
  太もものあたりに大きなシミ。
益美「ああもう!」
  益美、ズボンをカゴに投げ入れる。
  益美、溜息を吐いて座る。
  居間から井上の笑い声。
  振り返る益美、笑顔の千恵子が見える。
  益美、カゴから千恵子のズボンを取り出す。
  千恵子の楽しそうな声。
  益美、シミを指でこする。
  × × ×
  シミが付いたズボンが風に揺れる。
  益美、ぼんやり空を眺めている。
  お茶が入った湯飲みをお盆に乗せて持ってくる井上。
井上「益美さん、お話良いですか?」
益美「あ、はい」
  井上、益美の横に座る。
  井上、益美の前に湯飲みを置く。
益美「あ……すみません」
井上「千恵子さん、腕に痛みはもう無いようでよかったです。なので明日からデイサービスを再
 開できるように連絡してみます」
益美「はい、ありがとうございます。ご迷惑をおかけしました」
井上「一緒に居てどうでした?」
益美「……しんどかったです」
井上「そうでしょうねー」
  井上の軽い口調がどこか引っかかる益美。
  井上、お茶を飲む。
井上「それで益美さん。そろそろ施設、考えませんか?」
益美「え?」
井上「千恵子さん、最近運動とかされてませんよね?」
益美「そういえば、ずっとテレビばかり見てます」
井上「体力も筋力も減ってくるとそうなる方多いんです。このままだと一人でおトイレに行けな
 くなったり起き上がることもできなくなっちゃうので、そうなる前に施設に入って自分ででき
 ることをこれ以上減らさないようにした方がいいと思います」
  益美、居間の千恵子を見る。
  千恵子、眠っている。
益美「……施設ってことは、もうこの家に帰ってこないってことですか?」
井上「そうですね」
益美「母は多分、施設は嫌がると思います」
井上「はっきり言いますけど、もう限界だと思います。千恵子さんの前に益美さんが倒れてしま
 いますよ」
  益美、返す言葉が見つからない。
井上「益美さん、お勤めされてますよね? その間お子さんは?」
益美「あ、子供は妹が見てくれてます。見るって言っても、もう必要ないくらいですけど」
井上「なら益美さんの家族の時間が増えるいい機会になるんじゃないですか?」
益美「え? いや……」
  井上、パンフレットを出す。
井上「ここいいですよ。すごくしっかりした所で、とてもきれいなので千恵子さんものびのび暮
 らせると思います」
益美「でも」
井上「そんな顔しないでください。誰もが通る道ですよ。私だって経験しました」
  益美、井上を見る。
  井上、涼しい顔でスケジュール帳を出しながら。
井上「入るなら早い方がいいと思うので─」
益美「(遮って)ちょ、ちょっと待ってください! そんな急に言われても困るというか、色々
 追いつかなくて。……妹にも、相談しないと」
井上「……」
  井上、スケジュール帳を閉じる。
井上「誰に相談されても構いませんけど、急いでくださいね。ここもいつまでも空いているわけ
 じゃないので」
  井上、荷物を持って玄関へ。
  残されたお盆と空になった湯飲み。
  益美の前のお茶はすっかり冷めている。
  益美、パンフレットに目をやる。
  老人と看護服を着た若者が笑い合っている表紙。
  益美、どうしても中を見る気にはなれない。

〇マンション・佐藤家・敦也の部屋
  敦也、携帯を見ている。
  携帯に着信。
敦也「(出る)はい佐藤です。……はい、はいありがとうございます。こちらこそよろしくお願
 いします。はい、では失礼します」
  敦也、電話を切って息を吐く。
  明美、そっと顔を覗かせる。
  気づく敦也、明美に向けてピース。
明美「ホントに!? やったじゃん!」
  明美、敦也の頭を撫で繰り回す。
  笑う敦也、髪がぼさぼさになっていく。

〇タクシー・車内(夕)
  ぼんやり外を眺めている益美、手に持っているパンフレットをちらっと見るがすぐに外へ視
  線を移動。

〇マンション・佐藤家・リビング(夜)
  益美、ソファーに座ってため息を吐く。
  敦也、扉を開けて益美の様子を見る。
  益美、天井を見ている。
  敦也、部屋から出て益美のそばへ。
敦也「おかえり」
益美「(気づいて)ただいま」
  敦也、ソファーに座る。
敦也「内定もらったんだ」
益美「そうなの? おめでとう。お祝いしなきゃね、なにがいい?」
敦也「なんでもいいよ」
益美「なんでもよくないでしょ。ご飯でも欲しいものでもなにか考えておいてね」
敦也「うん。わかったよ」
  益美、疲れて眠い。
敦也「……あのさ母さん。それで俺、家を出ようかなと思ってて」
  益美、頭が回ってない。
益美「そう、独り暮らしもいいかもね」
敦也「……、一緒に住みたい人がいるんだけど……」
益美「……彼女?」
敦也「あ、いや」
益美「ん?」
敦也「……。男の、人なんだ」
益美「……(笑う)やめてよ。元気づけようとしてくれてるのはわかるけど、今はそんな冗談笑
 えない」
  静まり返る部屋。
  益美、返答がないことを不思議に思って敦也を見る。
  敦也の顔が真っ赤で涙ぐんでいる。
  敦也、慌ててごまかす。
敦也「ごめん、そうだよね。こんなの……面白くないよね、俺なに言ってんだろ」
  敦也、立ち上がる。
敦也「もう寝るね」
  敦也、部屋へ。

〇同・寝室(朝)
  益美、だるそうに体起こす。
  益美、深い溜息を吐く。

〇同・リビング(朝)
  朝食を作っている明美、益美に気づく。
明美「おはよ」
益美「おはよ……」
明美「ごめん昨日迎え行けなくて、職場に呼び出されて」
益美「いいよ、大丈夫」
  益美、食卓の椅子に座る。
益美「敦也は?」
明美「学校」
益美「そう……」
  明美、益美の前にトーストとベーコン、スクランブルエッグを出す。
益美「ありがと……」
明美「朝から死人みたい」
  明美、同じメニューを置いてテレビをつける。
  益美、食欲がわかない。
  明美、ニュースを見ながら食べる。
  益美、明美を見る。
益美「あのさあ」
明美「んー?」
益美「お母さんのことなんだけど」
  明美の顔が険しくなる。
明美「なに」
益美「昨日、ケアマネさんに施設を勧められて」
明美「あっそ」
益美「……私はそんなことしたくないから、どうにかしたいんだけど」
明美「なんで。その方がいいって言われたんでしょ?」
益美「そうなんだけど、だからってもう施設に入れますっておかしくない?」
明美「別に人それぞれなんじゃないの」
益美「けど─」
明美「(遮る)お姉ちゃん一人じゃもう無理だってことだよ」
  明美、テレビの方へ体を向ける。
益美「明美も手伝ってくれたら無理じゃなくなるでしょ?」
明美「はぁ!? ありえない。絶対嫌。最初に言ったよね? あたしは絶対面倒見ないって」
益美「そう言ってられない状態なんだって」
明美「だから施設入れればいいじゃん!」
益美「私たちのお母さんでしょ!? なんでそんな簡単に見捨てるようなこと言えるの!?」
明美「見捨てたってお姉ちゃんが思われたくないだけでしょ?」
  益美、はっとする。
  明美、鼻で笑う。
明美「……くだらな。お母さんのためだとか言って、結局自分のためじゃん」
  益美、ムスッとして。
益美「アンタだってくだらない親子喧嘩をいつまでも引きずってるじゃない」
明美「ハァ? くだらなくないし。なんにも知らないくせに勝手に決めつけないでくれる?」
益美「だったら言ってみなさいよ。そりゃ立派な理由なんでしょうね?」
  明美、勢いで口を開くが冷静になって口を閉じる。
明美「……言いたくない」
益美「ほらやっぱり、大した理由じゃないんでしょ」
明美「……」
益美「いつまでたっても子供なんだから。変な意地張ってないで手伝ってよ」
  明美、机をたたく。
  益美、びっくりする。
明美「産まなきゃよかったなんて言われたことないお姉ちゃんにはわかんないよ!」
  益美、明美を見たまま固まる。
明美「やっぱりお姉ちゃんだけでやめておけばよかったって、あの人はあたしに向かってそう言
 ったの。だから絶対世話なんかしない。葬式も出てやんない」
  明美、涙ぐんだ顔を隠すようにテレビを見る。
  LGBTer特集が流れている。
明美「あたしは誰も好きになれないの。男の人も女の人も」
  テレビでレズとゲイの解説が流れる。
明美「あの人たちの仲間にもなれない」
  益美、テレビを見る。
  続いてトランスジェンダーの解説。
明美「男になりたいわけじゃない。女の自分には満足してる。けど、あたしはこの先誰とも一緒
 になれない」
  街頭インタビューの場面。
女子大生1『えーどう思いますかって聞かれてもお』
女子大生2『近くにいないからわかんないですー』
  顔にモザイクがかかったゲイのカップル。
男1『カミングアウトは勇気要りましたよ。人生で最高に緊張したんじゃないかな』
男2『人間扱いしてくれない人も中にはいますから』
男1『でも大事な人と出会えたので、今はすごく幸せです』
明美「誰も好きになれないあたしは病気なんかじゃない。どこもいかれてなんかない。ただ知っ
 て欲しかっただけなのに、どれだけ勇気がいったか知りもしない奴にどうして生まれたことま
 で否定されないといけないの?」
  涙をこぼす明美の手が震えている。
  益美、明美の震える手をぎゅっと握る。
  × × ×
  フラッシュバック。
  昨日の夜のリビング。
  部屋に戻っていく敦也の背中。
  × × ×
  思わず立ち上がる益美、敦也の部屋を見る。
  益美、自分のやってしまった行動に後悔する。

〇健康センター・休憩所・テラス
  弁当を広げている益美、箸が進まない。
  香也、ランチバッグを下げて益美の所へ。
香也「お邪魔しまーす(座る)」
益美「どうぞー」
  香也、弁当箱を広げる。
香也「益美さん、お母さんの介護してるって言ってましたよね。いい施設知りません? おばあ
 ちゃんがもうそろそろ入れた方がいいかなーって感じで」
益美「えっ、家で見ないの?」
香也「えっ見ませんよ」
益美「どうして?」
香也「どうしてって、介護は家族の義務じゃないからですよ」
  当たり前のように言う香也に驚く益美。
香也「おばあちゃんも容赦なくぶち込んでくれーって言ってますし、母も私も働いているんで面
 倒見ることなんて無理ですよ」
益美「で、でもでもいきなり施設なんてあんまりじゃない?」
  香也、笑う。
香也「施設を姨捨山だと思ってるんですか? 全然違いますからね。むしろ家で独りのほうが地
 獄。設備とか諸々整ってる場所で友達作った方が天国でしょ」
  香也の内線に呼び出し音。
香也「うそでしょ!? まだなにも食べてないのに!」
  香也、文句を言いつつ食べれるものだけ食べて立つ。
益美「あっ香也ちゃん」
香也「(もぐもぐ)はい?」
益美「……ありがと」
香也「(わかってない)はい」
  再度香也の内線に呼び出し音。
香也「もう! わかってますってば!」
  香也、テラスを出る。
  その様子を笑って見ている益美、どこか吹っ切れた表情。

〇マンション・佐藤家・リビング(夜)
  テレビにバラエティー番組が映っている。
  食卓にはパスタとサラダが並ぶ。
  益美、明美をちらっと見る。
  明美、テレビを見ている。
益美「敦也は?」
明美「友達の所に泊まるって」
益美「……そう」
益美、フォークを置く。
益美「お母さんだけど、施設にお願いしようと思う」
  明美、テレビを見たまま。
明美「そう」
益美「それだけ」
  益美、食事を再開。
明美「……いつ?」
益美「(手が止まる)……来週」
明美「そう」
  テレビから笑い声が聞こえる。
  益美、テレビを見る。
  二人、同じ所で笑う。

〇吉木家・駐車場(朝)
  家に前にミニが止まっている。
  その横にタクシーが止まり、高橋(51)が降りる。
  荷物を持った益美、玄関を開けて千恵子を誘導する。
益美「忘れ物ない? 本当にこれだけ?」
千恵子「旅行なんて久しぶりね」
益美「旅行じゃないって言ってんのに……」
  益美、ミニとそばに立っている明美に気づく。
  明美、千恵子を見ている。
  千恵子、高橋に微笑みかける。
千恵子「(高橋に)こんにちは」
高橋「こんにちはー」
益美「(はっとして)よろしくお願いします」
  高橋、ドアを開けて千恵子を乗せる。
  益美、振り返るが明美は動かない。
  高橋、ドアを閉める。
  益美、反対側からタクシーに乗る。

〇タクシー・車内(朝)
  益美、千恵子のシートベルトを締めて自分のも締める。
高橋「あの方はいいんですか?」
益美「あ、いいです。大丈夫です」
高橋「わかりました。では出しますね」
  動くタクシー。
  益美、振り返って明美を見る。
  小さくなっていく明美。
千恵子「車掌さんお子さんは?」
益美「車掌って(高橋に)ごめんなさい」
高橋「いいんですよ。(千恵子に)息子が二人います」
千恵子「あら素敵。うちは娘が二人なの」
高橋「いいですねー、華やかで」
千恵子「そうなの。二人とも私に似て美人なのよ。姉はしっかりしてて料理がとっても上手な
 の」
  高橋、ルームミラー越しに益美に微笑みかける。
高橋「そうですかー」
  益美、恥ずかしそうに会釈。
千恵子「妹は頭がいいのよ。絵が上手くてお洒落でね。二人ともお父さんと私の子とは思えない
 ほど、すごくいい子……」
  千恵子、ぼんやり外を眺める。
高橋「(益美に)いいお母さんですね」
益美「いえ、すみません、ボケちゃってて……」
  益美、千恵子を見る。
  千恵子、変わらず外を見ている。
益美「ホント、なに言ってんだか……」
  益美、浮かぶ涙をぬぐう。

〇マンション・佐藤家・玄関
  益美、玄関を開ける。
  敦也の靴に気づく益美、家に上がる。

〇同・敦也の部屋
  敦也、宿題をしている。
  ノックの音。
  驚く敦也、ドアを見る。
益美「敦也?」
敦也「……なに?」
益美「入ってもいい?」
敦也「(悩む)……いいよ」
  益美、部屋に入る。
益美「おばあちゃん、施設に入ったから」
敦也「そうなんだ。じゃあ、明美ちゃんはもう来ない?」
益美「来るよ。呼べばいつでも」
敦也「いや、いつでもは来ないでしょ」
益美「敦也のためなら来るかも」
  敦也、笑う。
  益美、ほっとしたように微笑む。
  益美、床に正座。
益美「敦也、ごめんね」
敦也「えっなに」
益美「敦也が勇気出して言ってくれたことを冗談なんて言ってごめん。そんなこと言っちゃ駄目
 だった、本当にごめん」
  敦也、顔をそらす。
敦也「……あれは……」
益美「子供の気持ちを殺すなんて親がやっちゃいけないことだった。本当にごめんなさい。敦也
 が許したくなかったら許さなくていい。それは当然のことだと思う。でも、これからは自分に
 嘘はつかないで欲しい。あの時はお母さんのせいでそうなっちゃったけど、ちゃんと聞くよう
 にするから」
  敦也、益美を見る。
  益美、まっすぐ敦也を見ている。
敦也「……恥ずかしいとか思わないの?」
益美「思うわけない!」
敦也「でも、あの時、冗談だって思ったんだよね」
益美「それは、お母さんの知識不足だった。世の中にはいろんな人がいて、考え方も感じ方も違
 うってわかっていたのに、どうしても自分の見方しかできなかった。だから勉強する。もっと
 いろんなことを知っていくようにする」
敦也「……」
益美「……もし、まだ間に合うなら、お母さん、会ってもいいかな? 敦也の大切な人に。もち
 ろん敦也さえよければなんだけど」
敦也「(悩む)……明後日休みらしいんだけど……母さん仕事─」
益美「(遮る)休む! 絶対休暇取ってくる! 大丈夫、有給余ってるから! 任せて!」
  敦也、笑う。
敦也「そんな必死にならなくてもいいよ」
  益美、聞いていない。
益美「あっうちに来る? ならご飯用意しなきゃ。あ、でもせっかくだしお寿司とっちゃおっ
 か! たかーいの!」
敦也「父さんに怒られない?」
益美「怒るわけないじゃない! 敦也の大切な人をお迎えするんだからそれくらいしなきゃ。ま
 ず掃除掃除!」
  益美、リビングへ。
敦也「大げさなんだよ」

〇同・リビングとオフィス街・点描
  益美、掃除機を出してかけ始める。
  ソファーに置いてある携帯に気づく。
  益美、携帯を手に取って明美に電話。
明美(声)『はい?』
益美「あ、明美? ねえ明後日空いてる?」
明美(声)『空けられる、けど』
益美「敦也がね、いい人連れてくるの! だから明美も来ない?」
  × × ×
  忙しなく車と人が行きかう。
  スーツの人に紛れて仲良く腕を組んで歩くカップル。
  明美、カップルを見てすぐ目を伏せる。
明美「……あたしなんかが居たらおかしいでしょ」
  × × ×
益美「なに言ってんの、おかしいわけないじゃない。なにがあっても大事な家族なんだから居て
 当然でしょ? 父親が居ない分埋めてやってよ、どうせまだ帰ってこないんだから」
  × × ×
  明美、泣きそうになったのをごまかすように笑う。
  明美「……お姉ちゃんそれ、隆さんが聞いたら泣くよ」

〇マンション・佐藤家・リビング
  テロップ「二日後」
  益美、うきうきで食卓を飾る。
  ソファーに座って益美を見ている明美と敦也。
敦也「父さんが見たらびっくりするね」
明美「あたしもお姉ちゃんのあんな姿初めて見たわ」
  益美、寿司桶を真ん中に置く。
  チャイムの音。
益美「はーい」
  益美、玄関へ。

〇同・玄関(昼)
  益美、ドアを開けると目の前に手土産を持った則元。
則元「えっ」
益美「えっ、のりくんどうしたの?」
則元「え? いや、えっ?」
  則元、表札と益美の顔を交互に見る。
  益美、はっとして。
益美「えっ!? もしかして? もしかして!? のりくんが敦也の……?」
則元「え、ってことは益美さんが……?」
  お互いの顔を見つめ、笑い出す二人。
則元「佐藤さんって多いなって思ってましたけど、こんなことってあるんですね」
益美「ねー、世間って狭いわあ……。ってごめんごめん、入って」
則元「あっお邪魔します」
  則元、入る。
  益美、ドアを閉めてあっと気づく。
益美「(ぼそっと)香也ちゃんごめん」
敦也「母さーん?」
益美「はいはーい」
益美、リビングへ。

〇同・リビング(昼)
  食卓を囲む四人の姿。
  楽しそうに食事をする。
  棚の上にエッフェル塔の前でピースしている父、隆(46)の写真。

終わり

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