お母さんを、僕にください! コメディ

結婚間近と思っていた同棲中の恋人に振られた美香。仕方なく実家に帰ると、母の新しい恋人は自分と同い年だった。
ユイ 61 0 0 07/23
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第一稿

登場人物
・山下美香(26)会社員
・山下洋美(52)美香の母・会社員
・関裕太(26)洋美の恋人・会社員
・朝倉奈々子(27)美香の友人
・宮田淳(28)美香の恋人
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登場人物
・山下美香(26)会社員
・山下洋美(52)美香の母・会社員
・関裕太(26)洋美の恋人・会社員
・朝倉奈々子(27)美香の友人
・宮田淳(28)美香の恋人


○レストラン・外(夜)
   山下洋美(52)と関裕太(26)、並んで歩く。
   関、右手を背広のポケットに入れる。
   立ち止まると、深呼吸する関。
関「山下洋美さん」
   洋美、振り返りながら。
洋美「んー?」
   真剣な表情で洋美を見つめる関。ポケ
   ットから小さな箱を出し、パカっと開
   くと、中には指輪。
   関の手は震えている。
関「僕と、結婚してくれませんか?」
洋美「一つだけお願い、聞いてくれる?」
関「え?」
洋美「いつか私が先にいなくなったら、私の
 ことはすぐに忘れてほしいの」
   関、俯く。
洋美「約束できる?」
 顔を上げて洋美をまっすぐ見る関。
関「はい」
   洋美、微笑んで、左手を差し出す。
洋美「よろしくお願いします」
   関、満面の笑みでガッツポーズ。
   関を見て、吹き出す洋美。

○居酒屋・外観(夜)

○居酒屋・中(夜)
   ハイボール片手に、向かい合って座る
   山下美香(26)と朝倉奈々子(27)。
美香「実は、あっくんが大阪に転勤になって」
奈々子「大阪!? どうすんの、ついてくの?」
美香「ついていけたらなって思ってる」
奈々子「そうだよねえ〜これを逃すとなかな
   かあのレベルの人は見つからないもん」
美香「そう、結婚相手として完璧」
   奈々子、指折り数えながら。
奈々子「高収入、高学歴、そこそこの顔に、
 次男……だっけ。よく捕まえたねえ」
美香「探すの苦労したんだから」

○アパート・外観(夜)

○同・302号室・リビング
   美香がバッグを持って入ってくる。
   大きなバッグを持っている宮田淳(28)。
美香「ただいま…ってあっくん、どうしたの?」
   淳、真剣な表情で、美香を見る。
淳「俺たち、別れよう」
   美香、バッグを落とす。
   × × ×
   美香、座り込んでボロボロ涙を流す。
   電話が鳴り、急いでバッグからスマホ
   を取り出すと、画面には『お母さん』。
   肩を落として、電話に出る美香。
美香「もしもし」
洋美の声「美香? 明日、空いてる? 会わ
 せたい人がいるんだけど」
美香「うん……」
洋美「何かあった? 元気ないみたいだけど」
   美香、作り笑い。
美香「ううん、何も。明日、待ってるね」

○同・外観

○同・三〇二号室・リビング
   美香と洋美、関がテーブルを囲む。
   美香の向かいに関、その隣に洋美。
   スーツ姿の関、ズボンをぎゅっと掴ん
   で拳を作り、緊張の面持ち。
関「お母さんを、僕にください!」
   関、深く頭を下げる。
   口を開けて、ぽかんとしている美香。
   洋美、関を見て笑って。
洋美「僕にくださいってずいぶん古風ね」
   洋美、美香を見て。
洋美「私、この人と結婚することにした」
美香「結…婚? あの、関さん。失礼ですが、
 おいくつ…ですか?」
関「二十六に、なりました」
美香「二十六……あの……」
関「は、はい!」
美香「コーヒー……コーヒー飲みますか」
関「え? あ、はい!」
   美香が立ち上がると、
洋美「関くん、コーヒー飲めないでしょ。無
 理しなくていいのよ。紅茶にしたら」
関「いえ、大丈夫です!」
   洋美、関を見て笑う。
   洋美と関を冷たい目で見ている美香。

○同・キッチン
   うなだれて、ため息をつく美香。
美香「結婚!? 26!? 私と同い年じゃん……」
   美香、ポケットからスマホを出し、奈々
   子に電話をかける。

○同・リビング
   並んで座っている洋美と関。
関「やっぱり驚かせちゃいましたよね。こ
 んな若造がいきなりお母さんと結婚なんて」
洋美「美香は大丈夫、受け入れてくれるから」
   洋美、自信ありげに頷く。  
   関、不安そうに苦笑い。

○同・キッチン
   美香、スマホを耳に当てている。
奈々子の声「やっぱり、一回反対して、様子
 見てみたら」
美香「いい年して、娘がなんて反対するのよ」
奈々子「たしかに……」
美香「ていうかまずさ、自分と同い年の娘が
 いるような人と結婚しようって思う?」
奈々子「うーん、なかなか、ねえ。でも考え
 方によっては、いい結婚相手かも?」
美香「え?」
奈々子の声「初婚だし、子供はいるって言っ
 てももう社会人だし。収入だってそこそこ
 あるだろうし。絶対子供がほしい! とか
 じゃなかったら、案外アリかも」
美香「そんな、条件ばっかりで好きになられ
 ても……家探しじゃないんだからさあ」
奈々子の声「そう?みんなこんなもんじゃない? 
 美香だってよく、あっくんは結婚相手の条件
 ぴったりって言ってるじゃん」
美香「それはさあ……いや……」
美香、大きくため息をついて。
美香「それがだめだったんだよね……」
奈々子の声「え、なに、なんの話」
美香「あ……」
奈々子の声「え? ちょっと何。あっくんと
 上手くいってるんじゃないの?」
美香「えっと……今はね、忙しいから。うん。
 またかけ直すわ。じゃあね、ありがと〜」
奈々子の声「え? ちょっと……」
   美香、奈々子の声を遮って電話を切る。

○同・リビング
   美香、洋美と関が並んで座るテーブル
   に、紅茶を置いて。
美香「関さん、二人でお話できますか」
   × × ×
   向かい合って座っている美香と関。
美香「関さんは、どうして母を好きになった
 んですか?」
関「どうしてなんでしょうね。洋美さんは上
 司でしたし、恋愛感情はなかったんです。
 気づいたら好きになっていたっていう感じ
 で……自分でもよくわからないんです」
   照れ笑いする関を観察する美香。
美香「母に結婚歴がないことは知ってますよ
 ね?」
関「あ、はい」
美香「どうしてか、わかりますか?」
関「どうして、でしょう」
美香「私はずっと、自分のせいだと思ってま
 した。私がいるから結婚できないんだって」
関「そんなこと……」
美香「女手一つで育ててくれた母には感謝し
 てます。だけど私は、母のようにはなりた
 くなくて、絶対に自分は結婚しようって、
 ずっと思ってました」
関「そうだったんですね……」
美香「でも母は、あなたみたいなすごく年下
 の方を連れてきて、突然結婚する、と」
関「すいません……」
美香「私が間違ってたんです」
関「え?」
美香「母は、ずっとあなたを待っていたんだ
 と思います」

○同・リビングの外
   洋美、美香と関の話を聞いている。

○同・リビング
   向かい合って座る美香と関。
美香「私がいたから結婚できなかったという
 より、きっと母は心から一緒にいたいと思
 える相手をずっと待っていたんです」
関「美香さん……」
美香「母は、強い人ですから」
関「美香さん、まだ、間違ってますよ」
美香「え?」
関「洋美さんは、あなたがいたから一人じゃ
 なかった。美香さんがいたから、僕と出会
 うまで待っていてくれたんだと思います」
   関、照れ笑いして。
関「洋美さんがずっと待っていた相手に、僕
 がふさわしいかはわからないですけど」
美香「……母が初めて選んだ人だから、私は
 あなたを信じます」
   美香、頭を下げて。
美香「関さん。母を、よろしくお願いします」
関「はい! 大切にします」
   関、ニカッと笑って。
関「僕のことは、遠慮なく『お父さん』と呼
 んでくださいね」
美香「それはちょっと……同い年ですから」

○同・リビングの外
   立っている洋美、嬉しそう。

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