猫の話 恋愛

ある日猫を拾った。わがままで気まぐれで可愛い猫を。彼女と過ごす日はとても楽しかった。永遠に続けばいい、そう思ってたのに、突然猫は居なくなった。 【大人になりたかった少年と大人になりたくない女性の物語。】
鈴木夏櫻 7 0 0 06/21
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第一稿

登場人物
仮屋晴太(かりやせいた) (19・23) 大学生
野原美夜子(のはらみやこ)(25・28) 家出中

時計売り場の店員(30代)
配達員(20代)
喫茶店の店 ...続きを読む
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登場人物
仮屋晴太(かりやせいた) (19・23) 大学生
野原美夜子(のはらみやこ)(25・28) 家出中

時計売り場の店員(30代)
配達員(20代)
喫茶店の店主(50代)
男女のカップル(20代)
夫婦(30代)
子供


〇駅裏・商店街・喫茶店内・3年後(昼)
晴太「猫が居たんだ。居なくなっちゃったけど」
  スーツ姿の仮屋晴太(23)、ブランドものの腕時計を付けている。
晴太「わがままで気まぐれで、僕のことを散々振り回して楽しそうに笑う」
  ワックスでセットした髪と整った眉。
晴太「かわいい猫が」
晴太、目を伏せる。
  タイトル「猫の話」

〇駅裏・商店街・現在(夜)
  人通りが少ない暗い道。
  眼鏡をかけて垢抜けない晴太(19)、駅から出てくる。
  晴太、パスケースを落とし、自販機の下へ入る。
  晴太、覗き込むが暗くて見えない。
  晴太の元へやってくる高いヒールを履き、露出が多い服を着た茶髪の野原美夜子(25)、 
  携帯のライトを点ける。
  美夜子、自販機の下に手を入れてパスケースを取る。
美夜子「はい(渡す)」
晴太「あ、ありがとうございます」
  晴太、ギャル姿の美夜子に驚いている。
  美夜子、地面に着いた部分を手で払って立つ。
  晴太、膝を払って立ち上がる。
  美夜子、自販機で缶コーヒーを買う。
  晴太、美夜子に会釈して帰ろうと歩き出す。
  晴太、ふと携帯で時間を見て振り返る。
  ゆっくり缶コーヒーを飲んでいる美夜子、動く気配はない。
晴太「終電、もうすぐ行っちゃいますけど」
美夜子「そうだねー」
晴太「ここら辺あまり人通らないので一人で居るのは危ないですよ」
美夜子「なあにー心配してくれてるの?」
晴太「……助けてくれたので、その一応」
  美夜子、飲み干した缶をごみ箱へ捨てる。
美夜子「じゃあ君の家に泊めてくれる?」
晴太「えっ」
美夜子「(笑う)冗談。早く帰りな~」
  美夜子、晴太に手を振る。
  晴太、美夜子に背を向けて歩き出す。
  美夜子、携帯をいじる。
  パスケースを見て悩む晴太、振り返る。
  美夜子、寒そうに体をさする。
  晴太、速足で美夜子の前に戻る。
晴太「いいですよ、うち来ても」
  驚く美夜子、笑いだす。
美夜子「君、捨て猫を見捨てられないタイプでしょ」

〇アパート・部屋(夜)
  物が少ないワンルーム。
  晴太、正座をして美夜子を見ている。
  美夜子、晴太の学生証を見ている。
美夜子「大学生、じゃあ今は春休みか」
晴太「もういいですか?」
  晴太、取り返そうと手を伸ばすが美夜子に避けられる。
  美夜子、学生証をひらひら。
美夜子「あたしミヤ。よろしくね、ハル」
晴太「いや、晴太……」
美夜子「おなかすいた。なんかご飯ない?」
  美夜子、学生証を返す。
  晴太、しまう。
晴太「……簡単なものなら」
  晴太、台所へ。
  美夜子、ついていく。

〇同・台所(夜)
  晴太、戸棚から片手鍋を出す。
  美夜子、後ろで晴太を見ている。
晴太「あっちで待っててくださいよ」
美夜子「なんで敬語?」
  晴太、鍋に水を入れる。
晴太「なんでって、今日知り合ったばっかりだし……?」
美夜子「家に連れ込むくせに?」
  晴太、動揺して鍋をシンクにぶつける。
晴太「あんな所に一人で居たら危ないと思って……!」
美夜子「(笑って)優し~」
  晴太、水を止めて鍋を火にかける。
美夜子「なんか距離感じるから敬語やめてほしいなー」
晴太「そんなこと言われても……」
美夜子「あ、そうだ。猫を拾ったと思えば? それなら簡単じゃない?」
  晴太、美夜子をちらっと見て。
晴太「(ぼそっと)でっかい猫」
美夜子「なんか言ったあ!?」
  晴太、笑う。
晴太「別になにも?」
  晴太、インスタントラーメンを出す。
美夜子「えっなにしてんの」
晴太「え? ご飯(袋を開ける)」
美夜子「それだけ!? おかずは?」
晴太「ないよ、なんにも」
  晴太、麺を菜箸で沈める。
美夜子「ありえない!」
  美夜子、冷蔵庫を開けるが食材が一切ない。
美夜子「なんにもない! 冷蔵庫がかわいそうなくらい入ってない! 自炊ぐらいしなよ!」
晴太「してるよ、今」
美夜子「それは自炊じゃない!」
  美夜子の反応が面白い晴太。
美夜子「なんか買って来ようよ。栄養なさ過ぎてあり得ないんだけど」
晴太「猫は文句を言わないよ」
美夜子「猫だって文句言うよ!」
  晴太、美夜子の不貞腐れてる姿を笑う。

〇同・部屋(夜)
  晴太のTシャツと短パンを着た美夜子、ベッドに寝転がっている。
  晴太、床に布団を敷く。
美夜子「なんで布団持ってるの?」
晴太「僕が昔使ってたやつ。ベッド買ったけど捨ててなかっただけ」
美夜子「なんだ。彼女用かと思ったのに」
晴太「居るわけないじゃん……」
  美夜子寝返りを打つ。
美夜子「仕舞うの面倒じゃない? 一緒に寝ればいいじゃん」
晴太「なに言って……!」
美夜子「(笑う)だめ?」
晴太「だめ」
  布団を整える晴太を見ている美夜子。
  × × ×
  晴太、月明りで目を覚ます。
  美夜子、カーテンを開けて月を見ている。
晴太「(起き上がって)どうしたの?」
  美夜子、振り返って微笑む。
美夜子「お月様がきれいだよ」
  眼鏡をかける晴太、布団から出て美夜子の隣に座る。
  見上げた夜空には大きな満月。
晴太「きれいだね」
  夜空を見上げている二人。
晴太「体が冷えるから布団に入りな」
  美夜子、晴太を見てひらめいたように。
美夜子「わかった!」
  美夜子、布団に入る。
晴太「違うそっちじゃない。ベッド行きな」
  晴太、掛け布団を引っ張るが、美夜子がかたくなに離さない。
晴太「(諦める)ベッド嫌?」
美夜子「一人は寂しいでしょ?」
晴太「……?」
美夜子「冷えちゃうよー早く入りなー」
  美夜子、晴太が入れるように布団を持ち上げる。
晴太「(溜息)ちょっとだけだからね、満足したらベッドに移ってよ」
  美夜子、にこにこしている。
  晴太が布団に入ると嬉しそうに笑う美夜子。
  眼鏡を外す晴太、二人の間に枕を押し込んで美夜子に背を向ける。
美夜子「あったかいねえ」
晴太「(笑う)そうだね」
  晴太、瞼がだんだんと落ちていく。

〇アパート・部屋(朝)
  目を覚まして眼鏡をかける晴太、隣で寝ている美夜子を見て溜息を吐く。
  はっとする晴太、時計を見て慌てて着替えて外へ。

〇同・外・ごみ置き場(朝)
  ごみ袋を持った晴太、駆け足でやってくる。
  ごみを出す晴太、ほっと息を吐いて部屋へ。

〇同・玄関(朝)
  あくびをしながらドアを開ける晴太、目の前に美夜子が立っている。
晴太「うわっびっくりした。なに、どうしたの」
美夜子「朝ごはん買いに行くよ」
  美夜子、晴太のサンダルを履いて外へ。
晴太「まって(追いかける)」

〇住宅街・歩道(朝)
  財布を持って歩く美夜子。
  その後ろを両手いっぱいの荷物を持った晴太。
晴太「ミヤぁ、少しは持ってよ」
  美夜子、振り返る。
美夜子「しょうがないなあ」
  美夜子、袋の片方を持つ。
  間の袋を揺らしながら歩く二人。

〇アパート・部屋前(朝)
美夜子「まだあ?」
晴太「荷物持ってんだからさあ」
美夜子「はーやーくー」
晴太「持つか開けるかどっちかやってよ」
美夜子「女の子はそんなことやらないの」
晴太「猫じゃないのかよ……」
  美夜子、空を見て待っている。
  晴太、苦労しながら鍵を開ける。
晴太「(扉を開けて)どうぞ」
美夜子「ありがと(入る)」
  晴太、荷物を抱えて入る。

〇同・台所
  美夜子、買ったものを冷蔵庫に入れる。
  晴太、疲れた顔で美夜子を見ている。
美夜子「(振り返る)なにしてんの、一緒にやるんだよ」
晴太「疲れたよ」
美夜子「あんなご飯食べてるからでしょ!」
  美夜子、玉ねぎを晴太に投げる。
晴太「(キャッチ)食べ物投げるなよ……」
  晴太、美夜子の隣に移動。
晴太「適当でよくない?」
美夜子「きちんと全部冷えるように入れないと」
  晴太、面倒くさそうな顔。
美夜子「やっておけば長持ちするんだから」
  美夜子、晴太が持っていた玉ねぎをしまう。
美夜子「(立ち上がる)さて」
晴太「(袋を見て)まだあるけど」
美夜子「それは今から使うの!」
  美夜子、晴太の手を引いて立たせる。
  美夜子、食材を取り出して手際よく料理をしていく。
  後ろで見ている晴太、米が炊ける音に驚く。
  美夜子、晴太にしゃもじを差し出す。
  受け取る晴太、米を混ぜる。

〇同・部屋(朝)
  机の上に和朝食が並ぶ。
美夜子「どうぞ」
晴太「(手を合わせる)いただきます!」
   晴太、味噌汁を一口。
晴太「おいしい!」
美夜子「作った甲斐あるでしょ」
  頷く晴太、おかずに箸を伸ばす。
  美夜子、嬉しそう。
  × × ×
  窓の外で洗濯物がたなびく。
  窓を閉める晴太。
  床に寝転がっている美夜子。
晴太「ミヤの洗濯はいいの?」
美夜子「コインランドリー行くからいい」
晴太「そっか」
  美夜子、転がって晴太の足元へ。
  目が合う二人。
美夜子「買い物行こ」
晴太「なんの?」
美夜子「お皿とか、あたしの服とか色々?」
晴太「ああ、荷物持ちか」
  晴太、美夜子をまたぐ。
美夜子「あーそんなこと言うー!」
  美夜子、晴太の片足を捕まえる。
美夜子「デートしよ?」
  晴太、足を引っこ抜く。
美夜子「あっ」
  晴太、美夜子の前にかがむ。
晴太「その言い方はずるい(デコピン)」
美夜子「ギャッ」
  美夜子、額を押さえる。
  笑う晴太、バッグを取りに行く。
  晴太、振り返る。
晴太「なにしてんの? 行くよ」
  晴太、玄関へ。
  美夜子、急いで後を追う。

〇ショッピングモール・通路(昼)
  しかめっ面の晴太が立っている。
  目の前にランジェリーショップ。
美夜子「なにしてんの? 行くよ」
  美夜子、晴太の手を引く。
晴太「(払う)行かないよ」
美夜子「平気だよ?」
晴太「僕が嫌だよ。あっちの雑貨屋に居るからさっさと行ってきなよ」
美夜子「えー。じゃあ、めちゃくちゃかわいいの買ってくるね」
晴太「ばか」
  美夜子、手を振ってショップの中へ。
  晴太、適当に返して雑貨屋へ。

〇同・雑貨屋(昼)
  店内を見て回る晴太。
  晴太、抱き枕コーナーで立ち止まり、クマを手に取る。
美夜子「(後ろから)欲しいの?」
晴太「(驚く)びっくりした……。早いね」
美夜子「見る~?」
晴太「見ない」
美夜子「あっそ。そいつどうするの?」
晴太「ミヤ欲しいんじゃない?」
  晴太、クマを美夜子に差し出す。
美夜子「え、なんで」
晴太「こいつがいれば寂しくないよ」
  晴太、クマの短い手を動かす。
  美夜子、クマの顔を掴んで棚に突っ込む。
晴太「売り物なんだから乱暴にするなよ」
  晴太、棚を整える。
美夜子「フン」
  美夜子、晴太の手を取って店の外へ。

〇同・アパレルショップ・店内(昼)
  美夜子、服を晴太に持たせていく。
  晴太の片手が埋まっていく。
  美夜子、晴太を連れて試着室へ。

〇同・試着室(昼)
  椅子に座って待つ晴太、そわそわしている。
  カーテンを開ける美夜子、ロックなプリントのロングTシャツとスキニー姿。
  晴太、首を振る。
  美夜子、カーテンを閉める。
  × × ×
  カーテンを開ける美夜子、キャミソールとミニスカート姿。
  晴太、手で×印。
  美夜子、不満な顔でカーテンを閉める。
  × × ×
  カーテンを開ける美夜子、ビスチェとタイトスカート姿。
  晴太、急いでカーテンを閉める。
  × × ×
  カーテンを開ける美夜子、清楚なワンピース姿。
  見惚れている晴太、はっとして首を縦に振る。
  美夜子、照れくさそうに笑う。

〇同・家具店(昼)
  皿を選ぶ二人。
  美夜子、皿をカゴに入れていく。
晴太「あ、ミヤ箸」
美夜子「お箸はあるでしょ?」
晴太「ミヤの分だよ」
  選ぼうとする晴太の手を握る美夜子。
美夜子「今日はもう終わり」
  歩き出す美夜子に引かれる晴太。

〇同・テラス(昼)
  ベンチに座ってアイスを食べる二人。
  美夜子、アイスを差し出す。
  戸惑う晴太。
  美夜子、手を動かして晴太の口にアイスを付ける。
  晴太、アイスが口元にべったり。
  晴太、笑う美夜子に仕返しをする。
  笑う二人。

〇駅裏・商店街・喫茶店・外観(昼)
  レトロチックな店構え。

〇同・店内(昼)
  奥のソファー席に座っている二人。
  コーヒーを飲む美夜子。
美夜子「たくさん買ったね」
  晴太、紅茶のカップを置いて。
晴太「ホントにそうだね」
  晴太の足元に大量の紙袋。
美夜子「なにー? 全部あたしが出したんだからいいでしょ」
晴太「だって不安になるぐらい買うから。資金源どこなの……」
美夜子「コーヒーも飲めないお子ちゃまにはわかんないだろうなあ」
晴太「仕方ないだろ飲めないんだから」
  むっとする晴太とにこにこしている美夜子。

〇アパート・部屋(夕)
  洗濯を取り込む晴太、部屋に入る。
  晴太、洗濯を畳みながら美夜子を見る。
  美夜子、台所で洗いものをしている。
  晴太、洗濯物を片付ける。

〇同・台所(夕)
  晴太、水切りラックにたまった皿を拭く。
  美夜子、晴太を横目で見て笑顔になる。
  作業する二人。

〇同・部屋(夜)
  洗濯物が入った袋を抱えてやってくる美夜子。
美夜子「洗濯行くー」
  晴太、美夜子の荷物を持つ。
晴太「どこのコインランドリーに行くの?」
美夜子「近くにあるらしいからそこかな?」
  美夜子、晴太に携帯の画面を見せる。
晴太「こんなところにあったかな……? (考える)駅前にもあったからそっち行こう」
  晴太、玄関へ。
美夜子「ハルも? なにか洗うの?」
晴太「こんな暗いのにミヤ一人で行かせるわけないじゃん」
  美夜子、晴太に体当たり。
  晴太、わけがわからないと言う顔。
  美夜子、にやにやしている。

〇コインランドリー・店内(夜)
  洗濯層が回っている。
  美夜子と晴太しかいない店内。
  二人、ベンチに座って漫画を読む。
  同じところで笑う二人。

〇アパート・部屋(夜)
  美夜子、ベッドで寝ている晴太を叩く。
晴太「(起きる)なに……」
美夜子「おなかすいた。アイス食べたい」
晴太「は? 今何時だと思って(携帯を見る)二時じゃん……」
美夜子「ねーアイスー(揺さぶる)」
  晴太、布団にもぐる。
晴太「眠い」
美夜子「……。いいよ、わかった。一人でどっか行っちゃうもん」
  美夜子、ベッドから下りる。
  玄関の扉が開いて閉まる音。
  起き上がる晴太、眼鏡をかける。
晴太「ミヤ?」
  静かな部屋。

〇アパート前・路地(夜)
  財布を持った美夜子、とぼとぼ歩く。
  その後ろから駆けてくる足音。
  恐怖で体が硬くなる美夜子。
  美夜子に追いつく晴太。
美夜子「(晴太を見て)なんで……」
晴太「どっか行かれるのは嫌だから」
  美夜子、にやけながら晴太と腕を組む。

〇コンビニ1・店内(夜)
  雑誌を立ち読みする美夜子。
晴太「アイスじゃないの?」
美夜子「好きなのがなかったの」
晴太「ふーん、じゃあ別のとこ行く?」
美夜子「行く!」
  美夜子、雑誌を戻す。

〇コンビニ2・店内(夜)
  入店する二人。
  美夜子、お菓子コーナーへ。
  晴太、美夜子の背中を押してアイスコーナーへ。
  アイスを見て考える美夜子。
晴太「良いのない?」
美夜子「んー……」
  煮え切らない美夜子。
  晴太、美夜子の手を取って店を出る。

〇同・前(夜)
  店から出てくる二人。
美夜子「帰る?」
晴太「すぐそこにスーパーがあるから、そこで最後」
美夜子「うん!」

〇スーパー店内(夜)
  がらがらな店内ではしゃぐ美夜子。
  晴太、その様子を微笑ましく見ている。
  アイスを選ぶ美夜子、目当てを見つけて笑顔になる。

〇住宅街・歩道(夜)
  アイスを食べながら歩く美夜子、晴太を見る。
  眠たそうな晴太、美夜子を見る。
晴太「どうした?」
美夜子「べつにー?」
晴太「なんだよ(笑う)」
  美夜子、にこにこしている。

〇アパート・玄関(夜)
  静かに開く扉。
美夜子「ただいまー」
晴太「おかえり」
  靴を脱ぐ美夜子、振り返る。
晴太「ただいま」
美夜子「おかえり」
  美夜子、洗面所へ。
  晴太、靴を脱いで洗面所へ。

〇同・洗面所(夜)
  晴太と入れ替わるように部屋へ行く美夜子。
晴太「歯磨きは?」
  晴太、手を洗う。
美夜子「(誤魔化す様に)んー?」
晴太「ミーヤー」
  晴太、部屋へ。

〇同・部屋(夜)
  美夜子、テレビをつける。
晴太「アイス食べたんだから歯磨きしな」
美夜子「(泣き真似)えーん」
晴太「可愛くしてもだめ」
美夜子「……はあい(洗面所へ)」
  晴太、テレビを消す。
  美夜子、歯ブラシ咥えたまま駆け足で戻ってくる。
美夜子「んんんん!!(テレビを指さす)」
晴太「危ないだろ」
美夜子「んー!(暴れる)」
晴太「はいはい、あとで聞くから」
  美夜子、洗面所へ。
  晴太、ベッドに入る。
  美夜子、戻ってくる。
  晴太、布団をめくる。
  美夜子、ベッドに座る。
晴太「寝ないの?」
美夜子「ハルは寝ていいよ」
晴太「目、覚めちゃった?」
美夜子「(頷く)ん」
晴太「そっか」
  晴太、起き上がってテレビのリモコンを取る。
晴太「映画でも見ようか」
晴太、美夜子に笑いかける。
  美夜子、嬉しそうに晴太にくっつく。
  晴太、電気を消して映画を流す。
  × × ×
  うとうとする美夜子に気づく晴太、テレビを消してベッドに寝かせる。
  眼鏡を外す晴太、美夜子の隣で眠る。

〇アパート・部屋(昼)
  パソコンで調べ物をしている晴太。
  真横で晴太を見ている美夜子。
晴太「近いんだけど」
美夜子「なにしてるのかなって」
晴太「就活の準備でいろんな企業見てるの」
美夜子「行きたいところあるの?」
晴太「ないよ」
美夜子「無駄!(パソコンを閉じる)」
晴太「無駄なことないだろ。今後役立つかもしれないし」
美夜子「ハルってやりたいことないの?」
  考える晴太、思いつかない。
美夜子「そこ大事だよー。あと見た目も、清潔感がないとね」
  美夜子、晴太の眼鏡を取る。
晴太「ちょ、返して(手を伸ばす)」
美夜子「(避ける)ハルさあ、前髪上げたら変わるんじゃない?」
晴太「(めんどくさそう)ええ……?」
  美夜子、いいこと思いついた顔。
  × × ×
美夜子「よしよし、いいんじゃない?」
  美夜子、手鏡を晴太に渡す。
美夜子「ね? よくない? ワックス持ってるなら使わなきゃ」
  美夜子、晴太の髪を微調整する。
  晴太、ぼやけて見えない。
晴太「わかんない。眼鏡どこ?」
  晴太、眼鏡を探す。
美夜子「ダメー! 眼鏡はもう卒業! 今日からコンタクト!」
晴太「持ってないよ」
美夜子「なんで持ってないの!?」
晴太「必要だと思わないから(見つける)あった」
  晴太、眼鏡を持って洗面所へ。
美夜子「あーやだー!」
晴太「静かにして」
美夜子「もーーー」
  × × ×
  晴太、髪をタオルで拭きながら戻ってくる。
  美夜子、ふてくされて床に寝ている。
  晴太、しゃがんで美夜子を撫でる。
晴太「落ち着かないからあんまり好きじゃないんだよ」
  美夜子、晴太をちらっと見てすぐに顔を伏せる。
美夜子「さっきの方がよかったあ」
晴太「ごめんね」
  美夜子、起き上がる。
美夜子「ハルは眼鏡ない方がかっこいい」
晴太「はいはい、ありがと」
  むっとする美夜子、晴太に抱き着く。
  バランスを崩す晴太、床に倒れ込む。
美夜子「ホントにそう思ってるよ」
晴太「(笑う)わかってるよ」
  晴太、美夜子の頭を撫でる。
晴太「ミヤは髪がきれいだね」
美夜子「そうでしょ?」
晴太「もう少し落ち着いた色も見てみたいなあ」
美夜子「今のあたしは反抗期モードで期間限定なの」
晴太「なんで?」
美夜子「女にはいろんな事情があるの」
晴太「そっか。じゃあそれが終わったら見せてくれる?」
美夜子「どうかな~」
  美夜子、起き上がって台所へ。
  目で追う晴太。
  美夜子、冷蔵庫を開ける。
美夜子「(振り返る)ご飯、なににしよっか」
  晴太、起き上がる。

〇コインランドリー・店内(夜)
  ブラウン管のテレビではニュースが流れている。
  晴太、テレビを見ている。
  その横で漫画を読んでいる美夜子。
晴太「ミヤはいつまでうちに居てくれる?」
  美夜子、晴太を見る。
晴太「春休みがそろそろ終わるから」
美夜子「あーそっか。そうだったね」
  美夜子、漫画に戻る。
晴太「昼間一人にさせちゃうだろ?」
美夜子「(晴太を見る)えっそっち!?」
晴太「(美夜子を見る)えっ?」
美夜子「(笑う)拾って来たばかりの猫じゃないんだから」
晴太「じゃあずっと居る?」
美夜子「ずっとは居られないよ。わかってるでしょ?」
晴太「僕はミヤとずっと居たいよ?」
  照れる美夜子、晴太に肩をぶつける。
  笑う二人。

〇アパート・部屋(朝)
  体を起こす美夜子、横に晴太が居ない。
  玄関から話し声が聞こえる。
  美夜子、ベッドから出て玄関へ。

〇同・玄関(朝)
  玄関口に座って電話をしている晴太。
晴太「うん、そう。友達が来てるんだよ。だから、そうごめん。……うん、荷物? ああそっか
 うん、ありがと明日ね」
  美夜子、そっと晴太の後ろに立つ。
晴太「はいはい、じゃあ(切る)」
  晴太、立ち上がって振り返ると目の前に美夜子。
晴太「わっびっくりした……。ごめんね、起こしちゃった?」
美夜子「どうしたの?」
晴太「あー……母親。水道とかガスが高くなってるけどって話」
美夜子「……」
  美夜子、頷きながら頷く。
美夜子「荷物って?」
晴太「ああ、誕生日のなんか色々」
美夜子「へー……(ニヤ)」
  ささっと部屋へ行く美夜子を追う晴太。

〇同・部屋(朝)
  美夜子、赤の太いマーカーで23日を囲んで大きく「ハル誕生日」と書く。
晴太「ちょミヤ!」
  派手に書き込んでいく美夜子、止める晴太をかわしながら絵をかき込む。
  晴太、美夜子を抱え上げて止める。
  美夜子、楽しそう。

〇同・ベランダ(朝)
  洗濯を干している晴太。
  美夜子、窓辺に立って。
美夜子「お買い物行ってくる」
晴太「わかった。すぐ終わらせるから待ってて」
美夜子「一人でいいよ」
晴太「えっなんで? 一緒に行こうよ」
美夜子「ハルがついて来にくい所だから」
晴太「そっか……わかった。気を付けてね」
美夜子「はあーい」
  美夜子、晴太に手を振って部屋を出る。
  美夜子を見送る晴太、洗濯に戻る。

〇デパート・時計売り場(昼)
  美夜子、ケースの中を見ている。
  店員(30代)、見回っている。
美夜子「(店員に)すみません、これ見せてもらっていいですか?」

〇アパート・台所(昼)
  晴太、野菜を切っている。
  それをフライパンに入れて野菜炒めを作る。

〇デパート・時計売り場(夕)
  宅配の伝票を書き込む美夜子、終わると店員に渡して去る。

〇アパート・部屋(夕)
  パソコンの前に座っている晴太、手は動かない。
  晴太、玄関を見る。
  美夜子が帰ってくる様子はない。
  × × ×
  時計の長針が動く。
  電話のキーパッドで止まったまま、携帯の画面を見ている晴太、時計を見ると時刻は午後五
  時。
  晴太、立ち上がって玄関へ。

〇同・玄関(夕)
  晴太が玄関に着くと玄関が開く。
  買い物袋を持った美夜子。
美夜子「あれ、どっか行くの?」
晴太「(溜息)ミヤが遅いから探しに行こうと思って……」
美夜子「(笑う)えー? 迷子になってると思ったの?」
晴太「もう帰ってこないかと思った」
美夜子「……」
晴太「僕はミヤの番号も行きそうな場所もなにも知らない」
  美夜子、晴太の頭を撫でる。
  晴太、美夜子を抱きしめる。
晴太「絶対居なくなったりしないで」
美夜子「……ごめんね」
  晴太、体を離す。
晴太「おかえり」
美夜子「(少し間が空いて微笑む)ただいま」
  美夜子、買い物袋を持ち上げて。
美夜子「ケーキ作ろ!」
晴太「えっ」

〇同・台所(夕)
  スポンジを半分に切る美夜子、生クリームを塗り、水気を切った缶詰のフルーツを乗せてい
  く。
  美夜子、生クリームが入ったボールを晴太に渡す。
  晴太、美夜子と交代しながらケーキを作っていく。
  美夜子、晴太にちょっかいを出す。
  どんどん不格好になっていくケーキ。
  楽しそうな二人。

〇同・部屋(夜)
  ベッドで向かい合って寝転んでいる二人。
  美夜子、携帯を見ている。
  画面に映る時刻が12時になる。
美夜子「おめでとー」
晴太「ありがと」
美夜子「(携帯を置く)何歳になったの?」
晴太「二十歳」
美夜子「そっかあ。……いいね」
  美夜子、晴太の頭を撫でる。
晴太「子供扱いしないでよ」
  美夜子、微笑んで撫でるのをやめる。
美夜子「いい年になるといいね」
  晴太、美夜子を抱きしめる。
晴太「ミヤが居てくれればいいよ」
  美夜子、目をつぶる。
晴太「ねえ、ミヤ……」
  晴太、美夜子を見る。
  美夜子、寝たふり。
  晴太、微笑んで。
晴太「おやすみ」
  × × ×
  静かな部屋で眠っている晴太、その横に美夜子の姿がない。
  ベッドにやってくる美夜子、布団に入る。
美夜子「ハル」
  晴太、起きない。
美夜子「ねえハル」
  美夜子、晴太の肩を軽く叩く。
  晴太、寝返りを打って美夜子に背を向ける。
  美夜子、晴太の背中に寄り添う。
美夜子「……晴太」
  晴太の反応はない。
  美夜子、目をつぶる。
  × × ×
  ふと目を覚ます晴太、体の向きを変える。
  美夜子に布団をかけ直し、優しく抱きしめてまた眠る。
  美夜子、目を開けるがすぐに眠る。

〇アパート・外観(朝)
  塀の上で猫があくびをして体を伸ばす。

〇同・部屋(朝)
  目を覚ます晴太、体を起こす。
  横に美夜子が居ない。
晴太「ミヤ?」
  晴太、ベランダを見るが居ない。
  台所に向かう晴太。

〇同・台所(朝)
  きれいに片付けられている。
  冷蔵庫を開ける晴太、美夜子が作ったご飯や食材、昨日作ったケーキは残っている。
  晴太、洗面所へ。

〇同・洗面所(朝)
  歯ブラシやメイク落としなど美夜子が置いていたものが一切なくなっている。
  晴太、玄関へ。

〇同・玄関(朝)
  玄関口を見ている晴太。
  美夜子の靴がない。
  インターフォンが鳴る。
  顔を上げる晴太、玄関を開ける。
  驚く配達員(20代)、段ボールを抱えている。
配達員「お届け物です」
晴太「あ、はい……」
  晴太、判子を探す。
配達員「お荷物二つですね(伝票を二枚出す)こことここにお願いします」
  晴太、言われるまま判子を押す。
  伝票を回収する配達員。
配達員「じゃこちらですね。(渡す)ありがとうございましたー」
晴太「ありがとうございます」
  玄関が閉まる。

〇同・部屋(朝)
  段ボールを抱えた晴太、テーブルに足をぶつけて落ちたテレビのリモコンを踏む。
晴太「イテ」
  晴太、テレビがつくが無視。
  箱を床に下ろす晴太、小さい箱の宛先を見る。
  差出人は野原美夜子。
  晴太、開けると中からブランド品の時計と『誕生日おめでとう』と書かれたメッセージカー
  ドが出てくる。
  テレビの画面に野原製薬のCMが流れる。
  部屋で佇む晴太。

〇駅前・商店街・3年後(夕)
  テロップ「3年後」
  垢抜けたスーツ姿の晴太(23)、買い物袋を提げて歩く。
  晴太、自動販売機の前に落ちているパスケースを拾う。
  少し先に探し物をしている女性(美夜子)。
  晴太、女性(美夜子)に。
晴太「あの、これ(差し出す)落としませんでした?」
  大人っぽく清楚な服を着た美夜子(28)、振り返る。
美夜子「あ、そうです。(受け取る)ありがとうございます」
  美夜子、晴太を見てハッと驚く。
  その様子を不思議に思う晴太、ふと気づく。
晴太「ミヤ……」
  美夜子、控えめにほほ笑む。

〇喫茶店・店内(夕)
  店主(50代)が飲み物を運んでくる。
  窓際のソファー席に座っている二人。
  美夜子の前に紅茶、晴太の前にコーヒーが置かれる。
店主「ごゆっくりどうぞ」
晴太「ありがとうございます」
  美夜子、店主に会釈。
  晴太、コーヒーを飲む。
  それを見ている美夜子、紅茶を飲む。
美夜子「カッコよくなったね」
晴太「なんだよいきなり(笑う)」
美夜子「就活?」
晴太「違うよ。もう社会人だよ」
美夜子「そっか、そうなんだ」
  美夜子、視線を落とす。
  晴太の左手首に腕時計。
美夜子「……時計」
  晴太、腕時計を見る。
晴太「ああ、うん。使わせてもらってる。こんな良いもの、僕にはもったいないって思ってるん
 だけど……」
美夜子「似合ってる」
  晴太、美夜子を見る。
美夜子「あたしが選んだんだもん。似合うに決まってる」
晴太「……ありがと」
  晴太、微笑む。
晴太「ミヤも、きれいになったよ」
美夜子「(照れる)えーなにー」
晴太「あの時も可愛かったけど、やっぱりそういう方が似合うよ」
  微笑む美夜子、俯く。
美夜子「そんなにあたしのこと好きなら結婚しちゃう?」
晴太「……」
  晴太、美夜子の手元に視線を落とす。
晴太「(ひきつった笑顔)嘘つけ。僕のことなんか好きじゃないくせに」
  美夜子の左手の薬指にきれいな指輪。
  美夜子ゆっくり顔を上げて晴太に合わせて笑う。
美夜子「やっぱバレた?」
  二人の笑顔が消える。
  美夜子、外を見る。
  店の外に仲良く歩いていく昔の晴太と美夜子の面影。
美夜子「……あたしのこと覚えてた?」
  晴太、驚いて美夜子を見る。
  美夜子、外を見たまま。
  晴太、目を伏せる。
晴太「……忘れてた」
美夜子「(笑う)嘘」
  美夜子、晴太を見る。
美夜子「あの時あたしがやったまんまじゃん」
  晴太、小さくうなずく。
美夜子「嫌いだったワックスでセットして、眼鏡だってやめてる」
晴太「そうだね」
美夜子「ずっと……覚えてたんじゃん」
晴太「……うん」
  美夜子、指輪を恨めしく見る。
美夜子「(深呼吸)犬になるの」
晴太「……ん?」
美夜子「野原から犬塚になる、予定なの」
晴太「(笑う)ノラ猫から犬になるんだ」
美夜子「そう、おかしいでしょ」
  美夜子の笑顔が消える。
美夜子「……親の会社の都合で知り合って、その人はいい人なんだけど。……ハルと居た時が楽
 しかったなあ」
晴太「……なに、言ってんだよ」
美夜子「うん」
晴太「ばかだな」
美夜子「……うん」
  水が入ったコップの氷が音を立てる。
  男女のカップル(20代)が入店する。
  晴太、カップルを見る。
  カップル、奥のソファー席に座ってメニューを広げる。
  晴太、カップルに昔の晴太と美夜子の姿を重ねる。
晴太「猫が、居たんだ」
  美夜子、晴太を見る。
  晴太、カップル(昔の二人)を見たまま。
晴太「居なくなっちゃったけど」
  晴太、コーヒーカップを見る。
  揺らめく水面に晴太の顔が映っている。

〇回想・美夜子との思い出
晴太(Ⅿ)「わがままで気まぐれで」
  学生証をひらひらさせる美夜子。
晴太(Ⅿ)「僕のことを散々振り回して笑う、かわいい猫が」
  晴太の背中にくっついて笑う美夜子。
  抱き枕のクマを棚に押し込む美夜子。
晴太(Ⅿ)「夜中に起こされたり」
  夜の道でアイスを食べながら歩く美夜子。
晴太(Ⅿ)「わけわかんないところで拗ねたりして大変だったけど」
  冷蔵庫を開けて怒っている美夜子。
  床に寝て駄々をこねてる美夜子。
  荷物を半分こして歩く美夜子。
晴太(Ⅿ)「僕は─」
  振り返って笑う美夜子。

〇喫茶店・店内(夕)
  カップを見たまま言葉が途切れる晴太。
美夜子「……追いかけないの?」
  晴太、小さく首を振る。
晴太「首輪が、ついちゃったから」
美夜子「……そっか」
  晴太、美夜子を真っ直ぐ見る。
晴太「……。おめでとう」
美夜子「……ありがと」
晴太「そろそろ出ようか」
  コップの周りに水たまりができている。

〇喫茶店・店前(夕)
  店から出てくる二人。
美夜子「ごちそうさま」
晴太「いいよ、あれくらい」
  美夜子、からかうように。
美夜子「社会人だから?」
晴太「(笑う)そう、もう大人だから」
美夜子「(微笑んで)ありがと」
晴太「……じゃあ」
  晴太、美夜子に背を向けて歩く。
  後ろから駆けてくる足音。
  美夜子が来るんじゃないかと期待してしまう晴太。
  子供が晴太の横を駆けていく。
  晴太、息を吐く。
  子供、夫婦(30代)の間に割り入る。
  仲良く歩いていく家族。
  夫婦が晴太と美夜子に一瞬変わる。
  泣きそうになる晴太、俯く。
  美夜子、晴太の背中に抱きつく。
美夜子「晴太」
  晴太、振り返りそうになるが我慢。
美夜子「あたし、幸せになるね」
  美夜子、晴太から離れて来た道をゆっくり戻っていく。
  晴太、振り返る。
  歩いていく美夜子。
  晴太の背中を押すように風が吹く。
  晴太の足が一歩だけ動くが、それ以上は進まない。
  うっすら涙を浮かばせる晴太。
晴太「さよなら美夜子」
  美夜子の背中が小さくなっていく。
  晴太、背を向けて歩き出す。
              終わり

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