チェリードール 学園

【禁断の恋を暴く密室劇、女子高生vs.高校教師】 女子高に通う葉山梨花(17)は、おかっぱ頭で小柄の女子高生。 クラスのなかで妹的な存在の彼女だったが、屋上から飛び降りて自殺した…。 梨花の死から一ヶ月後。 彼女のクラスメイト全員が、梨花と同じおかっぱ頭で登校する。 出席確認では、皆が自らを『ハヤマ リカ』と名乗った。 そして彼女達は突然、机から台本を取り出し、演劇を始めたのだった。 復讐劇の幕があがる…。
唐下 浩 4 5 0 02/08
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第一稿

タイトル
「チェリードール」

               作 唐下 浩

◯桜園女子高等学校・外観
   日差しが強く、木の影が濃い。
   蝉が鳴いている。
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「チェリードール」(PDFファイル:230.94 KB)
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タイトル
「チェリードール」

               作 唐下 浩

◯桜園女子高等学校・外観
   日差しが強く、木の影が濃い。
   蝉が鳴いている。
   校門の壁に、『桜園女子高等学校』の文字。

◯同・廊下
   西島春人(32)、出席簿を手に歩いている。

◯同・教室
   西島がドアを開けて入ってくる。
西島「ホームルームはじめるぞ……!?」
   教室を見渡し、息をのむ。
   女生徒全員が、おかっぱ頭で席についている。
   両手を膝におき、西島をじっと見ている。
   教卓の前の席に、おかっぱ頭の仲峰雫(18)。
雫「起立!」
   女生徒全員が、一糸乱れず同時に立ち上がる。
西島「!?」
   女生徒たちの鬼気迫る剣幕に、圧倒される。
雫「礼! 着席!」
   女生徒全員が、一糸乱れず同時に着席する。
西島「……」
   西島、驚きのあまり固まっている。
西島「……あっ……日直は、仲峰だったか?」
   出席簿をペラペラめくる西島。
雫「……」
   雫、無言で西島をじっと見ている。
西島「……なんだよ」
女生徒A「先生ー、早く出席とってください」
西島「あっ、あぁ……」
   教卓の上で出席簿を確認する西島。
西島「相沢恵」
   誰も何も反応しない。
西島「相沢恵!」
   誰も何も反応しない。
   西島、女生徒Bに近づく。
西島「相沢! 黙ってないで返事しろ!」
女生徒B「先生、私、相沢じゃありませーん」
西島「はぁ? お前、何言ってんだよ……」
   女生徒B、西島をじっと睨む。
   西島、目をそらして、
西島「(舌打ち)もう良い! 次、井川加奈子」
   誰も何も反応しない。
   西島、女生徒Cの前に立つ。
西島「お前も、返事しないつもりか?」
女生徒C「だって私、そんな名前じゃないので」
   西島、出席簿を床に叩きつけ、
   女生徒Cの机を蹴飛ばす。
西島「じゃあお前たちは、いったい誰なんだ!?」
女生徒全員「葉山梨花」
   西島の顔がみるみる青ざめていく。
西島「何の冗談だ……仲峰! 仲峰雫!? これは、
 お前たち演劇部の仕業か!?」
   両手で激しく雫の机を叩く。
   雫、無言で黒板を指さす。
   赤いチョークで書かれた、
   『チェリードール 第三幕』の禍々しい文字。
西島「チェリードール……第三幕」
雫「はじめっ!」
   バンッ!
   女生徒全員が、机から原稿用紙を取り、
   一斉に立ち上がる。
西島「はっ……えっ、なっ……」
   西島、言い知れない恐怖感をおぼえ、
   後ずさりする。
女生徒D「こけしが高校教師と付き合ってから、ひと
 月が過ぎました」
女生徒E「こけしは、先生の秘密を知りました」
   西島の額から流れる汗が、左手薬指に落ちる。
女生徒F「先生には婚約者がいたのです」
女生徒G「こけしは言いました」
女生徒H「『先生別れてください』」
女生徒I「しかし、先生は首を横にふって、こう言い
 ました」
   女生徒全員が、西島を見る。
西島「……」
雫「先生のセリフですよ」
西島「これは、いったい、な、何のまねだ!?」
   西島、雫の胸ぐらをつかむ。
   呼吸の荒い西島。
西島「こんなことが許されると思うなよ!」
雫「……」
西島「お前たち全員親を呼びだしてな、二度とこの高
 校に通えなくしてやるからな!」
   雫、無言で制服を脱ぎ始める。
   雫から離れる西島。
西島「なんだよ……なんなんだよ、お前ら……何考え
 てんだよ!?」
雫「忘れたようなので私が言いますね。『別れるな
 ら、お前の写真をばらまくぞ』」
   教室に蝉の鳴き声が響きわたる。
   西島の全身から汗がふきでる。
   下着姿の雫。
   原稿用紙を手にした女生徒全員が、
   一糸乱れず行進する。
女生徒J「その写真は、体育館倉庫で撮られたもので
 した」
   女生徒J、携帯電話を取り、雫をカシャッ。
西島「やめろ……」
女生徒K「その写真には、裸のこけしが写っていまし
 た」
   女生徒K、携帯電話を取り、雫をカシャッ。
女生徒L「みずみずしい肌に、膨らみはじめた乳房。
 おかっぱ頭の処女の裸体」
   女生徒L、携帯電話を取り、雫をカシャッ。
   雫、下着を脱いで、真っ裸になる。
西島「やめろ……」
女生徒M「先生の皮をかぶった醜い悪魔は、そんな少
 女を欲望のままに、汚したのです」
   女生徒全員が、雫を丸く囲み、
   雫を携帯電話でカシャッ!
西島「やめろー!」
   西島、雫の頬を平手打ちする。
   顔色一つ変えずに原稿のページをめくる雫。
雫「やめませんよ。復讐の幕が下りるまでは……」
   雫を中心とした女生徒全員で、
   西島を丸く囲んでいる。
女生徒N「少女は、悪魔を理科室に呼びだして言いま
 した」
   西島、ポケットからタバコと、
   100円ライターを取り出す。
西島「黙れ……」
女生徒O「『別れてくれないと、先生の婚約者に全て
 話します』」
   西島、カチャカチャと、
   タバコに火をつけようとするが、
   一向に火がつかないライター。
西島「黙れよ……」
女生徒P「激昂した悪魔は、少女につかみかかり」
女生徒Q「もみ合いになって」
西島「黙れって言ってんだよ!」
   西島、100円ライターを壁に投げつける。
   その衝撃でライターが爆発し、
   破片が飛び散る。
   破片が生徒の何人かの体にかすり、
   血が流れるが、
   誰一人として表情を変えない。
女生徒R「少女を窓から突き落としたのです」
   女生徒全員が、一番後ろの席を見る。
   つられて見る西島。
   机の上に、おかっぱ頭の少女が描かれた、
   木彫りのこけし。
   こけしに描かれた少女が、一瞬、
   まばたきする。
西島「ひぃ!」
   後ろに跳ね上がる。
雫「ねぇ、先生? どうして少女は、悪魔に殺された
 のですか?」
西島「違う……」
雫「少女は殺されたのに、自殺したなんて。なんでそ
 んなおとぎ話になってしまったのですか?」
西島「違う! 俺じゃない! おれは殺してない。頼
 む、信じてくれ……」
   雫、殺意をこめた目で西島を見る。
雫「お前が、葉山梨花の人生の幕を下ろしたんだ!」
西島「わー!」
   半狂乱で廊下に飛びだす西島。
   立ち止まり、目を見開く。
   廊下に木彫りのこけしが一列に並び、
   頭から血を流している。
西島「ゔっ!」
   両手で口を押さえ、教室のなかに後ずさり。
   女生徒全員が拍手で西島を迎え入れる。
   西島、そのまま後ずさりし、
   開いた窓から落ちる。
   ドサッ!
雫「……」
   雫、下着をつけ、制服を着る。
   窓に近づく雫。
   雫、窓から地面を見下ろす。
   頭から血を流して倒れている西島が見える。
雫「えっ……!?」
   目を大きく見開く。
   西島の横に、こけしのストラップがついた
   折りたたみ式の携帯電話が、転がっている。
   雫の横に立つ女生徒A。
女生徒A「ねぇ、あのストラップって、梨花と同じや
 つだよね……」
雫「……」
女生徒A「雫……」
雫「……」
女生徒A「梨花って。本当に、先生に殺されたの?」
   蝉の鳴き声がいっそう大きく鳴る。
   原稿用紙が風で舞い上がる。

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