バーバー伴場 学園

床屋の息子・伴場巧(12)は悩んでいた。店の手伝いに駆り出された際、そこに居た客は学校の番長・高木理央(12)で……。
マヤマ 山本 46 0 0 08/24
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第一稿

<登場人物>
伴場 巧(12)
釜田 (12)

高木 理央(12)
石田 輝久(12)
安田 健司(12)
熊野 武(12)
伴場の母



<本編>
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<登場人物>
伴場 巧(12)
釜田 (12)

高木 理央(12)
石田 輝久(12)
安田 健司(12)
熊野 武(12)
伴場の母



<本編>
○メインタイトル『バーバー伴場』

○中学校・外観

○同・一年二組・前
   「1―2」と書かれた表札。
   教室の中を覗き見る高木理央(12)。誰かを探している様子。高木に気付いた生徒達は恐がっている。そこにやってくる地味目な生徒、釜田(12)。
高木「おう、カマ」
釜田「『お』を付けんな。何してんの? ナナなら、職員室だぞ」
高木「人は探してるけど、ナナじゃねぇよ。つーか、何で俺がナナを探さなきゃなんねぇんだよ」
釜田「そりゃあ、まぁ……で、じゃあ誰探してんだよ?」
高木「……わかんねぇ」
釜田「は?」
高木「だから、名前わかんねぇの」
釜田「じゃあ、名前思い出してから来いよ」
高木「……だな。ちょっとテルにでも聞いてくるわ」
   自分の教室に帰っていく高木。

○同・同・中
   壁に張り付き、高木の居た位置から死角になるように立つ伴場巧(12)に気付く釜田。伴場も地味目な生徒。
釜田「……伴場君、何してんの?」
伴場「高木君、行った?」
釜田「行った」
伴場「良かった……」
釜田「え、何? 理央が探してたの、伴場君なの?」
伴場「うん、多分。……釜田君、高木君と友達なの?」
釜田「友達っていうか……小学校が一緒だったから」
   釜田にしがみつく伴場。
釜田「!?」
伴場「お願い、助けて」
釜田「助けてって……何かしたの?」
伴場「何かした、っていうか……」
釜田「アイツ、そんなに悪い奴じゃないけどな……あ、髪型バカにしたりした? だとしたら、謝った方がいいかもな」
伴場「いや、そういうんじゃなくて。実は……」

○(回想)伴場家・外観
   一階が店舗で二階が理髪店な建物。
   「バーバー伴場」の看板。

○(回想)同・伴場の部屋
   くつろいでいる伴場。
伴場の母の声「巧~。ちょっと店手伝って~」
伴場「え~」
伴場の母の声「『え~』じゃないの。早く来なさい!」
伴場「は~い。……ちぇっ」
   立ち上がる伴場。

○(回想)同・理髪店
   やってくる伴場。
伴場「いらっしゃいま……」
   客は高木、石田輝久(12)、安田健司(12)、熊野武(12)。伴場の母は高木のシャンプー中。
伴場「(ビビりながら)た、高木君……」
伴場の母「ほら。やっぱりアンタ達、ウチの息子と同級生じゃんか」
石田「いや、だって見た事ねぇし」
安田「おい、お前どこ中だよ」
熊野「だから、ウチの中学だ。あと、俺達は小学校も一緒だ」
伴場の母「ほら、巧。ちゃんと自己紹介してやんな」
伴場「一年二組の、伴場巧です」
石田「隣のクラスか。じゃあ、知らねぇし」
安田「どうしてもって言うなら、俺っちの舎弟にしてやるぞ?」
熊野「無視していいぞ」
伴場「あ、えっと……」
伴場の母「じゃあ巧(高木を指し)こっちの子、あとはお願いね」
   伴場にドライヤーを手渡す伴場の母。
伴場「え……えっ!?」
伴場の母「何を驚いてんの? アンタのやる事って言ったら、髪乾かす事くらいでしょうが」
伴場「それは、そうだけど……」
高木「(伴場を睨み)つーか、早くしてくんねぇ?」
伴場「は、はい……」
   高木の髪にドライヤーを当てる伴場。小刻みに震えるドライヤー。
   その背後で、散髪台に座る石田。
伴場の母「はい、じゃあ次。どれくらい切るの?」
石田「一番かっこいい感じで」
伴場の母「OK。任せときな」
    ×     ×     ×
   高木に恐る恐るワックスを手渡す伴場。
伴場「あの、コレ……どうします? 自分でやります?」
高木「あ~……だな」
   ワックスを受け取り、自分で髪型をいじり出す高木。胸をなでおろす伴場。
   その背後で、石田の髪を切る伴場の母。
伴場の母「これくらいの長さでどう?」
石田「お~。いい感じだし」
    ×     ×     ×
   髪型をいじり続ける高木と、その傍らに立つ伴場。
高木「う~ん……何か違ぇな」
   その背後で、散髪台に座る安田。
伴場の母「アンタは、どれぐらいにする?」
安田「モテる髪型で」
伴場の母「とびっきりの色男にしてやるよ」
安田「本当に? やった~!」
    ×     ×     ×
   髪型をいじり続ける高木と、その傍らに立つ伴場。
高木「……やっぱ違ぇな」
伴場「はぁ……」
   その背後で、散髪台に座る熊野。
熊野「揃える感じで」
伴場の母「控えめだねぇ」
   高木の元に集まる石田と安田。
安田「おう、理央。どう? 俺っち、かっこよくなっちまっただろ?」
高木「うるせぇな。邪魔すんなっつーの」
石田「っていうか、いつまでやってんだし」
高木「仕方ねぇだろ? 髪が短くなった分、感覚違ぇんだっつーの」
石田「ふ~ん……」
   と言いながら、伴場に視線を向ける石田。
伴場「……えっと、何か?」
石田「お前、何ボケ~ッと突っ立ってんだし。お前がやってやれし」
伴場「え、ぼ、僕が!?」
安田「そうだそうだ。その為に居るんじゃねぇのかよ」
伴場「いや、あの、でも……そ、そう、本人が『自分でやる』って言ってて……」
高木「確かに。テルの言う通りだな」
伴場「え?」
高木「(伴場に)お前、やれ」
伴場「えぇ!? で、でも……」
高木「別に、大体は出来上がってっから。最後の締めをチョロッとやってくれりゃいいだけだから」
伴場「え~……」
   伴場に集まる高木、石田、安田の視線。
釜田の声「それで、理央の髪を?」

○中学校・一年二組・中
   並んで立つ伴場と釜田。
釜田「ヤベェだろ。アイツ『髪型崩された』ってだけの理由で、三年の先輩達ボコボコにしたんだぞ?」
伴場「知ってる。でも、もうやるしかなくなっちゃって、それで……」
   息をのむ釜田。

○(回想)伴場家・理髪店
   散髪台に座る高木の髪に手を伸ばす伴場。その様子を見守る石田と安田。伴場が高木の髪を僅かにいじる。
理央「!?」
伴場「ひぃ!」
   恐る恐る高木に目をやる伴場。
理央「(満足気に)お~、いいな。さすが床屋の息子」
伴場「……え?」
石田「理央が褒めた!?」
安田「大変だ、雨が降る!」
理央「(無視し、伴場に)『師匠』って呼んでいいか?」
伴場「えぇ!?」

○中学校・一年二組・中
   並んで立つ伴場と釜田。
伴場「……という事になっちゃって」
釜田「理央の、師匠?」
伴場「だから、それで……あっ」
   入口に立つ高木。
高木「カマ、名前聞いてきた。伴場っていう……(伴場に気付き)いた、師匠~」
   周囲の生徒達が「師匠?」と、伴場に対して警戒心を抱く。
高木「師匠、今日もちょっと髪型の相談いいですか?」
伴場「無理です、無理です~」
   逃げ出す伴場。それを追う高木。
高木「待ってくださいよ、師匠~」
伴場「その呼び方、止めて下さい~」
                   (完)

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