Only in a mirror ドラマ

カフェミロワールで出会った恋に臆病な二人のお話。
小林彩花 3 0 0 10/22
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第一稿

 人  物

高宮 楓(33)弁護士事務所秘書
栗原 裕(28)サラリーマン
忽那 勲(58)カフェミロワール店主
岡部 えな(28)楓の後輩   



○カフ ...続きを読む
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 人  物

高宮 楓(33)弁護士事務所秘書
栗原 裕(28)サラリーマン
忽那 勲(58)カフェミロワール店主
岡部 えな(28)楓の後輩   



○カフェミロワール・外観

○カフェミロワール・店内
   こぢんまりとした店内には、カウンター席6席とテーブル席が数席。
カウンター席の向かいには、細長い鏡が掛けられていて、背筋を伸ばして座る高宮楓(33)が映っている。
   楓、扉が開く音で、大きく目を開く。
   栗原裕(28)が店内に入ってくる。
   楓、鏡越しに栗原を見る。
楓の心の声「きた」
栗原の心の声「いた」
楓「コーヒーお願いします」
栗原の心の声「あ、来たばかりなんだ」
   鏡に映る、楓の前に置かれたグラスの水が半分減っている。
   栗原、楓の3席左隣の席に座る。
   忽那勲(58)、栗原の前に水の入ったグラスを置く。
   栗原、店員に会釈して水を一口飲む。
   鏡に映る栗原につられて楓、グラスの水を一口飲む。
栗原「コーヒーお願いします」
   楓、鏡越しに栗原の様子を窺う。
   忽那、後ろを向いてグラスを拭きながら鏡越しに楓と栗原を見て、微笑む。
楓「(小声で)…よし」
   楓、隣の席に置いたバッグの中から小さな紙を取り出す。

○(妄想)カフェミロワール・店内
   楓、勢いよく栗原の方を向いて、LINEのIDが書かれた小さな紙を差し出しながら
楓「あの、これ。あ、でももしご迷惑だった
ら捨ててください」
   栗原の驚いた表情が次第に笑顔に変わる。

○カフェミロワール・店内
   楓、頭をぶんぶん振る。
楓の心の声「いや…ないないない。てか無理
無理無理」
   楓、手の中の小さな紙を握り潰す。
   忽那、鏡越しに視線を楓から栗原に移す。
   栗原、下を向いている。

○(妄想)カフェミロワール・店内
   栗原、勢いよく楓の方を向いて、
栗原「よくこのお店に来てますよね。て、僕
もそうなんですけど。僕の場合、あなたに
会いたくて来てるんです」
楓の驚いた表情が次第に笑顔に変わる。

○カフェミロワール・店内
   栗原、頭をぶんぶん振る。
栗原の心の声「いや…ないないない。てかき
もいきもい俺」
   忽那、鏡越しに視線を栗原から楓に移す。
   楓、下を向いている。
   忽那、鏡越しに楓と栗原を見比べ、微
笑む。

○丸乃内ビル・外観
   新しく大きなビルに猿田弁護士事務所の看板。
えなの声「いや昭和!」

○猿田弁護士事務所・オフィス
   デスクに突っ伏している楓。
   隣のデスクに座る、呆れ顔の岡部えな(28)
楓「昭和言うな。こういう時の平成の次の一
手は何よ?」
えな「平成はまずそんなアナログなアプロ
ーチしないです。相手がよっぽど出会いに
飢えてるか、こっちの事気にしてるかしな
い限り紙切れなんてすぐ失くしますから」
楓「そんな事あるかい。現代における名刺だ
って立派にその役目果たしてるじゃんよ」
えな「いやまあじゃあせめて名刺ね。でもそ
れも取っつきにくい。男から名刺渡される
ならまだしも、こっち女ですよ?」
楓「…性別で何か違いが?」
えな「男が名刺出したら、身元がはっきりし
て信用にも繋がるけど、女が名刺出した
ら、『え、何?怪しいビジネス始まる?』
って相手警戒します!」
楓「なるほど、そういうもんかね」
えな「そういうもんです」
楓「男女平等が謳われながらもこういうのが
人間関係の根底に根強く残ってるんだも
ん、やだねぇ」
えな「いやこれは残ってるというより、社会
進出した女が新たに生み出した恐怖だか
ら。古いものではない」
楓「あたしみたいに?」
えな「はい」
   楓、起き上がって覇気のない表情でえ
なを見る。
   カチっと音がして時計が9時を指す。
   楓の表情がぱっとビジネスモードに変
わる。
すっと立ち上がり、カツカツとヒール
の音をさせて、猿田と書かれた部屋の
前に歩いて行く。
後ろにえなが続く。
楓、えなの方を振り返り、上から下まで見てえなのヒールの汚れを指さす。
えな「申し訳ありません」
   えな、ポケットからハンカチを取り出
し、拭く。
   楓にこりと微笑みドアをノックする。
楓、扉を開け、中に入りながら
楓「おはようございます」

○カフェミロワール・入口
   栗原の手が扉を開ける。

○カフェミロワール・店内
   入ってきた栗原、カウンター席を見て、楓がいないことに気づく。
   つまらなそうな栗原の表情が鏡に映
る。
   忽那、後ろを向いてグラスを拭きながら、鏡越しに奥のトイレから戻ってくる楓に視線を向ける。
   カツカツとヒールの音がして、栗原が嬉しそうに楓の方を見る。
   二人の視線が合う。
栗原「あ」
楓「あ」
   忽那、そんな二人を見て嬉しそうに微笑む。
   楓、何事もなかったように、カウンタ
ー席に座る。
楓、表情こそ変えないものの、栗原に
見えないように左手に右手で人人人と
書いて飲み込む。
忽那、鏡越しに視線を楓から栗原に移す。
   栗原、楓の4席左隣の席にがっくりと
座る。
楓の心の声「やばー!!!声出ちゃったよ。
思わず、『あ』って!」
栗原の心の声「あー俺やっぱりなんとも思われてない…よな、そうだよなそりゃ」
   忽那、仕方がないという表情で、楓と
栗原を交互に見ながら
忽那「お二人は、お酒は飲まれますか?」
   楓、え?という表情で忽那を見て、栗
原を見る。
栗原「え、あ、はい。好きです」
楓「あ、はい。私も」

○猿田弁護士事務所・オフィス
   カチっと音がして時計が17時を指
す。
えなが楓を不思議そうな顔で見る。
えな「え?なんで?」
楓「え?」
えな「だって楓さん、いつも定時過ぎるとこ
うふにゃって」
楓、ビジネスモードの顔が一瞬ふにゃっと歪み、慌てて元に戻す。
えな「え?何?何かあったんですか?」
楓「聞きたい?」
えな「うんうん聞きたい」

○カフェミロワール・入口
   楓の手が扉を開ける。
   後ろからえながひょこっと顔を出す。

○カフェミロワール・店内
   忽那、え?という表情でえなを見る。
   えなと楓、店に入りながら
えな「あ、私楓さんの後輩です。今日はアドバイザーとして楓さんを送りにきました」
忽那「アドバイザー?」
えな「楓さん、いい歳してまだ声もかけられてないって言うので」
楓「ちょっと」
   忽那、わかったように頷く。
えな「不定期のカフェバーなんて素敵な機会
をせっかくマスターがくださったんだから
今日こそって葉っぱかけに来たんです」
忽那「そうです、今日こそは!」
楓「え、マスターわかって、いました…?」
忽那「えぇ、そりゃもう。(鏡を指さしなが
ら)これは何でも映しますから。この中で
はお二人ともとても素直なんですけどね」
楓「え、二人とも…?」
忽那「はい、お二人とも」
   楓、両頬を両手で抑えてドギマギ。
   鏡越しに、入口に驚いた表情で立って
いる栗原と目が合う。

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