恋するエアコン ドラマ

思春期の少女は、恋に落ち、美容に目覚める。しかし、キレイになる道は険しく…?
阿下ユウ 13 0 0 04/26
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第一稿

人物表

真里(16歳):バトミントン部の女子高生。夏生まれ
恵梨香(41歳):真里の母
景子(16歳):真里の友人、バスケ部
成瀬先輩(17歳):バスケ部 

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人物表

真里(16歳):バトミントン部の女子高生。夏生まれ
恵梨香(41歳):真里の母
景子(16歳):真里の友人、バスケ部
成瀬先輩(17歳):バスケ部 

1とある産婦人科医院・外(夏)
強い日差し。蝉時雨。
2同・病室内(同)
生まれたての赤ん坊・真里(0)が母・恵梨香(26)の腕で力強く泣いている。
3真里の家・リビング(秋)
少し成長した真里。座っておもちゃを振り回している。
4同・同(冬)
更に成長した真里、ハイハイでストーブに近づく。恵梨香、それに間一髪で気づき
恵梨香「危ない!」
真里を抱き上げる。
真里M「冬は、嫌いだ。」
5真里の家・真里の部屋(冬)
外は凍てつく冬。目覚ましが鳴り響いている。小学生の真里、ベッドから全然出てこない。
恵梨香、真里の部屋のドアを開けて
恵梨香「早く起きなさい!」
真里「うーん…」
ベッドに包まり、全く起きる気配がない真里。
恵梨香「(苛立ちながら)いい加減に――」
X X X
中学生の真里、同じくベッドに包まっている。同じく恵梨香、
恵梨香「(続けて)さっさと――」
X X X
高校生の真里、同じくベッドに包まっている…
恵梨香「――起きなさーい‼」
真里M「…冬は寒くて起きれないし…」
6同・洗面所(冬)
真里、自分の唇を鏡で凝視している。
真里「おかーさーん。また唇割れちゃった。」
恵梨香「(OFF)寝る前にリップしなさいって言ったでしょう。乾燥はお肌の大敵なんだからね!気をつけなさいよ!シワとか怖いんだから!」
真里、リップを塗り始める。
真里「母さんと違って私はまだ若いから大丈夫でーす。」
恵梨香「(OFF)‼あんたねー!」
7真里の高校・体育館(冬・朝)
バトミントン部、ラケットの素振り練習をしている。部員、一生懸命。
真里、練習から気が抜けたように明後日の方向を見る。その目線の先に、爽やかなバスケ部員。
真里「……」
8真里の家・洗面所(冬・夕方)
真里、再び洗面所の鏡で自分を見つめる。肌や唇を触る。
真里M「…冬は肌がカサカサになるし…」
9真里の高校・真里のクラス(冬・昼)
真里、景子(16)と他2-3人の友人に相談している雰囲気。
景子「――成瀬先輩に彼女がいるか? うーん、どうだろう。え、もしかして真里、気になってるの!?」
真里、手を全力で振って
真里「いやいやいや、そんなんじゃないよ!」
景子「ふーん…へー。」
真里「本当に――」
10真里の高校・外・道路(冬・夕方)
真里「――そんなんじゃないから!」
真里と景子、二人並んで歩いている。景子、バスケ部の部活バッグが揺れるほど笑いながら
景子「アヤシー。」
真里、少し景子を怒りながら睨む。景子、それを見て笑う。
真里、ふと気づいて
真里「景子、肌キレイだね。」
景子「え!うそ!わかる!?最近寝る前に加湿器かけててさー調子いいんだよね。」
真里「へえ…そうなんだ…」
11真里の家・真里の部屋(冬・夜)
真里、古い加湿器をMAX調整で稼働させている。期待が見える顔でベッドに入る。
X X X
1日後、部屋に置かれているもの場所が変わっている。しかし、加湿器は変わらずMAXで稼働中。真里は寝ている。
X X X
2日後、相変わらず加湿器は稼働中。
X X X
3日後。加湿器は…
X X X
真里、ベッドから嫌々起き始め、暖房の電源を点ける。5秒後、しかめ面。
真里「お母さん!なんかエアコン臭いんだけど!」
恵梨香「(OFF)なになに…(部屋に入って)あら本当だわ。あんた加湿器やりすぎたんじゃない。きっとカビ生えてるわよ。」
真里「え!」
真里、エアコンを見つめる。
恵梨香「このエアコンも16年使ってるしねぇ…」
真里M「(被せ気味に)…なんか部屋は臭くなるし…だから――」
X X X
恵梨香、真里の部屋で
恵梨香「早く起きなさい!」
真里、嫌々起き始める。
真里M「冬は嫌い。でも――」
12真里の家・洗面所(冬・朝)
真里、リップを塗り化粧水をつけ
真里M「それでも毎日頑張って頑張って――」
13真里の高校・体育館(冬・夕方)
真里、一生懸命ラケットを振る。ちらっと見る目線の先には成瀬。
真里M「頑張って頑張れば…」
14同・外・道路(冬・夕方)
真里、立ち尽くしている。
目線の先には、成瀬先輩と彼女らしき人物。楽しげに話すふたり。
彼女に見える人物は、友人の景子だった。
真里「――頑張ればきっと…」
15真里の家・リビング(冬・夜)
恵梨香、晩ごはんのシチューを作っている。鍋を見つめている恵梨香。
玄関のドアが開く音。恵梨香、鍋から目線を離し
恵梨香「あら!真里!おかえり〜!アンタの部屋のエアコ…?」
返事はなく、ドタドタと二階に駆け上がる足音。
恵梨香、不思議な顔。
16同・真里の部屋
真里、バッグをぶっきらぼうに床に置き、勢いよくベッドに飛び込む。
泣く。枕が濡れていく。
加湿器は止まったまま。
真里、泣く。
X X X
真里、涙の後をつけながら寝むっている。
恵梨香、そっと部屋に入り、真里の顔を心配な顔で見つめる。そして、そっと微笑みながら布団と毛布を真里に駆ける。
恵梨香、その後リモコンでエアコンを操作し、そっと部屋を出る。
X X X
朝。真里、自然と起き上半身だけ布団から出る。時計を見ると朝6時。
そして思い出したかのように、加湿器を見る。勿論稼働していない。
昨日のことと相まって悔しげな表情。しかしある異変に気づき、肌を触り、唇を触る。乾燥していない。
真里、更に部屋が寒くないことに気づき、布団から完全に出る。周りを見甘わす。その目線の先にはDAIKINのエアコン。
17同・リビング(冬・朝)
恵梨香、朝仕度をしている。
恵梨香「あら、今日は朝が早いのね。」
真里、不思議な顔でうなずきながら朝ごはんが置かれている席につく。
真里、スマホに目をやる。そこには「新着メッセージがあります。」の通知。
真里、開く。景子からだった。
苦々しげな真里の表情。
景子「(メッセージの画面とともに)(OFF)昨日、成瀬先輩とたまたま下校したよ!」
しかし、次第に…
景子「(OFF) だから聞いてみたら彼女いないって!」
景子「(OFF)チャンスだね!」
真里、苦々しい顔が晴れて
景子「(OFF)それに先輩、朝練のために6:50着の電車乗るらしいよ〜行け!真里!」
真里、急いで身支度をし始める。
X X X
洗面所で素早くリップと化粧水を塗り
X X X
素早く新しいワイシャツに着替える。
X X X
恵梨香、玄関先で身支度が終えている真里の姿に驚く。
真里、清々しい顔で、
真里「お母さん!ありがとう!行ってきます!」
真里、駆け出していく。
恵梨香、その姿を見て微笑む。
18真里の家・外・道路(冬・朝)
まだあたりは暗い。真里はそれでも走る。
真里M「寒くてなかなか明けない朝、だから冬は嫌いだ。でも――」
真里、走り続ける。日が昇り始める。
真里M「でも、少しだけ冬が好きになりそうな予感がする。」
昇る日に向かって走っていく真里。
N「空気が変わる、心が変わる。ダイキン。」
                   終

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