茶道戦隊茶レンジャー コメディ

茶道部の五人は、バラバラ。しかし、野球部に部室をとられそうになったことで、一致団結する。全校に茶道部の必要性を知らしめるため、戦隊ショーを始めることにする。
星 堕位置 4 0 0 02/06
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第一稿

人物
袱子
みずき
松本
キイ子


角田タカシ

野球部キャプテン

先生








○レンジャーっぽい場所
ヒーロー戦隊風の曲 ...続きを読む
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人物
袱子
みずき
松本
キイ子


角田タカシ

野球部キャプテン

先生








○レンジャーっぽい場所
ヒーロー戦隊風の曲。
   いきなり、ポーズをとっている袱子。
ナレーション(以下Nと略・戦隊モノ独特のあおるような声で)真っ赤に流れる情熱の紅い血、袱紗レッド!
   ポーズを極めるみずき。
N 透明に近いブルーは、青春の象徴!ウォーターブルー!
   ポーズ極める松本。
N 爽やかな緑の葉は、明るい希望のしるし!抹茶グリーン!
   ポーズ極めるキイ子。
N 黄色の光が未来を照らす!茶筅イエロー!
   ポーズ極める桃。
N 甘いピンクの輝きは、優しさの証!和菓子ピンク!
   五人揃って、ポーズとり直す袱子、みずき、松本、キイ子、桃。
袱子 五人揃って
みずき 茶道戦隊
松本 茶道部!
キイ子 チャレンジャー
桃 サドレンジャー
   五人、ばらばらなことを言う。
   ポーズもなんだか、ぐずぐず。

○学校
   茶道部部室。
袱子(監督風に)はい、カット!だめだめだめ、ポーズもセリフもばらばら。
桃 あたしたち、何やってんの?
袱子 だから!

○茶道部部室
稽古をしている五人。
先生 はい、できました
   と、先生が顔をあげると、赤い布がサッと落ちる。
   窓の外を見ているみずき、漫画を読んでいる松本、うたた寝しているキイ子、スマホを見ている桃。
   袱子は、四人を、部をなんとかしようとしているらしい、
先生 ・・・
袱子 ・・・
   無言で、先生がここへ座れというしぐさをする。
   一応、先生の前に正座をする五人。先生は、自分たちで話しなさいというふうに立ち去る。

○同
   仕方なく、袱子の前に座っている四人。
みずき って言っても、さぁ、別に私、袱子と違って、茶道がやりたくて、ここに入ったわけじゃないから。他のみんなもそうだと思うけど・・・でしょ、キイ子。
キイ子 あ、え、私(戸惑って)私、運動、全然駄目だし、・・・文化部でも、吹奏楽とか演劇とかハードでしょ。美術はもう全然センスが無いし、だから・・・
みずき(クールに)だから、茶道やりたかったわけじゃないよね、
キイ子(袱子に気を使いながら)あ、少しはやりたい気持ちもあったんだけど。
松本 私はめちゃくちゃやりたかったんだよ、
   え、と驚いて、松本を見るメンバー。
松本 華道が
   更に驚いて、松本を見るメンバー。
袱子 なぜ、茶道に?
松本 間違えたの
袱子 え
みずき ・・・
キイ子 ・・・
   皆驚いて、松本を見る。
松本(きまりわるそうに)間違えて入部したの、私
袱子 そうなの。それなら、先生に言えば良いじゃん、
松本 気付くのが遅かったの。もう茶道のセット買ってから気付いた
みずき ウソ
   頷く松本。
松本 なにか、おかしいなとは思ってたの。何で花やるのに、お茶碗が必要なのか、とか。みんながサドウ、サドウって言うから、へーえ、あの華って字、サって読むんだって
みずき もっと早く気付きなよ
松本 買ってしまったから、仕方なくて
   やれやれ、という顔をする袱子。
袱子 ・・・桃は・・・?
   ここまでメンバーの話を聞かず、スマホの画面を見ていた桃、名前を呼ばれて、ハッと顔をあげる。
桃 へ?
袱子 どうして、茶道部に入ったのか?
桃 勿論、茶道を極めるためよ。
   じっと桃の顔を見るメンバー、冗談でしょ、という顔。
袱子 冗談はともかく、現在のままだと、我が架空田高校の茶道部は、駄目になる。力を合わせて、なんとかしなくちゃ!
みずき 夏の日のお茶とかけまして
松本 かけまして・・・?
みずき 袱子とときます。そのココロは?
松本 そのココロは
みずき 無駄に熱い、
袱子(むっとして)言ってくれるじゃん、よし、そんなら、冬の日のアイスクリームとかけまして
松本 かけまして!
袱子 みずきとときます!そのココロは
松本 そのココロは
袱子 冷たすぎ
   手をあげるキイ子。
キイ子 私は(と手をあげかけ、遠慮がちに)あ、やっぱ、よす
松本 キイ子は、なににかけまして?
キイ子 違う、違う。私が思ったのはねずっちじゃない、
袱子 いいよ、なんでも、言ってみて。
キイ子 ただ、私はアリだと思ったの
袱子 なにが?現在の、茶道部のありかたが?
キイ子 いいや、そういうんじゃなくて、ただ
松本 キイ子、自信持ってハッキリ言いなよ
キイ子(非常に申し訳なさそうに)ただ・・・冬の日のアイスクリームが
袱子 ・・・
みずき ・・・
松本 ・・・
桃 ・・・
キイ子 あ、ごめんね。
袱子 あ、いいんだよ、やっぱりはっきり言ってもらった方が。私も嫌いじゃないよ、冬の日のアイスクリーム。
松本(も、その場を取り繕うように)うん。炬燵に入って、冷たいアイスクリーム、なかなかだよね、
みずき(冷たく)炬燵だったら、蜜柑でしょ
   スマホをいじっていた桃、顔をあげて
桃 何の話してんの?
   その時、部室のドアがノックされる。
   びくっとする五人―普段、部室がノックされることは無いのだ。
野球部キャプテン 失礼します
   ドアを開け、顔をのぞかせる野球部キャプテン。
袱子 あ。茶畑君。
野球部キャプテン お取り込み中、悪いけど、荷物だけ入れさせてもらっていい?
袱子(怪訝そうに)む?荷物?
野球部キャプテン あれ。聞いてない?
袱子 え
野球部キャプテン うちの野球部の部室、荷物が多過ぎてサ、それで交渉したら、茶道部の部室使っていい、って。
袱子 え。全然聞いてないけど。
   部室内を見回し、
野球部キャプテン でも、特に部活の荷物も無いみたいだし、今から運んでいいかな
   固まっている五人。廊下に、野球部員たちが荷物を抱えて立っている気配。
野球部キャプテン(部員たちに)よしっ、運べ!
部員達 オッス
袱子 オッス、って・・・
   呆然としている五人の前で、野球部キャプテン茶畑はどんどん荷物を積んでいく。
   気まずい雰囲気。
松本(気まずさを振り払うように・そこにあるバットを手にとって)仕方ないから、素振りでもしてみる?
   松本の冗談には誰も取り合わない。
松本 そんなら、これで職員室、襲うとか(誰も取り合わないので)・・・わけないか
みずき 私は勉強するために、茶道部に入ったの
袱子 え
みずき そう言えば、さっき理由を言ってなかったから、私
袱子 そうだった、ごめん、
みずき 私はあんまり活動のない部活に入って、勉強時間を確保しようと思った、そして、茶道部の魅力のもう一つが、この部室だったの。荷物が何も無い部屋。勉強をするのにとても良かった(部屋を見回して)でも、それがこのありさま。・・・ね、袱子。
袱子 え
みずき 私たち、考え方も価値観もまるで違うけど、でも、この部室を取り戻すためには、あなたと手を組むわ。ね、みんなもそうでしょ、
   クールなみずきの変わりように驚くメンバー。驚きつつ、頷くメンバー。

みずき で、何から始める?
袱子 先生に確認しよう、部室明け渡しが本当なのかどうか、
みずき それから?
袱子 それからのことは考えてない、
みずき 考えよう、考えないと
松本 なんだか、乗り移ったみたい、袱子がみずきに
みずき 私だって、やる時はやるんだ、さ、考えよう、
   みんな、圧倒されている。
   おずおずと手をあげるキイ子。
キイ子 あの・・・良いかな、
袱子 アイスクリームは冬もおいしい、それは分かったよ、
松本 あ。袱子にみずきが乗り移っている
みずき・袱子(声を揃えて)何それ。
松本 そして、ハモってる!
キイ子 私、発言しても良い?
松本 勿論
キイ子 明日までの宿題にしたら、どうかな
   キイ子の発言に皆、納得の顔。

○キイ子の部屋
   アイスクリームを舐めながら、考えているキイ子。

○桃の部屋
   桃はスマホを見ている。考えているのか?

○松本の部屋
   考えている松本。

○みずきの部屋
   考えているみずき。

○袱子の部屋
   やはり、誰よりも真剣に熱く考えてい   
   る袱子。

○袱子の家
朝食のリビング。
寝不足気味の袱子。夜更かしして、考えたのだろう。
   テレビが報道しているのは、地方の戦
隊モノの話題。
   テレビ内では、リポーターがリポートをしている。
リポーター 今日はニシキガオカ公園に来ています。今日、ここに地域を盛り上げている地域限定ヒーローが集結するのです。
袱子 これだ!これだ!
   不思議そうに、袱子を見る家族。

○茶道部部室
   丸くなって座る袱子、みずき、松本、キイ子、桃。
袱子 さぁ、誰から言う?
松本 実は、私と桃ちゃんは同じ発想だったんだ、言っても良いかな
袱子 良いよ
松本 野球部に挑戦状を叩きつけるの、
みずき 挑戦状?
松本 そう。勝負しようって、私たちが勝ったら、部室の荷物を引きあげろって、
みずき 二人とも、ジャンプの読み過ぎだって、
松本 でも、勝負の内容が違ったの、桃は茶道で勝負、って
袱子 茶道で勝負・・・って
松本 でしょ。私は思い切って野球で勝負、
みずき あんたはずっとそこで、素振りでもしてなさい、
松本(ふくれて)じゃ、みずきは?何なの?
みずき ふふふ。聞いて驚かないでね。茶道戦隊茶レンジャー!
袱子 ええええええ!
みずき そんなに驚かないでよ、こっちが驚いちゃった、
袱子 かぶっちゃった、
みずき(驚いて)え?
袱子 茶道戦隊茶レンジャー
みずき 袱子も?朝のテレビ?
袱子 そう。めざましテレビで。
松本 二人って実は、とても気が合うんじゃ?
みずき いや、そんなこと無いと思うけど。
松本 あ、また、みずきがみずきらしくなった、
みずき 私らしい、ってどういうこと?
松本 でも、ヒーローになって、どうすんの?
みずき 来る文化祭でステージに立つのよ。ステージ上で、ヒーローショーをやるの。
松本 で?
みずき そして、野球部の横暴を訴えるの、私たちに部室を返して下さい、って
袱子(再び驚いて)あ
みずき なに、また、かぶった?
袱子 じゃなくて。それ、とても良いアイデアだと思って
みずき(褒められてどぎまぎして)・・・
松本 キイ子は?
キイ子 私の意見なんか
松本 自信を持って。自信なさそうに言うけど、キイ子、いつも良いこと言うんだから。
キイ子(も褒められてどぎまぎして)・・・じゃ、私のアイデアね・・・茶道部で、奉仕活動をしてみてはどうかしら
袱子 ほ
みずき うし
松本 かつ
   と言って、袱子、みずき、松本は桃を見る。勿論、桃に『どう』と言ってもらいたくて。
桃(それを無視して)良いね、それ
キイ子 本当?
桃 うん、賛成!
みずき 奉仕ってなにを?
キイ子 困ってること、何でも引き受けます、みたいにアピールしてサ、それでそういう活動を学校に見てもらったら、学校も私たちに部室返してくれるんじゃないかな、
袱子 そうね、その活動の宣伝に、茶レンジャーを使えば良いんだよね

○レンジャーっぽい場所
ヒーロー戦隊風の曲。
   いきなり、ポーズをとっている袱子。
N 真っ赤に流れる情熱の紅い血、袱紗レッド!
   ポーズを極めるみずき。
N 透明に近いブルーは、青春の象徴!ウォーターブルー!
   ポーズ極める松本。
N 爽やかな緑の葉は、明るい希望のしるし!抹茶グリーン!
   ポーズ極めるキイ子。
N 黄色の光が未来を照らす!茶筅イエロー!
   ポーズ極める桃。
N 甘いピンクの輝きは、優しさの証!和菓子ピンク!
   五人揃って、ポーズとり直す袱子、みずき、松本、キイ子、桃。
袱子 五人揃って
みずき 茶道戦隊
五人(揃って)チャレンジャー!
   とりあえず、決まる。

○学校・昇降口
昇降口前に、ヒーローの格好をして、踊っている五人。
一般生徒が出てきて、五人をざわざわしながら見て、素通りしていく。ひそひそ話しながら、五人を指差すなどして。
   暫くして、その集団の中に、少年角田がいて、五人の傍に立つ。
角田 あの・・・
袱子 はい。何でしょう?
角田 困ってることを引き受けてくれるんですか?
袱子 はい。私たち茶レンジャーが。
松本 引き受けます。
みずき 困りごと、なんですか?
角田 ノート、なくしちゃったんですけど
袱子 ノート?
角田 ノートじゃだめですか?
袱子 ノーと言わない、茶レンジャー
みずき 引き受けますよ、どこで無くしたんですか?
角田 はっきり覚えてないけど、教室のロッカーに入れておいた記憶があるんですけど。
袱子 大事なノートなんだね
角田 はい、とても
みずき よし。じゃあ、任せてね。茶レンジャーの仕事だよ。
   手をさっと出し、のせろというしぐさをするみずき。
   それに乗らず、別な場所に手を置く袱子。
   松本、やれやれという顔で、袱子の手をみずきの上に乗せ、そこに自分の手も乗せる。キイ子も、おずおずと手を乗せる。四人は、桃を見る。桃は、そういうのは苦手なようであるが、実に面倒くさそうに、手を乗せる。
キイ子 桃ちゃんは乗せないと思った、
角田もなんか雰囲気に流されて、乗せる。
え?という顔で角田を見る五人。
   そして、曲が掛かる。

○校舎のあちこち
   音楽に乗って、あちこちでノート探しをする五人。
みずき ところで、どんなノート探せばいいの?
袱子 え
みずき その表紙とか特徴とか
袱子 あ
   固まる五人。
松本 もう一度あの子に聞こう
キイ子 あの子、って名前・・・
袱子 あ
松本 クラスとか・・・
   ますます凍りつく空気。
袱子 あの子を探そう、

   曲高まる。
校舎のあちこちで、角田を探している
五人。

みずき ね。五人で同じとこ見ることないよね、手分けして探そう、
松本 さすが、みずき。ブルーっぽいこと言うね、
みずき ブルーっぽい、って

   ばらばらになって、学校のあちこちへ散らばっていく五人。

○同
   再び集合している五人。
松本 一年生の教室、全部回ったわ。
キイ子 え、松本さんも
袱子 私たちも、みんな一年生を回っちゃった、
松本 なんか、ブルーになってきたね、あ、このブルーはブルーじゃないからね

   そこへ、教師が通りかかる。

○同
その先生の周囲に集まる五人。事情を説明したらしい。

袱子 ・・・というわけで、その子を見つけ出すことに、茶(レンジャーと言いかけて)、茶道部の運命が掛かってる、
先生 なんだか、大袈裟ね、
袱子 とにかく、お願いします、
先生 仕方ないわね

○同
   先生、手に写真帳を持って戻ってくる。
   五人に対し、その写真帳を開いて見せる先生。
   ぱらぱらとめくる五人。
みずき この子です、この子。
先生 角田タカシ君ね
袱子 角田君
先生 探してもいないわけね、角田君はちょっと今、学校を休んでる、
袱子 休んでいる?
先生 あなたたち、何か変なこと、言ったんじゃない?
   顔を見合わせる五人。
   先生が立ち去る。
みずき でも、どんなノートかは分からないままね、
袱子 とにかく、探しましょう

   また、音楽が高まる。

○同
   校舎のあちこちに行って、それぞれノ
ートを探す五人。

松本 こんなの意味があるのかな?
桃(きっぱりと)ある
   ある、と開きかけた袱子、みずき、意外なことに桃が答えたので吃驚。
桃 あるわ。誰かが困ってる時に、その人を助けることができるなら、それはとても意味があることだし、私はそういうことができる人になりたい、
   桃の力強い言葉に聴きほれる四人。思
わず、拍手。
松本 なんか、桃にまで袱子がうつったみたい
袱子 私ってなんなの?
松本 でも、ありがとう。素敵な言葉を。私、自分が恥ずかしくなった
   また、力を入れて探し出す五人。

○同
   そんなところにはないだろうという廊下のロッカーの隙間を見ている松本。
松本(喜びの声)あった!

○同
   叫びながら、手にノートを持って駆けてくる松本。
   そこに四人がいる。
松本 これだよね、ロッカーの、裏に挟まってた、きっと、これだよね!
   ノートを手にした松本を取り囲んで、歓喜の輪。涙ぐんだりもする。
松本 やだぁ、泣いてるじゃない、袱子も
袱子 松本だって!
   感動的な音楽。

○茶道部部室
   五人が、部室に正座している。
   そこへノック。
袱子(上ずった声で)はい!
   角田が入ってくる。
   感動的な音楽の中で角田が五人のもとへ歩み寄る。
   松本が発見者として、ノートを角田に手渡す。
   音楽がぶつっと切れる。
角田 ・・・違うんですけど
袱子 ・・・
みずき ・・・
松本 ・・・
キイ子 ・・・
桃 ・・・
   泣きだす角田。
袱子 そんなに大事だったんだね、そのノート・・・ごめんね、見つけられずに
角田 違うんです、僕、とても嬉しかったんです
袱子 嬉しい?
角田 中学の時、いじめられてたんです・・・その時も、いろんなものを隠されて、捨てられて・・・ノートだけじゃありません、いろんなものを・・・そこでは誰も、助けてくれませんでした、必死に無くし物を探している僕を皆、冷たい目で見て、通り過ぎて行った・・・だから、この学校に入っても怖かった・・・また、いじめられるんじゃないかって。昨日、僕のノートのためにノートを探してくれている皆さんの姿を見て、僕は嬉しくて、嬉しくて・・・この学校に入って良かった、って思いました。皆さんみたいに優しい人がいる学校に入って良かった・・・今も、嬉しくて・・・泣いているんです
   ノック。そして、野球部キャプテンが入ってくる。
野球部キャプテン 取り込み中、悪いな
みずき 今はちょっと
野球部キャプテン すぐすむよ。実は、ほら、茶道部がノート探してる、って聞いてさ、うちのクラスに正体不明のノートが一冊
   と、手に持っていたノートを袱子に差し出す野球部キャプテン。
   後は皆、言葉の無いまま、顔で。
   袱子、ノートを受け取り、角田に示す。角田も無言で頷く。角田のノートであった。
   五人も目をうるうるさせながら、野球部キャプテンを見る。
野球部キャプテン なんだ、これは・・・

○レンジャーっぽい場所
ヒーロー戦隊風の曲。
   いきなり、ポーズをとっている袱子。
N 真っ赤に流れる情熱の紅い血、袱紗レッド!
   ポーズを極めるみずき。
N 透明に近いブルーは、青春の象徴!ウォーターブルー!
   ポーズ極める松本。
N 爽やかな緑の葉は、明るい希望のしるし!抹茶グリーン!
   ポーズ極めるキイ子。
N 黄色の光が未来を照らす!茶筅イエロー!
   ポーズ極める桃。
N 甘いピンクの輝きは、優しさの証!和菓子ピンク!
   五人揃って、ポーズとり直す袱子、みずき、松本、キイ子、桃。
袱子 五人揃って



みずき 茶道戦隊
五人(揃って)チャレンジャー!
   とりあえず、決まる。
角田もぎこちないが、ポーズを。
N 特にキャッチフレーズはまだ決まってないが、色は白かな。・・・なんとかホワイト!
   五人の近くに、角田も極まって
  音楽高まって、
            ―了

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