今日から我が家は騒がしい 第2話「うちの子供達は、時々、私の想像を越える」 ドラマ

隣人・真澄に強引に飲まされた京太郎は、翌朝、彼と手を握り合い、お揃いの「寝違え」姿で目を覚ます。最悪の出会いから一転、奇妙な連帯感が芽生え始める二人 。そんな中、真澄が実は京太郎も愛読する小説家・蒼木優であるという驚愕の事実が判明 。一方、森川家の子どもたちも独自の興味で真澄に接近し始め、静かだった父子の日常に、かつてない「騒がしくも温かい風」が吹き込み始める
あゆむ。 10 0 0 01/17
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第一稿

〇登場人物

〇森川京太郎
〇佐田真澄
〇森川渉
〇森川さくら
〇望月颯
〇タカコ
〇ツバサママ
〇森川京子

〇マンション・佐田家・真澄の部屋・中(夜)
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〇登場人物

〇森川京太郎
〇佐田真澄
〇森川渉
〇森川さくら
〇望月颯
〇タカコ
〇ツバサママ
〇森川京子

〇マンション・佐田家・真澄の部屋・中(夜)
   キングサイズベッドを動かそうとしている京太郎と真澄だが一向に動かない。
   肩で息をしている京太郎。
   インターフォンが鳴り

〇同・同・玄関・中(夜)
   真澄がドアを開けると親友のタカコとツバサがお土産を持って来ている。
タカコ「はぁい真澄!引っ越し祝いに来たわよ」
ツバサ「新居、どんな感じなのよ」
真澄「二人共来てくれたのか」
タカコ「そうよ!ちょっと遅くなったけど」
   ツバサとタカコが京太郎を見る。
京太郎「え?何?(真澄に)誰なんですか?」
真澄「俺の親友。ゲイのタカコとゲイバーのママのツバサ」
京太郎「え…」
タカコ「何よ真澄引っ越し初日からもう男連れこんでるの?」
ツバサ「ほんと手が早いです事」
   笑っているタカコとツバサ。
京太郎「(真澄に)ちょっとどういう事なんですか」
真澄「あ、言ってなかったけど俺もこいつらと一緒でゲイだよ」
京太郎「はぁ?」
   何が何だか分からなくなる京太郎。
タカコ「そうよ〜アタシ達はゲイなの。もしかして貴方も?」
京太郎「違いますよ!」
ツバサ「真澄の男かと思っちゃったけど違うのー?」
京太郎「違いますって!ただの隣人です!ゲイでもありません!」
真澄「さぁ、上がって!あ、丁度良かった!二人にお願いしたい事が」

〇同・同・リビング(夜)
   キングサイズベッドを動かし終わり、真澄、タカコ、ツバサ、京太郎がタカコとツバサが  
   持ってきたピザとお酒を飲んでいる。
タカコ「何だ、お隣さんだったの?」
京太郎「え、えぇまぁ…」
ツバサ「どうしたの?お酒あんまり飲んでないね?飲めない方?」
真澄「そうだよ。折角だから飲もうよ。手伝ってくれたお礼だ」
ツバサ「お礼って、これアタシ達が持ってきたんでしょ」
真澄「そうだったわ」
   爆笑する、真澄、タカコ、ツバサ。
   何なんだこいつらみたいな顔をして見ている京太郎。
京太郎「あの、明日もあるので私はそろそろ」
   立ち上がろうとした京太郎を真澄が物凄い力で腕を引っ張り座らせる。
京太郎「痛ってぇ…イテェです…」
真澄「京太郎。たまにはいいじゃん!何かさあ、お前見てるとずーっと真面目に過ごしてきたん
 だろうなって顔してんのよ」
タカコ「あー分かるぅ」
   笑っているツバサ。
京太郎「悪かったですね。いつも真面目顔って言われてきましたよ」
真澄「だろ?だから、たまには、ハメ外す事も大事なんだよ。だから飲め!」
ツバサ「これ、店で作って持ってきたの、飲んでみて。その名も時限爆弾」
京太郎「(驚き)時、時限爆弾?」
ツバサ「ウォッカとジン混ぜたやつ。美味しいよ」
   ショットグラスに注ぐツバサ。
ツバサ「(京太郎に渡して)はい」
京太郎「(受け取りながら)い、いや…そんな強いお酒飲めないですって」
真澄「もうこれだから真面目だけの男ってつまんないんだよ」
京太郎「つまんないとは何ですか!飲みますよ!飲んだらいいんでしょう!」
   勢いよく飲む京太郎。
   暗転。
   × × ×(時間経過・早朝)
   床でくっつくように眠っている京太郎と真澄。
   京太郎が目を覚まし、ゆっくり起き上がる。
京太郎「イテテ…首が…」
   テーブルにお先~とタカコとツバサのメモ書きを見つけ溜息をつく京太郎。
   壁にかけてある時計を見ると朝五時を指している。
京太郎「何で、もうこんな時間…首痛いし、あぁ寒っ!」
   隣を見ると真澄が気持ちよさそうに眠っていて視線を下に移すと真澄の手を握っている京
   太郎。
京太郎「!」
   勢いよく手を離す京太郎。
真澄「イッてぇ!(目を覚まし)もう何?」
京太郎「何ってこっちが言いたいですよ。どうなってるんですか」
真澄「知らないよ。あぁもう頭イテェなぁ」
京太郎「そっちは、頭だけでいいですよ。こっちは頭も首も」
真澄「え?」
京太郎「何でもないです」
   ゆっくり立ち上がり、首を傾けたまま部屋を出て行く京太郎。

〇同・森川家・中・ダイニングキッチン(朝)
   げっそりした顔で首を片方に傾けたまま朝食を作っている京太郎。
   渉とさくらが起きて来る。
京太郎「二人共おはよう」
渉「おはよう」
さくら「おはようございます」
渉「お父さん?」
   渉が京太郎と同じように首を傾ける。
京太郎「何?」
さくら「どうかしたのですか?」
京太郎「どうもしてないよ」
   首が傾いてるせいで上手くコーヒーを淹れられず零してしまう京太郎。
京太郎「あぁ!もう!」
   さくらが来てコーヒーを淹れる、
京太郎「あ、あぁ…ありがとう」
さくら「お隣さんとこで泊ったのですか?」
京太郎「え?」
さくら「お兄ちゃんから聞きました。どんな人なのですか?」
京太郎「どんな人って」
渉「ちょっと、怖そうな感じがしたけど」
さくら「怖い…」
京太郎「怖いって…怖くはないけど…何て言うか…強引な人。あと…ゲイだって」
   渉が反応して、コーヒーを吹き出し、さくらはスプーンで掬ってたヨーグルトを落とす。
京太郎「えっ」
渉「だ、大丈夫大丈夫」
   布巾で零れたコーヒーを拭く渉。
さくら「私も大丈夫です」
京太郎「え?な、何が大丈夫なの?え…」
   首を傾げる京太郎だが、痛くて顔を歪ませる。

〇同・佐田家・リビング(朝)
   まだ床で眠っている真澄。
   忍び寄る足音。
   足音に気付き思い切り起き上がる真澄。
真澄「誰だ!」
斗馬「僕ですよ」
真澄「あ?なぁんだ」
   また寝ようとする真澄の腕を掴んむ北斗。
真澄「(首がグキッと音がして)イッテェ!」
斗馬「サッサと顔洗って来て下さい。次回作のテーマ決めますよー」
真澄「テーマも何も、俺はもう書かないんだよ。書く事辞めたんだよ」
斗馬「(流すように)はいはい・分かりましたから顔洗って来て下さい。ってかこの部屋寒くない
 ですか?風邪ひかないで下さいね」
真澄「俺二十歳超えて風邪ひいた事無いから大丈夫。でも寒いな。暖房付けといて」
   × × ×(時間経過)
   顔を洗い終え首が傾いた真澄が来る。
斗馬「あら?首どうしたんですか?」
真澄「どうしたって、お前のせいだろ」
斗馬「あーさーせん」
真澄「コーヒー」
斗馬「え?」
真澄「コーヒー飲みたい。前良く作ってくれてたじゃん」
斗馬「あぁ…いいですけど、コーヒーメーカーはどこですか?」
真澄「あっ、あぁ…あれ捨てた」
斗馬「捨てた?じゃあ作れないじゃないですか。僕あれがないと作れないんです」
真澄「ってかメーカーが全部やってくれて注いでくれだけだったな」
斗馬「あの淹れて、渡す間にちょっと一手間入れるんですよ」
真澄「そうなのか?」
斗馬「はい。でも教えませんけど」
真澄「(笑って)なんだそれ?ねぇコーヒー。コーヒー飲みたい」
斗馬「あぁ、じゃあ買ってきますよ」
真澄「缶コーヒー嫌」
斗馬「もう…あっ!!!」
真澄「何だよ」
斗馬「じゃ、あそこ行きましょ」
真澄「どこ?」
斗馬「僕が真澄さん捕まえたとこです。あの喫茶店」
真澄「えぇ…」
斗馬「喫茶店だからコーヒーあるでしょ。さっ行きましょう!」
真澄「えぇ…」

〇喫茶店「Rin」・中
   首を傾けたまま、コーヒーを淹れる準備をしている京太郎。
客A「京さん、首どうしたの?」
京太郎「あ、ちょっと寝違えちゃって」
客A「あらら、こんなに傾いて痛そう」
京太郎「ハハハ。だ、大丈夫ですよこれくらい。はい、お待たせしました」
客A「どうもありがとう、頂きます」
京太郎「ごゆっくり」
   真澄と斗馬が入って来る。
京太郎「いらっしゃいませ(真澄を見て)あっ」
真澄「何?客ですけど」
京太郎「いらっしゃいませ」
   首が傾ている真澄を見る京太郎。
京太郎「えっ、あの首…」
真澄「(斗馬を指し)こいつのせい」
斗馬「あっ何でこちらのマスターも首曲がってるんですか?」
真澄「さぁな」
京太郎「知ってるくせに」
斗馬「え?」
真澄「(咳払い)ホットコーヒー二つ」
   真澄と京太郎を交互に見て笑っている斗馬。
   良く分からない京太郎が首を傾げようとするが痛い。
   京子が来る。
京子「京太郎―おはようーお昼ご飯お願いー」
   京子を見てうんざりする京太郎。
京太郎「お昼くらい自分で作ってよ」
   首を傾けてる京太郎を見る京子。
京子「あれ?あんたどしたの?(笑っている)」
京太郎「寝違えたの」
   斗馬が京子を見ている。
真澄「おい、どした?」
斗馬「あの女の人ここのマスターの奥さんとかですか?」
真澄「いや、良く分からんけどお姉さんみたいだぞ」
斗馬「へぇ」
真澄「あの人に向かって、バカ姉とか言ってたから」
斗馬「へぇ」
   タイプで京子をずっと見ている斗馬。
真澄「おい、熟女好き」
斗馬「ちょっと!」
   京子が斗馬の視線に気付く。
京子「?」
斗馬「あ、どうも…」
京子「あれ?確か京太郎のお隣さん?」
真澄「どうも。改めまして隣に越してきた佐田真澄と申します宜しくお願いします」
京子「こちらこそ。私、京太郎の姉の京子です。また来てくれたんですね。どうもありがとうご  
 ざいます」
   京子が真澄と斗馬の所へ行く。
真澄「いえいえ。ちょっとコーヒーでも飲もうかってなってここに来ました」
京太郎「何だよ。俺の時と態度全然違うじゃんか」
京子「そうなんですね。それでこちらは」
斗馬「僕は本の編集者の桂川斗馬と申します」
京子「編集?」
斗馬「佐田さんは小説家なんですよ。それで僕が佐田さんの担当の編集者なんです」
   小説家に反応する京太郎。
真澄「おい、俺はもう(小説家じゃない)」
斗馬「いいじゃないですか。取り合えずこのままで」
京子「へぇ、凄い。私初めて会いました。小説家の人なんて」
斗馬「それで今から次回作の打ち合わせをって事で」
京子「どんな本書かれてるんですか?」
真澄「あぁ、ちょっと前ですけど『あの空の向こうへ』っていうファンタジー作品なんですけ
 ど」
   本のタイトルに反応する京太郎。
真澄「あと『あの夏はまだ始まったばかりだ』っていう青春小説とか」
   更に反応する京太郎。
京子「へぇ、ごめんなさい。普段私本読まないから分からないんだけど。弟はよく本読んでるん
 ですよ。京太郎知ってる?」
京太郎「い、いや知らないなぁ…」
   荷物置きの棚に真澄が書いた本のタイトルが置いてある。
京太郎「…」
京子「今度読んでみないといけないわね」
真澄「あっその時は佐田真澄ではなく。本書いてる時はペンネームで蒼木優という名前を使って
 ますのでそれで調べてみて下さい」
   荷物置きの棚を見る京太郎。
   本の作者に蒼木優と書いてある。
   驚き首を痛め叫ぶ京太郎。
   真澄が京太郎を見る。
   真澄と目が合い視線を逸らす京太郎。
   首を傾げる真澄、痛くて顔を歪ませる。
   京子のスマホの着信音。
京子「あ、彼からだ!」
斗馬「え?彼?」
京子「そう。出会い系アプリで、今私の事気に入ってくれる方が居てね」
京太郎「ちょっと姉貴」
京子「何よ。いいじゃない。本当の話なんだから。ずっとメールは続けてたんですけど、やっと
 今度会う事が出来そうなんです。海外から帰って来るみたいで」
京太郎「海外?外人と付き合ってんの?」
京子「アメリカの人。ジョージクルーニーもびっくりのイケメン」
   京子が相手の男の写真を皆に見せびらかせる。
京子「アメリカの投資家で超セレブなの。そんな彼が私に目をつけてくれたなんて。このチャン
 ス絶対に逃すわけにいかないから。それじゃ」
   立ち上がり店を出て行く京子。
真澄「お宅のお姉さん大丈夫なの?」
京太郎「弟ですけど、良く分かりません…」
   斗馬が、がっかりして溜息を付いている。
真澄「短い恋だったな」
斗馬「あぁあ…」

〇✕✕高校・三年一組・中
   帰りのチャイムが鳴り生徒達が帰り支度をしている。
   颯が他の生徒と楽しそうに話している。
   その様子をチラチラと見ている渉。
   渉は鞄の紐を握り直し、目を伏せる。
   話を終え渉の所へ来る颯。
渉「今日も一日終わったなあ」
颯「あぁ」
渉「じゃあ、俺達も帰ろ」
颯「渉。悪りぃ」
渉「ん?」
颯「今日、俺ちょっと」
渉「ちょっとって?」
颯「今日さぁ隣のクラスの女の子と帰る約束したんだ」
渉「へっ?」
颯「ちょっと、良い感じになってるからさあ。もしかしたら付き合えるかもしんないし」
渉「そうなんだ…」
颯「なぁ、渉も早く彼女作ろうぜ。一緒にダブルデートとかもしてみたいじゃん」
渉「あ、あぁそうだね」
颯「じゃ、俺行くわ」
渉「おぅ、また明日な」
颯「おぅ!」

〇同・校門。前(夕)
   颯が隣のクラスの女子と楽しそうに話しながら帰っている。
   離れて渉が出て来て二人の後姿を見ている。
渉「…」
   颯達とは逆方向で歩き出す渉。

〇沼袋駅・前(夕)
   学校帰りのさくら。
   渉の後姿を見つけ走っていく。
さくら「お兄ちゃん」
渉「おぉ、さくら。今帰り?」
さくら「お兄ちゃんも?」
渉「あぁ」
さくら「お兄ちゃん、何かありました?」
渉「え?何急に」
さくら「いえ、ちょっと…」
渉「いや…何にもないよ」
さくら「そうですか。それならいいんです」
   フッと笑う渉、
渉「腹減ったから、早く家帰ろ」
さくら「はい。あのお兄ちゃん」
渉「ん?」
さくら「前に、引っ越して来たお隣さん。気になりません?」
渉「あぁ…」
さくら「お兄ちゃんは、どんな人か見たでしょ?私はまだ会った事無いから、ちょっと会ってみ
 たいです」
渉「そうか?怖そうな人だったぞ」
さくら「お父さんが言ってた事が本当なら、会ってみたいのです!」
   良く分からず首を傾げる渉。

〇マンション・森川家・ダイニングキッチ(夜)
   風呂上がりの京太郎。
京太郎「あぁ、今日も一日疲れた…でも首は治ったし良かった…」
   顔を上げると、桜と渉が立っていて驚く京太郎。
京太郎「あーもう、ビックリした!また首痛めるとこだっただろ」
さくら「何か一人でブツブツ言ってたので」
渉「最近独り言多くない?」
京太郎「え?そうか?」
渉「分かんないけど…」
京太郎「分かんないなら言うなよ」
さくら「あの。これからちょっとコンビニ行ってきます」
京太郎「え?こんな時間に?何買いに行くの?」
さくら「ちょっと、文房具を」
京太郎「明日でいいんじゃないか?」
さくら「今、使いたいので。お兄ちゃんに付いて行ってもらうのでご心配なく」
京太郎「あぁ…。じゃあ気を付けて行って来いよ」
さくら「はい!じゃあお兄ちゃん」
渉「あぁ」
   さくらの様子に首を傾げる京太郎。
京太郎「イテッ(まだ少し痛い)」

〇同・佐田家・前(夜)
   さくらと渉が真澄の家の前で立っている。
渉「さくら、本当にやるのかよ」
さくら「やります」
   と、言いながら緊張しているさくら。
渉「怒られるぞ。怖そうな人だったんだから」
さくら「…」
   意を決して、ドアをノックしようとするさくら。
   二人の背後に男の影。
男の声「何やってんの人ん家の前で」
   振り返る渉とさくら。
   コンビニで買物した帰りの真澄が袋を持って立っている。
さくら「あ…」
渉「す、すみません」
   頭を下げる渉。
渉「さくら、お前も頭を下げろ」
真澄「あ、君。隣の」
渉「は、はい。ほんとすみません」
真澄「いや、何かあったの?」
渉「あ、こいつ妹のさくらって言うんですけど、引っ越してきたお隣さんがどんな人なのかなっ
 て」
真澄「ハハ。イケメンが引っ越して来たと思った?この通りおじさんで残念でした」
さくら「おじさんだろうが、イケメンだろうが実際の所どうでも良くて」
真澄「へ?」
さくら「あの…」
   京太郎が家から出て来る。
京太郎「あいつら、遅いな…」
   横を見ると、真澄、渉、さくらが居る事に驚く京太郎。
京太郎「な、何やってんですか?」
真澄「な、何って…」
   渉とさくらの前に立つ京太郎。
京太郎「うちの子供達に、何をしようとしてたんですか?」
さくら「お父さん…」
真澄「はぁ?お父さん?どこに居るの?」
京太郎「ここですよ!私がこの子達の父親ですよ!」
渉「ちょ、お父さん」
京太郎「大丈夫、もう父さんが出てきたから」
   京太郎を鼻で笑う真澄。
さくら「あの、違うんです…」
京太郎「いいから、さくらは黙ってなさい」
真澄「声をかけてきたのは、お宅のお子さん達ですけど?」
京太郎「え…」

〇同・森川家・ダイニングキッチン(夜)
   京太郎、渉、さくら、真澄がテーブルを囲んでいる。
京太郎「本当に申し訳ありませんでした」
   頭をテーブルまで下げて謝る京太郎。
真澄「(笑って)いや、もういいよ。(渉とさくらに)ゲイで小説家を書いているおじさん。これ
 で大丈夫」
渉「は、はい…」
さくら「はい」
真澄「しかし何で俺なんかに興味を持ったの?」
渉「いや、ゲイってジャンルの人に会うの初めてなんで、どんな人かと…」
さくら「私も同じくです」
京太郎「おい、お前達…もう本当にすみません」
真澄「(笑って)女装して、女言葉使ってるやつかと思った?」
渉「いや、そこまでは…」
真澄「まぁゲイにも色々いるもんな。こんな人間も居れば、女装してるやつ、こんな人ゲイじゃ
 ないだろって(渉を見て)思った奴が実はゲイだったり」
   真澄に見透かされた気がして焦る渉。
真澄「俺は、別に隠してないけど、かといって自分からべらべら話すわけでもない。二人が聞い
 てきたから答えただけ。だから京太郎は謝らなくてもいい」
京太郎「きょ、京太郎って」
真澄「え?名前京太郎でしょ?違うの?」
京太郎「京太郎ですよ」
真澄「じゃあいいじゃん。(渉とさくらに)ほんとお前達のお父さんってまどろっこしいっていう
 かめんどくさいって言うか」
京太郎「ちょっと!そこまでいう事無いでしょう!」
さくら「まぁ、あながち間違いではない」
京太郎「さくら!」
さくら「すみません…」
真澄「自分で思い当たる節があるからそうやって怒るんだよなあ」
   憮然とする京太郎。
真澄「じゃ、俺がどういう人か分かったと思うから、俺はこの辺で」
さくら「も、もう帰られるのですか?」
真澄「あぁ。何?まだ聞きたい事とかあるの?」
さくら「いえ…」
真澄「まぁ、いいじゃんあ隣同士なんだし、何かあったらいつでも来なよ。大体家で原稿書いて
 るから」
さくら「はい、ではこの楽しみの続きはまた次回に」
京太郎「楽しみ?さくら、何言ってるんだ」
真澄「(笑って)ほんと、二人とも面白いな。俺は気に入ったぞ」
さくら「ありがとうございます」
渉「あ、ありがとう」
真澄「おぅ、じゃあまたな」

〇同・同・玄関・中(夜)
   京太郎と真澄。
京太郎「何か色々すみませんでした」
真澄「別にいいよ。何かさあ俺」
京太郎「はい?」
真澄「子供作らないって言うか作れないじゃん?ゲイだから」
京太郎「はぁ」
真澄「俺が、普通に女性が好きで結婚してたら、あの二人位の子供が居てもおかしくないんだな
 って」
京太郎「…」
真澄「隣に越してきて、良かったかもって思った」
京太郎「え…」
真澄「まっ、一人神経質で、まどろこしいおじさんが居るのは問題だけどな」
京太郎「あ、そう来ますか?そう言いますか?貴方だってね強引で横暴で口が悪く
 て偏屈なおじさんじゃないですか」
   玄関で言い合っている京太郎と真澄を
   リビングから見ている渉とさくら。
さくら「どうやら、お隣さん。大当たりな気がします」
渉「大当たりって(笑う)でも、きっといい人なんだろうな」
   まだ言い合いをしている京太郎と真澄。
真澄「あぁもう、うっせぇなあ。疲れたから帰る」
京太郎「こっちも疲れましたよ!はい!お帰り下さい!」
真澄「渉、さくらー!またなー!」
渉・さくらの声「はーい!」
真澄「はい!それではお邪魔しました!おやすみなさい!」
京太郎「はい!おやすみなさい!」
   帰って行く真澄。
京太郎「あぁ、もう疲れる!」
   その場に座り込み溜息を付く京太郎。

〇同・廊下(夜)
   京太郎の家から出てきた真澄。
真澄「面白い家族だなあ」
   振り返って京太郎の家の玄関を見る真澄。
   フッと笑って、自分の家に入っていく真澄。

   続。

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