信に背けば、望みは叶う 恋愛

過去の想いを引きずりながらも幸せに暮らす男は、かつて愛した女性と再会し、心をかき乱される。
山岸遼 24 0 0 04/03
本棚のご利用には ログイン が必要です。

第一稿

   人物
魔塔優馬(27) 会社員
三枝有咲(27) 優馬の元恋人
魔塔夏芽(27) 優馬の妻


〇回想/観覧車・外観(夜)
   ライトアップされた観覧車。
...続きを読む
この脚本を購入・交渉したいなら
buyするには会員登録・ログインが必要です。
※ ライターにメールを送ります。
※ buyしても購入確定ではありません。
 

   人物
魔塔優馬(27) 会社員
三枝有咲(27) 優馬の元恋人
魔塔夏芽(27) 優馬の妻


〇回想/観覧車・外観(夜)
   ライトアップされた観覧車。

〇回想/同・中(夜)
   三枝有咲(22)、窓に手をつき、外の景色を眺めている。その瞳にはネオンが反射している。
   対面の席には、魔塔優馬(22)、有咲を見つめている。
有咲「観覧車ってほんといい!」
優馬「いつも言ってる」
有咲「いつも思ってる」
優馬「タワマンとか、スカイツリーと何が違うわけ?」
有咲「味気ないこと言うなあ」
優馬「高いところから景色を見るって意味では全部一緒」
有咲「観覧車は止まらないの。次の瞬間には別の景色になってる。スカイツリーの展望台とはわけが違う」
優馬「誤差でしょ」
有咲「また。怒るよ(と、起こり顔をする)」
   優馬、思わず笑う。
   有咲も恥ずかしくなって笑う。
   笑い合う2人。
   有咲、優馬の隣に移動する。
有咲「ねえ」
優馬「ん?」
有咲「また来ようね」
優馬「もちろん」
   と、有咲の手を握る。
   有咲も優馬の手をぎゅっと握る。
   見つめ合う優馬と有咲。
   優馬、有咲にキスしようとすると、
   有咲、それを手で制止する。
優馬「いて」
有咲「ここではダメ。そういうことする場所じゃないから。ほら見て、景色!」
優馬「わかったよ」
   優馬、仕方なく景色に目を移す。

〇遊園地・観覧車・中(夕)
   窓の外には、様々なアトラクションが見渡せる。
   優馬(27)、徐に窓に左手をつく。その薬指には指輪、夕日に照らされ輝いている。
   魔塔夏芽(27)、優馬の隣に座る。身体を優馬に預ける。
優馬「大丈夫?」
夏芽「……ちょっと疲れた」
   と、優馬の手を握る。薬指の指輪が光る。
優馬「色々乗ったしね」
夏芽「1周何分だっけ?」
優馬「22分」
夏芽「詳しいね」
優馬「何度も乗ってるから」
夏芽「もう頂上?」
優馬「まだ3分の1」
夏芽「ちょっと寝ようかな」
優馬「反対側に行ったら起こすよ」
夏芽「ありがとう」
   夏芽、目を閉じる。
優馬「……」
   優馬、夏芽を見て、微笑む。窓外に目を移す。

〇マンション・外観(夜)

〇同・魔塔家・寝室(夜)
   ダブルサイズのベッド。夏芽が眠っている。
   優馬、夏芽に布団をかける。夏芽の頭を撫でる。
優馬「おやすみ」
   優馬、部屋を出る。

〇同・同・リビング(夜)
   優馬、入る。
   棚には写真が飾られている。優馬と夏芽のツーショット。
   真ん中には、結婚式の写真。
   優馬、冷蔵庫から水を取り出す。飲む。
   テーブルに置かれたスマホ、バイブ通知。
優馬「?」
   優馬、スマホを手に取る。画面を見て驚く。

〇道
   人で溢れている。
   その流れに逆らうようにして、優馬、走っている。

〇カフェ・店内
   窓際の席、有咲(27)、コーヒーを飲んでいる。手元に置かれたスマホをタップする。
   画面、優馬とのやりとり。有咲からのメッセージ「急に連絡してごめん。会えないかな?」。
   窓の外、優馬が通り過ぎる。

〇同・入口・外
   優馬、やって来る。扉に手を掛ける。ふと、手を止める。
   左手の薬指にはめた指輪。
優馬「……」
   優馬、指輪を外す。ポケットにしまって、中に入る。

〇同・店内
   優馬、入る。あたりを見渡す。
   有咲、振り返ると、優馬と目が合う。
   優馬、片手を挙げる。
   有咲、小さく頷く。
   ×   ×   ×
   湯気の立つコーヒー。
   斜向かいにかける優馬と有咲。
有咲「飲んでね」
優馬「ああ」
有咲「……番号、変わってなかったんだ」
優馬「ああ、うん」
有咲「LINEはいなくなってたから、一瞬どうしようか困っちゃった。電話番号交換しておいてよかったよ」
優馬「スマホ変えたらログインできなくなっちゃって」
有咲「そうだったんだ」
優馬「うん」
有咲「ごめん!」
優馬「?」
有咲「昔のこと、まだ怒ってるよね」

〇フラッシュ/アパート・優馬の部屋
   床に散らばった写真、有咲と男がホテルから出てくるところを捉えたものや、抱き合う瞬間を捉えたもの。
   優馬、有咲を責め立てている。

〇カフェ・店内
   優馬、コーヒーを手に取る。飲もうとするがやめて、
優馬「……怒ってない」
   有咲、驚いて、
有咲「ほんと?」
優馬「……それで、急に連絡してきた理由はなに?」
有咲「ああ、うん」
優馬「結婚、したとか?」
有咲「その逆。別れた」
優馬「あの男と?」
有咲「そう」
優馬「5年も付き合ってたんだ」
有咲「正確には2年付き合って、3年結婚してた」
優馬「そうなの?」
有咲「うん」
優馬「そっか」
有咲「不倫。夫が不倫して、離婚したの」
優馬「……」
有咲「それで、私が犯した罪の重さに気づいた。あのとき、優馬の信頼に背くようなことをしたこと、ちゃんと謝りたくて」
優馬「……(ぎゅっと拳を握る)」
有咲「ほんとにごめんなさい」
優馬「……」
有咲「謝っても許されないことはわかってるし、勝手だけど、言いたくて」
優馬「ずっと好きだった」
有咲「…‥うん」
優馬「有咲しかいないって思ってた」
有咲「過去形、だよね……」
優馬「え?」
有咲「ああ、ごめん、気にしないで」
   優馬、左手の薬指を触る。

〇マンション・魔塔家・リビング
   夏芽、料理をしている。エプロンに入れたスマホ、バイブ通知。
   夏芽、スマホを確認する。
   画面、優馬からのメッセージ、「ごめん、今日遅くなる」。

〇道(夕)
   人の流れに沿って、横並びで歩く優馬と有咲。
有咲「ねえ、今恋人とかいるの?」
優馬「え?」
有咲「もしかして結婚してた?」
優馬「……」
有咲「あ、ごめん。無神経だよね、こんなこと訊くの」
優馬「……いない」
有咲「ほんと?」
   優馬、左手の薬指に触れる。
優馬「……忘れられなかったから。観覧車の約束。……もう少し一緒にいたい」
   優馬、左手の薬指から手を離す。

この脚本を購入・交渉したいなら
buyするには会員登録・ログインが必要です。
※ ライターにメールを送ります。
※ buyしても購入確定ではありません。
本棚のご利用には ログイン が必要です。

コメント

  • まだコメントが投稿されていません。
コメントを投稿するには会員登録・ログインが必要です。