〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・三柴雄太
・松本一樹
・古川紘
・長谷川なつき
・涼風アキラ
・聖川琉華
・中島英二(33)千秋の元彼氏
・竹野内亮
・乾椿
・ツバサ
〇『ブルースカイ』・中(夜)
千秋とツバサ。
ツバサ「ひゃー!本当に付き合ってるんだ!よくもまぁ、ノンケを
落としたわね!私ですらやり遂げた事無いのに!!」
千秋「しかも宗ちゃんから告って来たんだけど」
ツバサ「何!何なのよそれは!!!何でそんな展開になってんのよ!!!」
千秋「…」
ツバサ「でもさ、折角付き 合う事になったのに、何で元気ないの?」
千秋「うん…折角付き合う事が出来たんだからさ手をね…繋ごうと
思ったんだ」
ツバサ「まっ!」
千秋「そしたら、思い切り跳ねのけられて、拒否されてさ…」
ツバサ「あのねぇ、宗介ちゃんはノンケなのよ。私達ゲイと違うんだか
らさぁ、いきなり手なん繋ごうとしたら、そりゃびっくりするでしょ
うよ」
千秋「だよねぇ…」
ツバサ「何焦ってるのよぉ。そもそも宗介ちゃんから付き合おうって言
ったんでしょ?」
千秋「まぁ…」
ツバサ「千秋は受け身で、一歩引いた感じくらいでいいんじゃない
の?男の恋愛に免疫がない宗介ちゃんに、いくら付き合う事になっ
たって言ったって、いつものような感じでしてたら折角ゲットできた
宗介ちゃん…手放す事になるかもしれないわよぉ」
千秋「…」
〇シェアハウス・中・リビング(夜)
千秋が帰ってくる。
千秋「ただいまー…って誰も居ないか」
宗介が来る。
宗介「よぉ」
千秋「ただいま」
宗介「おかえり」
千秋「ブルースカイで飲んできちゃった」
ソファーに座る千秋。
宗介「そうか」
宗介もソファーに座る。
宗介「あのさ、朝の事なんだけど」
千秋「ごめん!」
頭を下げる千秋。
宗介「え?」
千秋「あれは、俺が悪かった。宗ちゃんからまさか告白なんてされると
は思ってなかったからさ舞い上がっちゃったって言うかなんて言うか
…」
宗介「いや、俺も…急にだったから、あんな感じになって」
千秋「宗ちゃんは、何も悪くないからもう謝らないで…」
宗介「わ、分かった」
千秋「はい!じゃあこれで、終わり」
宗介「終わり。終わらせちゃったし…」
千秋「じゃ、俺シャワー浴びて寝る。宗ちゃんも寝るんでしょ?」
宗介「あぁ」
千秋「じゃ、おやすみ。また明日」
宗介「おやすみ」
〇『STARLAIGHT』・中(夜)
今日もアキラが女性客や他のホストと盛り上がっている。
離れた所で様子を見ている琉華。
ヘルプ「琉華さん、今日の成績見ました?」
琉華「あ?」
ヘルプ「琉華さん抜かれましたよ…」
琉華「…」
ヘルプ「いいんですか?このままで」
琉華「うるせぇなぁ。分かってるよ」
酔っぱらったアキラが来る。
アキラ「あれ?琉華、今日まだ指名ねぇの?」
琉華「あぁ今日は空振りばっかだなあ」
笑っているアキラ。
アキラ「俺、最近太客何人か掴んだからなあ…」
琉華「そっか。よかったな」
アキラ「まぁ、空振りの日もあるよな。まぁ頑張れよ」
琉華の肩を叩くアキラ。
琉華とアキラが睨み合う。
椿が店に入ってくる。
琉華「あっ…」
アキラが振り返り椿を見る。
アキラ「椿さん!」
アキラが笑顔で椿の所へ走っていく。
椿「よぉ、お疲れ。調子いいみたいだな」
笑顔で頷き楽しそうに話しているのを見る琉華。
舌打ちをして店を出る琉華を見る椿。
椿「…」
〇新宿・道路脇(夜)
占いをしている七緒。
水晶を見ていた七緒がふと顔を上げる
七緒「今日は…呼ばれそうもありませんね…」
腕時計を見る七緒。
七緒「こんな時間か…帰るとしますか…」
〇シェアハウス・リビング
紘がタブレットを見ながらコスプレ衣装の裁縫をしている。
紘「ここ難しいなぁ…」
七緒が帰ってくる。
紘「うわっ!イテッ!」
七緒を見て驚き、縫い針が手に刺さる紘。
紘「びっくりしたー」
七緒「どうして皆、私を見るとまず驚くんでしょうか…」
紘「気配消してるからじゃない?」
七緒「そんな、つもりないんですが…所で紘君何してるのですか?っ
てか指大丈夫ですか?」
紘「ちょっと刺さっただけ。大丈夫。これさ今度コスプレで着る衣装な
んだぁ」
衣装を広げて七緒に見せる紘。
七緒「素敵な衣装ですね。また見に行くので呼んで下さいね」
紘「おぉ。もちろん!今度のさコスプレイベントで会場に雑誌社が来
るみたいなんだ。もしかしたら雑誌に載るかもしれない!」
七緒「どうりで、気合が入ってるわけですね…いつも以上に」
笑顔で頷く紘。
七緒も頷く。
〇『PART7』・ホール(夕)
雄太と一樹がホールを動き回っている
雄太「この忙しさ…絶対に雑誌効果だよな…?」
一樹「間違いないな」
雄太「あぁ…酒飲みてぇなあ」
一樹「まだ仕事中だぞ」
雄太「分かってるよ!んなの」
客「すみませーん」
雄太「はぁい」
客の注文を取りに行く雄太。
〇同・厨房(夕)
宗介、千秋、亮が調理をしている。
亮「一樹、はいこれ出来たよ」
一樹「うっす」
宗介「今日も忙しいな。まっありがたい事だけどな」
千秋「宗ちゃんと亮ちゃんが雑誌に載った効果だねぇこれは」
宗介「それは、もう言うな(恥ずかしい)」
千秋「でも、これだけ忙しくなると、もうちょっと人手が欲しくもなる
よねえ。ホール雄太と一樹二人で回すのちょっと大変だろうし」
宗介「俺、あれだったらホール出てもいいぞ?」
千秋「いや、宗ちゃんは料理作るセンスあるから、亮ちゃんと一緒に美
味しいもの作って欲しいな」
宗介「じゃあ人手不足どうすんだよ」
千秋「募集するのもありだけど…人件費の事も考えて、俺がホールに出
てもいいし」
宗介「いいのか?」
千秋「いいよ。俺ここのオーナーだから人手が不足してる時は何でも屋
にならなきゃねぇ。これ、出来た?」
宗介「あぁ」
千秋「じゃ、持ってくね」
宗介が作ったパスタを持ってホールへ行く千秋。
〇同・ホール(夕)
厨房から千秋が出てくる。
一樹「あっ千秋さん」
千秋「ホール混んできてるから、こっち手伝うよ」
一樹「あ、ありがとうございます」
なつきが入ってくる。
なつき「こんばんわー」
千秋「あぁ、なっちゃんいらっしゃい」
なつき「あぁ今日も混んでるねー」
一樹「なつきさんいらっしゃい。ここ空きますからちょっと待ってて下
さいね」
テーブルの皿を片付ける一樹。
なつき「いいねぇ。ここは相変わらず繁盛で」
千秋「雑誌掲載のおかげ。これから仕事だっけ?」
なつき「うん、今日はちょっと早出してほしいってママに言われたか
ら」
一樹「どうぞ」
なつき「ありがとうー」
千秋「何にする?」
なつき「じゃ、7プレートで」
千秋「はい。ちょっと待っててね」
〇同・厨房(夕)
千秋が来る。
千秋「7プレート一つ入ります」
亮「うっす!」
千秋「なっちゃんが来てるよ」
宗介「なつき?早くね?」
千秋「今日は早出なんだって」
宗介「そっか」
千秋「ねぇ、なっちゃん居るし仕事終わったらブルースカイ行かない
?」
宗介「あぁ…ちょっと久しぶりに行ってみるか。でも、俺酒飲まない
ぞ」
千秋「分かってるって!」
宗介の肩を叩く千秋。
宗介「いってぇなぁ」
〇同・ホール
千秋がオレンジジュースを持ってなつきのテーブルに置く。
千秋「サービス。仕事前だから一応お酒は止めときました」
なつき「はは。サンキュー、頂きます」
客「ごちそうさまでしたー」
千秋「はーい、ありがとうございます」
会計をする千秋。
千秋「はい、丁度頂きます。ありがとうございました。お待ちしてま
すねー」
店を出る客と入れ違いに男が入ってくる。
千秋「いらっしゃいませ。お一人…」
千秋が男を見て固まる。
千秋「え…」
男「久しぶりだな…会うのは」
千秋の様子が変なのを察するなつき。
千秋「何で来たの?」
男「来なきゃ会えないだろ…千秋に」
千秋「ちょっと…出て…」
男を押し出し店の外へ連れて行く千秋
雄太「あれ、千秋さんどしたんですか?」
なつき「あぁ…ちょっと人が来て出ちゃったみたい」
宗介が来る。
宗介「あれ?千秋は?」
雄太「何か今人が来たって店出ちゃいましたけど」
宗介「誰なんだよ、この忙しい時に。はい、なつきこれ」
7プレートをテーブルに置く宗介。
なつき「ありがとう」
宗介「なつき、どんな奴だった?」
なつき「いやぁ…よく顔見てなかったけど…」
宗介「ふぅん」
何かを知ってそうな顔をするなつきだが宗介は気付いていない。
〇同・前(夕)
千秋と、元彼氏の中島英二(33)が見つめ合っている。
千秋「何で、ここに来たの?」
英二「電話しても、出てくれないからだろ」
千秋「だからって…」
英二「なぁ、俺達またやり直さないか?」
英二を睨みつける千秋。
千秋「今頃そんな…」
第七週「暗雲漂い出す」へ続く。
コメント
コメントを投稿するには会員登録・ログインが必要です。