〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・古川紘
・長谷川なつき
・聖川琉華
・ツバサ
〇『ブルースカイ』・中(夜)
カウンターでお酒を作っているツバサ
ツバサ「はい、これなつき」
なつき「ありがとうございます」
ツバサ「じゃあ、皆グラス持ったー?」
客達「はーい!」
ツバサ「じゃ、なつきの、久しぶりの出版記念にかんぱーい!」
客達「かんぱーい!」
なつき「かんぱーい」
なつきが客達とグラスを合わせていく
なつきが一気にお酒を飲んで、グラスを開けるとツバサや客達が
拍手をする。
なつき「ありがとうございますー!凄く嬉しいです!」
ツバサ「ほんと、お疲れ様」
なつき「ツバサママ、ありがとう。お店も結構休んじゃってて迷惑かけ
ちゃったのに…」
ツバサ「いいのよ。だってなつきの夢はコミック作家になる事なんだか
ら」
なつき「はい」
ツバサ「いつまでも、こんな所でせこせこしてたら時間がもったいな
い」
なつき「はい…」
ツバサ「どうなの、これからまた忙しくなるんじゃない?」
なつき「いや、久々に出版社から本出す事が出来たけど、それが売れな
きゃまたこれっきりになっちゃうし…僕と同じような作家になりたい
って人は、山程居るし、必死な椅子取りゲームみたいな感じ」
ツバサ「椅子取りゲーム…なかなか上手い事言うわね」
なつき「ここから、また次に繋がるように…あっでも、ママここのお仕
事はまだ続けさせてね」
ツバサ「まぁ、うちはいいけど…なつきはそれでいいの?」
なつき「うん。収入もすぐに入ってくるものでもないし…もしかしたら
これで終わりかも…しれないし」
ツバサ「何そんな弱気になってんの!」
なつき「ははは…」
ツバサ「ここで働くのは構わないから。でも折角のチャンス…逃さない
ようにしなさいよ!」
なつき「はい!」
〇シェアハウス・リビング(朝)
ソファーで眠っているなつき。
宗介が起きてくる。
宗介「おはよ…ってまたこんな所で寝て」
なつきの体を揺らす宗介。
宗介「おい、なつき起きろ」
目を覚ますなつき。
なつき「ん…あぁ宗ちゃんおはよ」
宗介「おはよ。何でこんなとこで寝てんだよ 」
なつき「ブルースカイから帰って来た時、部屋に戻るのだるくてさぁ」
溜息を付く宗介。
千秋と紘が来る。
千秋「おはよう」
紘「おはよう」
宗介「おはよ」
千秋「あれー、なっちゃん。今日はやけに早起きじゃない?」
宗介「ここで、寝てたんだよ」
なつき「原稿も校了したから、後は出版を待つだけになったんだけど
それで店でお祝いしてくれて、そのまま帰ってきてここで寝てた」
千秋「そっか。じゃあ無事に済んだんだね」
なつき「うん」
宗介「皆、飯食うか?」
千秋達「(手を上げ)はーい!」
× × ×(時間経過)
朝ごはんを食べている宗介達。
紘「ねぇ、今度の日曜日さぁなっつーのお疲れさん会やらない?」
宗介「え?」
紘「久しぶりに本出すのにさ、一生懸命頑張ったんだし」
千秋「いいねぇ。それ」
なつき「え?いいの?」
千秋「うん。日曜日なら俺も、宗ちゃんも仕事終わって直ぐ帰るし琉華
も仕事休みだろうし、七ちゃんも参加してくれるよ」
紘「俺も、仕事休みだから。場所はここでいいでしょ?」
宗介「なつきがそれでいいなら」
なつき「僕は別にどこでもいいけど、まぁ家なら気兼ねなく飲んだり食
べたりできるから」
千秋「じゃ、それで決まりね」
〇『PART7』・厨房(日曜日・夕)
宗介と千秋がなつきの為に料理を作っている。
千秋「宗ちゃん、そっちはどう?」
宗介「こっちはOKだぞ」
千秋「じゃあ家戻ろうか」
宗介「おぅ」
〇シェアハウス・玄関・中(夜)
宗介と千秋が帰ってくる。
宗介「ただいまー」
千秋「ただいま」
奥から七緒が出てくる。
七緒「お二人ともお帰りなさい」
千秋「ただいま。もう準備出来てる」
七緒「はい。皆待ってます」
宗介「ほら、ケーキも買ってきたから」
七緒「なつきさん、喜ぶと思います」
〇同・リビング(夜)
宗介、千秋、七緒が来る。
千秋「ただいまー。ごめんね遅くなって」
琉華「もぅ、何してたんだよー宗介と千秋待ちだったんだぞー」
宗介「わりぃ、ちょっと料理作るのに時間かかっちゃって」
琉華「家で作りゃ良かったじゃん」
宗介「材料とか、店にあるのそのまま使いたかったし、ケーキ買うのに
外出なきゃいけなかったからさ」
なつき「え?ケーキも用意してくれてるの?嬉しい!」
料理が入ったタッパーをテーブルに置いていく宗介。
紘「俺、皿取ってくるわ!」
紘がキッチンへいき皿を取りに行く。
タッパーを開ける千秋。
なつき「うわぁ、美味しそうなのがいっぱいあるー!」
宗介「だろー?千秋になつきが好きなの色々聞いて頑張って作ってみ
たんだ」
なつき「ほんと感激ー!宗ちゃんありがとう!」
琉華「なぁ、これだけ美味しい料理が並んだらさあ…」
宗介「ん、何だよ?」
琉華が笑いながら、ソファーの後ろに手を伸ばしシャンパンを差
し出す。
なつき「うわぁ、シャンパン!」
琉華「店にあったやつ買ってきた。これ結構高かったんだからな!」
七緒「見るからに高そうです」
紘「グラスも、持ってこなきゃな」
キッチンへ行きグラスを取って戻ってくる紘。
千秋「じゃあ、食事もお酒も準備できたし冷めないうちに、始めよう」
琉華「じゃ、俺シャンパン開けちゃうぞ!」
指に力を入れてコルクを抜こうとする琉華。
なかなか抜けず、なつき達がドキドキしている。
琉華「うっ…かってぇなぁ…」
ポン!と、音を立てコルクが飛び七緒の額へ向かってくる。
七緒「!」
額にコルクがぶつかる寸前でキャッチをする七緒。
琉華「セブン…大丈夫か?」
七緒「大丈夫です」
紘「ってか今の七ちゃんかっこよくない?バシッとコルクキャッチし
たし」
七緒「こちらに飛んでくるのは、もう読めてたので、後はキャッチす
るだけでしたから」
なつき「さすが、七ちゃん!予知能力まで身に着けたんだね!」
琉華「よし、グラスに注いでいくぞー」
各グラスにシャンパンを注いでいく琉華。
琉華「宗介も飲めよー」
琉華が宗介のグラスにシャンパンを注ごうとするが宗介が手で
グラスを塞ぐ。
琉華「どしたんだよ?」
宗介「俺、酒飲めねぇし。前、店でビール少し飲んで直ぐ気分悪くな
ったし」
琉華「んだよー。なつきのお祝いだろー?少しくらい…」
宗介「ダメだってすぐ酔うから」
琉華「じゃ、とりあえずグラス入れてさ乾杯だけでもしようぜ。それ
くらいいいだろ?」
宗介「ま、まぁそれくらいなら…」
琉華「よし」
宗介のグラスにシャンパンを注ぐ琉華
琉華「じゃ、乾杯しますか!」
皆でグラスを持つ。
琉華「ほら千秋、乾杯の音頭取って」
千秋「え?俺?」
琉華「ここの家主だから当たり前だろ?」
千秋「当たり前って…じゃあ分かった。皆グラス持ってるね…じゃ
あなつき」
なつき「はい」
千秋「久しぶりの出版記念。そしてこの作品からまた新しく本が沢山
出版される事を祈って…乾杯!」
宗介達「かんぱーい!!」
グラスを合わせる宗介達。
× × ×
食事をしながら談笑をしている宗介達
宗介が食べ物を口に入れると、気管に入りむせてしまう。
紘「お、おい宗ちゃん大丈夫か?」
なつき「気管に入っちゃったの?」
頷き、苦しそうに胸を叩く宗介。
気管から出て行くよう念を送っている七緒。
千秋「ちょっと宗ちゃん!何か飲み物」
琉華「これ飲め!」
シャンパンが入ったグラスを宗介に渡す琉華。
苦し紛れにシャンパンを飲む宗介。
宗介「あぁ、びびったー」
千秋「それはこっちの台詞だよ!」
宗介「あぁ…マジ死ぬかと思った」
肩で息をしながらグラスを見る宗介!
宗介「あっ琉華!」
琉華「なんだよ」
宗介「これ、酒じゃねーかよ!」
琉華「だったら、どうなんだよ」
宗介「どうなんだって…」
琉華「そのままだったら息詰まって死んでたかもしれないだろ」
宗介「…」
琉華「応急処置だよ…でも、実は宗介結構、酒いける口なん
じゃねぇの?」
宗介「まぁ、言われてみれば…ビールよりは飲みやすいかも…」
琉華「このシャンパン高いからな。飲みやすさもあると思うぞ。もっと
飲んでみろよ」
グラスにシャンパンを注ぐ琉華。
そのまま飲んでみる宗介。
宗介「まぁ、マズくはないな…」
琉華「ったく、ただの飲まず嫌いだったんじゃねぇの?」
宗介「んな事…」
琉華「はい、皆じゃんじゃん飲むぞー!まだまだシャンパン持ってき
てるからな!」
× × × (時間経過)
ソファーで酔っ払っている宗介と千秋。
宗介「やべー!俺飲みすぎたかも(笑っている)」
千秋「俺も飲みすぎたー」
と、言いながら宗介のグラスにシャンパンを注ぐ千秋。
宗介「おい!千秋!止めろ!これ以上酒入れるな!」
千秋の肩を叩く宗介。
千秋「イッてぇ!シャンパン零れちゃうだろ!」
宗介「ってか、皆どこ行ったんだよ」
千秋「ほんとだよ!なっちゃん!なつきー!」
宗介「主役がどこ行ったんだよー!何だよ…俺達二人っきりじゃねぇ
かよ」
千秋の肩に手を回す宗介。
宗介「酒ってこんなに美味かったんだな」
千秋「美味しいー。好きな人と飲むと味も格別ー!
宗介「だなー!」
ふと見つめ合う宗介と千秋。
宗介「なぁ、千秋」
千秋「…」
宗介が千秋にキスをする。
宗介が唇を離し千秋を見る。
もう一度キスをする宗介と千秋。
今度は舌も絡ませて。
お互いの唇から離れる宗介と千秋。
宗介「…」
千秋「…」
大笑いする宗介と千秋。
千秋「キスしちゃったし!」
宗介「やべー!男とキスしたし!!!!」
ゲラゲラ笑っている宗介と千秋。
千秋「もう一回やる?」
宗介「やる?」
二人がキスしようとする所でまたゲラゲラ笑う宗介と千秋。
第六週「ここからがスタートです」へ続く。
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