<登場人物>
服部 朱雀(17)剣士
巽 蒼龍(22)同、朱雀の許嫁
三瓶 玄武(26)同
トラスト 白虎(30)同、白虎隊隊長
服部 雲雀(9)朱雀の妹
巽 青龍(22)剣士、蒼龍の双子の弟
艮 黒龍(55)同、腕売り
乾 白龍(28)同、トラストの部下
坤 赤龍(41)同
服部 鳳凰(39)同、朱雀の父、故人
若者A
チンピラA、B
おばちゃん
<本編>
○森・中(夜)
小悪党風な若者達がたむろしている。皆、腕は三本。
尚、本編全体を通し、人々の服装や町並み等は江戸時代中期のような雰囲気。
若者A「いや~、上手くいったな」
笑う若者達。
足音がして一斉に振り返る。
若者A「ん? 誰だ?」
刀に手をかける若者達。
若者A「まさか、白虎隊?」
朱雀の声「いいや、僕はそんな輩じゃない」
そこにやってくる服部朱雀(17)。この時点ではまだ姿はわからないが、右腕はなく、首飾りを除けば女性らしさも薄い。帯刀した刀を抜く朱雀。
朱雀「ただの、腕狩りだ」
○メインタイトル『腕狩り朱雀』
T「第一話 剛腕」
○森・前
人だかりができている。
欧米の軍服風の白い制服を身に纏った白虎隊の面々と、彼らに囲まれた先ほどの若者達。中心にいる黒髪の女性隊員・乾白龍(28)の元にやってくる、欧米人風の顔立ちの男・トラスト白虎(30)。白龍の手にはタブレット端末。
トラスト「ヘイ、ミス白龍。彼らが、腕狩りの被害者かい?」
白龍「まぁ、そうとも呼べるかと……」
若者達をジロジロと見るトラスト。皆、腕は二本。
トラスト「ヘイ、ボーイズ。狩られたのは右腕? 左腕? それとも……」
若者Aの、三本目の腕があった個所を蹴飛ばすトラスト。
若者A「痛っ!」
トラスト「三本目?」
若者A「……」
トラスト「ヘイ、ミス白龍。彼ら、連行しといて」
白龍「承知しました」
白龍らに連れられる若者達。
トラスト「あ、ちょっとSTOP」
立ち止まる若者達。
トラスト「ヘイ、ボーイズ。やったの、コイツ?」
白龍のタブレットに映った朱雀の画像を見せるトラスト。
○町A・市場
出店などで賑わっている。
その中を歩く朱雀。周囲の人々、一本腕の人が多い。
× × ×
地面に広げた風呂敷の上に粗末な髪飾りの入った箱を置いているだけの店を構える服部雲雀(9)。
雲雀「髪飾り、いりませんか?」
通行人が皆、雲雀の店を無視していく。
雲雀「髪飾り、安いですよ」
チンピラAの声「よう、嬢ちゃん」
そこにやってくるチンピラ達。二本腕は少数で、残りは皆三本腕。
チンピラA「誰の許可とって店出してんだ?」
チンピラB「(髪飾りを手に取り)つーか、何コレ? ぼったくりもいい所じゃねぇか」
雲雀「返してください」
チンピラBに掴みかかるも、逆に突き飛ばされる雲雀。
チンピラA「調子に乗ってんじゃねぇぞ、ガキが」
刀を抜くチンピラA。
チンピラA「コッチはお前の腕、狩っちまってもいいんだぞ?」
恐怖に体を震わせる雲雀。
チンピラB「すっかりビビっちまってんな」
チンピラA「(雲雀に向けて刀を突きだしながら)ほれ、ほれ」
笑うチンピラ達。その瞬間、弾かれる刀。
チンピラA「あ?」
振り返るチンピラ達。そこに刀を持って立つ朱雀。
雲雀「姉上!」
T「服部 朱雀」
朱雀「僕の妹に刀を向けるとは、上等だ」
チンピラA「へぇ、このガキのお姉ちゃんか。じゃあ妹の代わりに……」
弾かれた刀を拾い、構えるチンピラA。
チンピラA「お前の腕を狩ってやるよ」
朱雀の右腕部分に向けて刀を振り下ろすチンピラA。しかし空を切る。
チンピラA「ん?」
朱雀「あいにくだが……」
ここで初めて、朱雀の右腕がない事がわかる。
朱雀「僕は既に、一本腕だ」
チンピラBらも刀を抜き、一対多数で対峙する朱雀。
チンピラB「調子に乗んなよ、一本腕」
チンピラA「三本腕様にたてついた事、死んで後悔しな」
朱雀「上等だ。覚悟したまえ」
刀を構える朱雀。
朱雀「僕の強さは、お墨付きだ」
チンピラB「死ね~!」
朱雀に斬りかかるチンピラ達。それをものともせず、多勢に無勢ながら、互角にやり合う朱雀。
チンピラA「くっ……おい、下がれ」
間合いを取る両者。
朱雀「やれやれ。一人一人は大した事ないが、さすがにこれだけの数が居ると、僕も本気を出すしかないらしい」
独特の構えを見せる朱雀。
チンピラA「お前、ただの一本腕じゃねぇな? いったい、何者だ?」
朱雀「僕の名前は服部朱雀。腕狩りだ。ただし……」
駆け出す朱雀。
朱雀「対三本腕専門の、ね」
チンピラA「何だと!?」
朱雀「服部流奥義、上等朱段(じょうとうしゅだん)の一撃!」
刀を一閃する朱雀。チンピラ達の三本目の腕を次々と斬り落としていく朱雀。
チンピラA「ぐあっ!?」
刀を手にチンピラ達に歩み寄る朱雀。
腰を抜かし、後ずさりするチンピラ達。
朱雀「ところで君達、赤い目の腕狩りを知っているか?」
チンピラB「へ? あ、赤い目の腕狩り?」
チンピラA「そんなヤツ、知らねぇな」
朱雀「そうか。なら、用はない」
刀を振り上げる朱雀。
チンピラA「ひっ!?」
刀を収める朱雀。
朱雀「……散れ」
チンピラB「へ?」
朱雀「『これ以上、腕を狩られたくなかったら、さっさと散れ』と言っている」
チンピラA「は、はい!」
逃げていくチンピラ達。
朱雀「(周囲の人々に)自分の腕があったら、持って帰るといい」
歓声とともに、落ちた腕へと群がる一本腕の市民達。
振り返る朱雀。既に店を撤収している雲雀。
朱雀「雲雀、行くぞ」
雲雀「はい」
その場を立ち去る朱雀と雲雀。
雲雀N「この世界には、三種類の人間がいます」
○(イメージ)
腕が二本の男(=二本腕)の姿。
雲雀N「まず、腕を二本持つ『二本腕』」
腕が一本の男(=一本腕)の姿。
雲雀N「何者かに腕を奪われた『一本腕』」
腕が三本の男(=三本腕)の姿。
雲雀N「そして、他人から腕を奪う事で誕生する『三本腕』」
× × ×
トラスト、白龍ら白虎隊の面々。
雲雀N「もちろん、腕狩りは禁じられていて、それを取り締まる組織も存在しますが、腕狩り事件は後を絶えません」
○(フラッシュ)服部邸・中(夜)
背後から襲われ、右腕を狩られる朱雀(14)。朱雀の背後に立つ坤赤龍(38)。左目は赤く、右目には傷。
雲雀N「ある事件を機に一本腕となった姉上もまた、自らの腕を取り戻すために旅を始め」
○町A・食堂・外観
「貸切」の札がかかっている。
雲雀N「現在に至ります」
おばちゃんの声「さぁ、どんどん食べな」
○同・同・中
客席に並んで座る朱雀と雲雀。既に大量の料理がテーブルの上に並んでいるが、そこにさらに料理を持ってくるおばちゃん。
おばちゃん「遠慮することはないよ。姉ちゃんのおかげで、ウチの旦那の腕も戻ってきたんだから。な?」
奥の厨房で頷く旦那。
朱雀「元より、遠慮などしないよ」
丼物を食べる朱雀。ある程度まで食べた所で、雲雀が代わりに丼を持ち、残りを書き込むように食べる朱雀。
朱雀「うん、上等な味だ」
おばちゃん「ところで姉ちゃん。赤い目の男を探しているんだって?」
朱雀「!?」
雲雀「ご存知なんですか?」
おばちゃん「いや『見た事がある』ってだけの話なんだけどね」
朱雀「構わない。どこでだ?」
おばちゃん「町の外れにいる、三瓶玄武って知っているかい?」
○山道
怯えながら逃げる旅人の男女。その行く先に振り下ろされる薙刀。相当な重さがあり、地面に深々と突き刺さる。
おばちゃんの声「その辺りを通る者を片っ端から襲うっていう、三本腕の大男だ」
悲鳴を上げる旅人の男女。
三瓶の声「いいぞ、それでいい」
三本の腕を使い、自ら振り下ろした薙刀を持ち上げる三瓶玄武(25)。強面の大男。
三瓶「だが、もっとだ」
笑みを浮かべる三瓶。その顔を見て更に恐怖に顔を引きつらせる旅人の男女。
三瓶「もっと、この俺を恐がれ」
○町A・食堂・中
並んで座る朱雀と雲雀、その脇に立つおばちゃん。
朱雀「その三瓶という男が、赤い目なのか?」
おばちゃん「いいや。その男と、赤い目の男が何か話しているのを、見た事があるんだ」
雲雀「お仲間さんでしょうか?」
朱雀「可能性はあるな。上等な情報、感謝する。早速、会いに行ってみるよ」
○山道
やってくる朱雀と雲雀。
朱雀の声「その三瓶玄武という男に」
雲雀「この辺り、ですよね?」
周囲には全く人影がない。
雲雀「人っ子一人いませんね」
朱雀「例の男が人払いをしているからだろう。さて。(大声で)三瓶玄武、出て来い!」
雲雀「姉上、何を!?」
朱雀「これが一番手っ取り早いだろう?」
雲雀「そうですけど、そんな事したら……」
三瓶の声「恐れ多くも、この俺を呼んだのは……」
どこからともなく飛んできて、二人の元に着地する三瓶。
T「三瓶 玄武」
三瓶「貴様か?」
朱雀&雲雀「(驚いて)!?」
怯えて朱雀の影に隠れる雲雀と、驚きつつも平常心を保つ朱雀。
朱雀「いかにも。君が三瓶玄武だな?」
三瓶「あぁ。(雲雀を見て)いい目だ。気に入った。で、何用だ?」
朱雀「君に聞きたい事があ……」
三瓶「貴様には聞いてない」
朱雀「そうか。……雲雀」
雲雀「私ですか? (恐る恐る)あの、赤い目をした腕狩りさんを探しているのですが……?」
三瓶「赤い目? 悪いが、知らん」
朱雀「君と会っている所を見た、という人が……」
三瓶「だから、貴様と話すつもりはない」
朱雀「何故だ?」
三瓶「決まっているだろう? 貴様の目つきが気に食わんからだ」
朱雀「目つき?」
三瓶「(雲雀を指し)その娘のように、もっと、この俺を恐がれ」
朱雀「それは出来ない相談だな。僕は恐いもの知らずでね」
三瓶「そうか。だったら力づくで恐がらせてやる」
薙刀を構える三瓶。
朱雀「上等だ。僕としても、三本腕を黙って見逃がすつもりは無かったしね」
刀を構える朱雀。
三瓶「さぁ、俺を恐がれ」
朱雀「そうはいかない。僕の強さは、お墨付きだ」
駆け出す両者。朱雀の刀と三瓶の薙刀がぶつかるも、パワーの差で吹っ飛ばされる朱雀(ただし着地は成功しており、ダメージは無い)。尚、その間に物陰に避難する雲雀。
朱雀「ぐっ。バカ力が……ならば」
再び駆け出し、三瓶の背後に回る朱雀。
朱雀「これでどうだ!」
三瓶「ふん。ちょこまかと」
三瓶の背後から斬りかかる朱雀に、薙刀の柄の部分を突き出す三瓶。
朱雀「!?」
その攻撃を刀で防ぐも、やはりパワーで吹っ飛ばされる朱雀(やはり着地は成功しており、ダメージは無い)。
三瓶「どうだ、この俺を恐がる気になったか?」
朱雀「いいや。だが、その辺の三本腕とは訳が違う事は、良く分かったよ」
○(フラッシュ)町A・商店街
チンピラA、Bらと対峙する朱雀。
朱雀の声「僕が今まで出会ってきた三本腕のほとんどは、ただの一般市民から腕を奪って満足しているような奴らだった」
○山道
対峙する朱雀と三瓶。
朱雀「だが、おそらく君の三本目の腕は、武芸に秀でた者から奪ったんだろう。一体、どんな奴の腕なんだ?」
三瓶「質問の多い奴だ。答えて欲しければ、もっと、この俺を恐がれ」
朱雀「だから言っただろう? 僕は恐いものを知らないんだ。出来るのなら、教えて欲しいものだよ」
三瓶「だったら、教えてやろう!」
薙刀を大きく振り下ろす三瓶。その一撃を間一髪で避ける朱雀。重さで、地面に深々と突き刺さる薙刀。
朱雀「今だ」
地面に刺さった薙刀の柄の部分に乗る朱雀。
三瓶「ほう」
朱雀「これで君の武器は封じたよ」
三瓶「それはどうかな?」
朱雀が乗ったまま、力づくで薙刀を持ち上げる三瓶。
朱雀「なっ!?」
三瓶「この俺を、恐がれ!」
そのまま薙刀を引っこ抜く三瓶。その勢いで吹っ飛ばされる朱雀。岩肌に体をぶつけ、大ダメージ。
朱雀「ぐっ」
物陰から見守る雲雀。
雲雀「姉上!」
その声に反応し、雲雀に目をやる三瓶。三瓶と目が合い、怯えるように身を隠す雲雀。
三瓶「ふん」
朱雀の元に足を進める三瓶。ダメージで体が動かず、三瓶を睨むだけの朱雀。
三瓶「貴様の妹は、本当にいい目をしているな。嫁に貰いたいくらいだ」
朱雀「確かに、君のような強い男が義弟になってくれるなら、心強いかもしれないね」
三瓶「心にもない事を」
朱雀「いいや、本心さ。三瓶玄武、君は強い。おそらく、二本腕の頃から、上等な実力者だったんだろう?」
三瓶「恐いくらいにな」
朱雀「そうだろう。……だが、何故だ?」
刀を杖代わりにして立ち上がる朱雀。
朱雀「何故、三本腕になった? 二本でも、不自由なかっただろ?」
三瓶「本当に、質問の多い奴だ」
朱雀「確かに、腕が多いに越したことはない。三本あれば、さぞ便利だろう。だが……」
三瓶に斬りかかる朱雀。その攻撃を薙刀で受け止める三瓶。
朱雀「そんな一部の人間が力を行使するから、三本腕が生まれ、一本腕が生まれるんだ。皆が二本腕でいさえすれば、誰も何も不自由する事なく、世界は均一だというのに!」
三瓶「この俺に説教か? 生意気な。だったら一つだけ、質問に答えてやろう」
薙刀を朱雀へ放ってよこす三瓶。薙刀の重さに耐えられず、倒れる朱雀。
朱雀「!?」
三瓶「どうだ、重いだろう? この俺でも、三本腕でやっと持てる程の武器だ」
再び薙刀を手に取る三瓶。
三瓶「この武器を自在に操る事で、より恐がってもらえる。それこそ、この俺が三本腕となった理由だ」
朱雀「……ずっと気になっていたんだが、そもそも、君は何故そんなに恐がられたいんだ?」
三瓶「当たり前だろう? この俺の子供時代を知ってるか? 『三瓶君恐い』『玄武君恐い』と散々チヤホヤされてきたんだ。今更、別の生き方など出来ん」
朱雀「そうか……一応言っておくが、『恐い』とは、一般的には誉め言葉ではないぞ?」
三瓶「……え?」
朱雀「いや、さっきから話を聞いてると、君はどうやら『恐い』を誉め言葉と勘違いしてるように思えてね」
三瓶「誉め言葉として使わん、だと……? じゃあ、何だと言うんだ?」
朱雀「まぁ……嫌われてるんじゃないか?」
怒りに体を震わせる三瓶。
三瓶「……認めん」
朱雀「?」
三瓶「そんな事認めん。認めてたまるか! 今まで皆がこの俺を『恐い』と崇め、敬い、慕ってきたんだ!」
朱雀「違うよ。『恐い』と敬遠され、拒絶され、距離を置かれてきたんだ」
三瓶「黙れぇぇぇ!」
朱雀「黙ってほしければ、君の最大の攻撃で僕を黙らせてみるんだね」
三瓶「いいだろう。恐れおののけ」
薙刀を大きく振りかぶる三瓶。
三瓶「玄点怪奇(げんてんかいき)の一撃!」
その瞬間、横に動いて逃げる朱雀。
三瓶「逃がすか……」
薙刀の軌道を方向転換するも、岩肌に直撃する三瓶の技。岩肌の破壊に攻撃のエネルギーを奪われた結果、朱雀は無事。
三瓶「しまっ……」
朱雀「さすが、上等な技だったな。だが、次は僕の番だ」
三瓶「そうはいくか……む?」
薙刀を持ち上げられない三瓶。
朱雀「どうやら、もはや持っているだけでもやっとな様子だね」
三瓶「貴様、まさかコレを狙って……?」
刀を構える朱雀。
朱雀「服部流奥義、上等朱段の一撃!」
三瓶に向け駆け出す朱雀。三瓶の三本目の腕を狩り獲る。
三瓶「ぐあっ!?」
○同(夕)
対峙する朱雀、雲雀と三瓶。朱雀の手には三瓶の三本目の腕。
三瓶「その腕、貴様が付けるのか?」
朱雀「いいや。僕はあくまでも、僕自身の腕を取り返すつもりだ。この腕は持ち主に返す。一体、どこの誰のものだい?」
三瓶「知らん」
朱雀「知らないハズはないだろう?」
三瓶「本当に知らんのだ。その腕は、ある男から買ったんだからな」
雲雀「買った? 腕を、ですか?」
朱雀「腕を売る腕狩り、か……。じゃあ、それはどこのどいつなんだ?」
三瓶「あぁ、それは……」
何かを思い出す三瓶。
三瓶「……そうだ。思い出した。俺に腕を売った男が、一緒に連れてきていた男だ」
○(フラッシュ)同
三瓶に腕と薙刀を渡す白髪の男・艮黒龍(55)と坤(41)。坤の右目は眼帯。
三瓶の声「赤い目をしていた」
○同(夕)
対峙する朱雀、雲雀と三瓶。
雲雀「腕狩りで赤い目……間違いないですね」
朱雀「だな。で、そいつは今どこにいる?」
三瓶「赤い目の男の方は知らんが、俺に腕を売った男、艮(うしとら)黒龍の居場所なら、知っている」
雲雀「教えてください。すぐに会いに行きましょう」
三瓶「教えるのは構わんが……会いに行くのは難しいと思うぞ?」
朱雀「どういう意味だ?」
三瓶「つい最近、捕まったらしい。白虎隊にな」
朱雀&雲雀「白虎隊!?」
○町B・白虎隊本部・外観(夕)
西部劇に出てくる保安官事務所のような建物。
○同・同・玄関(夕)
三瓶や坤ら、多数の手配書が貼られている。それを眺めるトラスト。そこにやってくる白龍。
T「トラスト 白虎」
トラスト「ヘイ、ミス白龍。ミスター艮、何か口割った?」
白龍「いいえ、全く」
トラスト「あの組織を一網打尽にするチャンスなのにな~」
白龍「申し訳ございません」
トラスト「まぁ、君に一任するよ、ミス白龍。で、君の用件は?」
白龍「目撃証言が出ました。近くです」
と言ってタブレット端末をトラストに渡す白龍。
トラスト「そっか。じゃあ、先にコッチを片付けるとしよう」
タブレット端末に映るのは、朱雀の手配書の画像。
トラスト「腕狩り朱雀」
(第一話 完)
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