エアコン買ったら、日米関係が強固になった ドラマ

菊地真理(30)がエアコンを買ってから、久喜大樹(56)が外務大臣が就任するまでの話。
マヤマ 山本 4 0 0 04/27
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第一稿

<登場人物>
久喜 大樹(8)~(56)
久喜 大輔(39)久喜の父
久喜 正臣(35)~(59)大輔の弟
菊地 真理(30)~(78)主婦
ショーナ・コーン(20)~( ...続きを読む
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<登場人物>
久喜 大樹(8)~(56)
久喜 大輔(39)久喜の父
久喜 正臣(35)~(59)大輔の弟
菊地 真理(30)~(78)主婦
ショーナ・コーン(20)~(56)

上司

キャスター



<本編>
○メインタイトル『エアコン買ったら、日米関係が強固になった』

○菊地家・外観
   業者の車が停まっている。
正臣の声「エアコンの設置場所はコチラでよろしいですか?」

○同・居間
   エアコンの設置作業を行う久喜正臣(35)と、立ち会う菊地真理(30)。
正臣「それではですね(壁を指し)ここの部分に穴をあけて、室外機と繋ぐという作業をさせていただきますね」
    ×     ×     ×
   壁に穴をあける正臣と、その作業を見守る真理。あいた穴から蜂が入ってくる。
正臣「うわっ!」
真理「きゃあ!?」
   蜂を避ける正臣。飾ってあったフィギュアを倒してしまう。
真理「あっ……」
    ×     ×     ×
   蜂を外に逃がす正臣。フィギュアを手にする真理。
正臣「すみません、大丈夫ですか?」
真理「私は。ただ……」
正臣「(フィギュアを手に取り)あ……コチラ、弁償させていただきますので」
真理「……できるかしら?」
正臣「お高いんですか?」
真理「確か『完全受注生産の商品だ』って主人が言ってた気がします」
正臣「そっちか……」
   壊れたフィギュアを見つめる正臣。

○正臣の自宅(夜)
   パソコンでオークションサイトを次々と見ていく正臣。様々なフィギュアが出品されており、正臣が壊したフィギュアも何点かはあるが、他のフィギュアと比べて値段が高い。
正臣「くそ、この転売ヤーが……」
   逡巡した後、入札する正臣。

○菊地家・居間
   エアコンが稼働する室内。元の位置に飾られたフィギュア。

○正臣の自宅(夜)
   督促状を手に頭を抱える正臣。
   ドアをノックする音やスマホの着信音に怯えている。

○久喜家・外観
   立派なお屋敷。
大輔の声「仕事でミスって借金ねぇ……」

○同・居間
   久喜大輔(39)に土下座する正臣。
大輔「威勢よく家出しといて、そんな理由で帰ってくるなんて、情けねぇな」
正臣「兄貴に言われなくても、俺が一番思ってるよ。で、どうなの?」
大輔「もちろん、これ以上久喜家の恥をさらされても困るからな。肩代わりはしてやるよ。でもタダでとはいかねぇぞ?」
正臣「わかってるよ。必ず返す」
大輔「どうやって? 職場に借金の催促の電話が来て、仕事クビになったんだろ?」
正臣「それは……」
大輔「お前、跡継ぐ気あるか?」
正臣「は?」
大輔「昔から言ってただろ? 俺はアメリカで一旗揚げてぇんだよ。とはいえ、来年でもう四〇歳だ。動くなら、今だ」
正臣「それで、俺が代わりに?」
大輔「どうすんだ? やんの、やんねぇの?」
正臣「……」

○日本の空港・ターミナル
   行先に「ニューヨーク」と表示された国際線のフライト案内板を見上げる大輔と久喜大樹(8)。傍らにスーツケース。
大輔「大樹。いよいよ、アメリカだ。アメリカ人の友達、いっぱい作ろうな」
久喜「うん」

○アメリカの空港・ターミナル
   行先に「TOKYO」と表示された国際線のフライト案内板を見上げる久喜(20)。傍らにはスーツケース。
ショーナの声「ヘイ、大樹!」
   振り返る久喜。ショーナ・コーン(20)らアメリカ人達が見送りに来ている。尚、このシーンの台詞は全て英語であり、字幕付きで。
久喜「ショーナ、みんな。来てくれたんだ」
ショーナ「当たり前でしょ、大樹。でも本当に、日本に帰っちゃうの?」
久喜「あぁ。俺、日本とアメリカの架橋になりたいんだ。その為にも、もっと日本の事を勉強しないと」
ショーナ「そう……じゃあ、その勉強が終わったら、帰ってきてね? 私が大統領になった時、大樹みたいな側近が必要だから」
久喜「もちろんだよ、ショーナ」
   ハグし合う久喜とショーナ。

○大学
   講義を受ける久喜。

○外務省・外観

○同・中
   デスクワークをこなす久喜。電話対応では流暢な英語。

○諸外国
   海外で語学研修や海外勤務をこなす久喜。何やら思案する。

○外務省・中
   上司に書類を突き返される久喜(32)。
上司「何度来ても、無駄」
久喜「どうしてですか?」
上司「ウチも予算は限度があるの。そんな事に金は使えないって、何度言ったらわかるの?」
久喜「でも、アメリカや諸外国ではもっと……」
上司「アメリカアメリカうるさいな。ここは日本なんだよ。帰国子女だか何だか知らないけど、郷に入っては郷に従え。わかった?」
   その場を去っていく上司。
久喜「このままじゃダメだ。このままじゃ、何も変わらない……」
   拳を握り締める久喜。

○久喜家・外観
正臣の声「え、辞めた?」

○同・居間
   向かい合って座る久喜と正臣(59)。
正臣「外務省の幹部候補が、もったいない」
久喜「一度は転職するのが、久喜家の血では?」
正臣「言ってくれるね。で、この先何するつもりなの?」
久喜「俺、やりたい事があって。叔父さんも力、貸してくれますよね?」
正臣「?」

○同・前
   壁に貼られた「久喜だいき」と書かれた久喜の選挙ポスター。

○駅前
   肩から「久喜だいき」と書かれたタスキをかけ、演説する久喜。
久喜「一〇年間の外務省勤務経験を活かし、外からの視点で日本をよりよくすべく……」

○選挙事務所(夜)
   支援者と万歳三唱する久喜。

○国会議事堂
   当院する久喜。

○祭り会場
   地元市民と交流する久喜。

○料亭
   ベテラン議員と酒を飲みかわす久喜。

○首相官邸
   任命式を終え、記念撮影のために並ぶ閣僚達。その中に居る久喜。

○ホワイトハウス・外観

○同・中
   待ち構えるショーナ(56)の元にやってくる久喜(56)。
ショーナ「(英語で)大樹!」
久喜「(英語で)ショーナ、久しぶり」
   固い握手を交わす久喜とショーナ。

○菊地家・居間
   エアコンが稼働している室内、フィギュアも置いてある。テレビにはニュース番組が映されている。
キャスター「久喜外務大臣とアメリカのショーナ・コーン大統領は、学生時代からの友人関係であり、日米関係は今後……」
   その番組を観ている真理(78)と孫。
孫「ねぇ、おばあちゃん」
真理「ん?」
孫「(テレビに映る久喜を指し)おばあちゃん、この人と知り合い?」
真理「え? (テレビに映る久喜を見て)ううん。全然」
                   (完)

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