希望ーそれぞれの強さー ファンタジー

人それぞれ違う“強さ”を知った少年たちの物語。
やまさきたかし 4 0 0 04/27
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第一稿

★ 登場人物 ★
希(のぞみ) 男 13歳


〇タイトル 希‐のぞみの強さ‐

※語り
―100年、続く雨の時代―
降り止まない雨は人々の心を蝕(むしば)んでいっ ...続きを読む
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★ 登場人物 ★
希(のぞみ) 男 13歳


〇タイトル 希‐のぞみの強さ‐

※語り
―100年、続く雨の時代―
降り止まない雨は人々の心を蝕(むしば)んでいった。
それでも人々は“悲しいね”と口には出さず
“苦しい顔”も見せず、笑いあっていた。
野らネコですら笑っていた。
野らネコ「ニャー」

○横断歩道 (赤信号)
差している傘を投げ捨て、空を見上げる希。
希「ア゛ァー…」叫び声

○横断歩道 (青信号へ変わる瞬間)
希を横目に横断歩道を渡る少年N。
少年N「ダッサイ姿…」

○希の家(リビング)
ソファに寝っ転がる希。

※語り
希はわからなかった。
すれ違うあの人の明るさが、
すれ違ったあの人の笑顔が、
わからなかった。
いつも無理しているように見えていた。
いつも我慢しているように見えていた。
いつも本音を隠しているように見えていた。
だから、どうしてと両親に尋ねる希。

希「どうして?」
 「雨の影響で新しいウイルスが増殖し、みんなの体や心を蝕んで、朝か夜かもわからない、こんな時代でどうしてみんな笑っていられるの?」
母「それはね…」
父「それはな…」

○学校
※語り
どうしてと友達にも尋ねる希だった。

希「どうして」
 「太陽が見てみたい。月や星を見てみたい。外でおもいっきり遊びたい。そんな希望をどうして口にしちゃいけないの?」
同級生「それは…」
●母・父・同級生の3人の顔アップ
母・父・同級生「それは“強さ”なんだ」
●希の納得のいかない顔アップ

○希の部屋(夕方)
※語り
自分を偽ることが、誤魔化すことが“強さ”なのかと…だったら、僕は違う。そう感じた希は、自分の抱えている疑問を歌にして町で歌うことにした。
誰も聴いてはくれなかったけれど…。

希「みんなだって、本当は…」

○駅(希の歌っているシーン)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
It’s

悲しいけれど笑ってる
楽しいけれど泣けてくる
どうナってんだろ

ひとつの言葉 【大丈夫。】 を癖にして
なにを言われても平気なフリしてた きみ

強いじぶんを演じきり
そして、ひとり叫ぶのだろう

寂しいけれど笑ってる
嬉しいけれど泣けてくる
どうナってんだろ

ひとつの仕草 【スマイル】 を楯にして
なにを言われても平気なカオしてた きみ

偉いじぶんを演じきり
そして、ひとり嘆くのだろう

それは月曜日の朝でした
叫びたくなった だから なりふり構わず叫んだんだ。

ひとつの言葉 【大丈夫。】 を癖にして
なにを言われても平気なフリしてた きみ

強いじぶんを演じきり
そして、ひとり叫ぶのだろう

ア゛アァー ア゛ー ア゛ー ア゛ー

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

※語り
歌の途中いつもエサをやっていた野らネコが、連れてきたひとりの少年Nが希の歌を聴き涙した。
その光景を見た傍観者たちが寄ってくる。
そして希のまわりにはいつの間にか、たくさんの人たちで溢れていた。

少年N「ほんとうは…僕だって…」
傍観者A「なんだっ、何やってんだ」

希「集まってくれたけど、雨が強くなってきたし今日はもう帰ります」

○駅(帰ろうとする希)
少年Nが希に近寄る。
少年N「さっき歌ってた歌、最後に叫ぶところいいね。僕も一緒に叫びたくなっちゃった。」
希「そう、じゃあ一緒に叫ぼうよ」
少年N「えっ…いや僕はいいや」
希「君も同じようなこと想ってたりするんでしょ…どうして我慢するの?想ったことを想ったままに吐き出せばいいじゃん」
少年N「うーん…」
希「辛い時には辛いって言えば、そう伝えればいいじゃん」
少年N「僕にはできないよ」
希「簡単じゃん…」
少年N「そんなこと言ったら父さんや母さんが心配する」
   「それだけは嫌だ」
希「…」

※語り
そこへ黒い傘を差した、ひとりのおじさんが希に近寄り言ったのだった。

おじさん「自分の想いを貫き自分の弱さを、さらけだせる…」
    「君の“強さ”が欲しい…」

その時はじめて、希は自分の持つ“強さ”を知ったのだった。

希「えっ…」





★ 登場人物 ★
望(のぞみ) 男 13歳

〇タイトル 望‐のぞみの強さ‐

※語り
―100年、続く雨の時代―
降り止まない雨は人々の心を蝕(むしば)んでいった。
それでも人々は“悲しいね”と口には出さず
“苦しい顔”も見せず、笑いあっていた。
野らネコですら笑っていた。
野らネコ「ニャー」

○横断歩道 (赤信号)
差している傘を投げ捨て、空を見上げる少年N。
少年N「ア゛ァー…」叫び声

○横断歩道 (青信号へ変わる瞬間)
少年Nを横目に横断歩道を渡る望。
望「ダッサイ姿…」

○望の家(リビング)
ソファに寝っ転がる望。

※語り
望はわからなかった。
弱音を吐くその人の性格が、
惨めな姿を見せるその人の姿が、
わからなかった。
いつも情けなく見えていた。
いつもくだらなく見えていた。
はやく受け入れてしまえばいいのにと思っていた。
だから、どうしてと両親に尋ねる望。

望「どうして?」
「もう雨は止むことはないってわかってって、どうして止むことを期待してるの?こんな環境でもはやく受け入れて楽しもうとしないの?」
母「それはね…」
父「それはな…」

○学校
※語り
どうしてと友達にも尋ねる望だった。

望「どうして」
 「太陽が見てみたい。月や星を見てみたい。外でおもいっきり遊びたい。そんな叶わない希望をもっちゃうの?」
同級生「それは…」
●母・父・同級生の3人の顔アップ
母・父・同級生「それが“強さ”なんだ」
●望の納得のいかない顔アップ

○望の部屋(夕方)
※語り
自分を偽らないことが、誤魔化さないことが、“強さ”なのかと…だったら、僕は違う。そう感じた望は、混乱する頭を冷やすため散歩に出かけた。
途中、野らネコが現れその後をついていく…

望「なんか聴こえる…どこからだろ」

○駅(少年Nの歌っているシーン)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

It’s

悲しいけれど笑ってる
楽しいけれど泣けてくる
どうナってんだろ

ひとつの言葉 【大丈夫。】 を癖にして
なにを言われても平気なフリしてた きみ

強いじぶんを演じきり
そして、ひとり叫ぶのだろう

寂しいけれど笑ってる
嬉しいけれど泣けてくる
どうナってんだろ

ひとつの仕草 【スマイル】 を楯にして
なにを言われても平気なカオしてた きみ

偉いじぶんを演じきり
そして、ひとり嘆くのだろう

それは月曜日の朝でした
叫びたくなった だから なりふり構わず叫んだんだ。

ひとつの言葉 【大丈夫。】 を癖にして
なにを言われても平気なフリしてた きみ

強いじぶんを演じきり
そして、ひとり叫ぶのだろう

ア゛アァー ア゛ー ア゛ー ア゛ー

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

※語り
野らネコについてきた望は少年Nの歌う歌に耳をとられた。いつの間にかふたつの瞳から涙がこぼれていた。
その光景を見た傍観者たちが寄ってくる。
そして少年Nの歌うまわりにはいつの間にか、たくさんの人たちで溢れていた。

望「ほんとうは…僕だって…」
傍観者A「なんだっ、何やってんだ」

少年N「集まってくれたけど、雨が強くなってきたし今日はもう帰ります」

○駅(帰ろうとする少年N)
望は少年Nに近寄る。
望「さっき歌ってた歌、最後に叫ぶところいいね。僕も一緒に叫びたくなっちゃった。」
少年N「そう、じゃあ一緒に叫ぼうよ」
望「えっ…いや僕はいいや」
少年N「君も同じようなこと想ってたりするんでしょ…どうして我慢するの?想ったことを想ったままに吐き出せばいいじゃん」
望「うーん…」
少年N「辛い時には辛いって言えば、そう伝えればいいじゃん」
望「僕にはできないよ」
少年N「簡単じゃん…」
望「そんなこと言ったら父さんや母さんが心配する」
 「それだけは嫌だ」
少年N「…」
      
※語り
そして黒い傘を差した、ひとりのおじさんが望の方へ振り向き伝えたのだった。

おじさん「心配させないために自分を、偽れ、誤魔化せる」
    「君の“強さ”は素晴らしい」

その時はじめて、望は自分の持つ“強さ”を知ったのだった。

望「えっ…」 


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