柳 純一 ~これが俺の恋物語。~ 日常

ジュンイチは仕事の帰り道、ふと立ち寄った古本屋で1冊の不思議な本と出逢う。
やまさきたかし 9 0 0 03/13
本棚のご利用には ログイン が必要です。

第一稿

登場人物 

主人公 柳(ヤナギ) 純一(ジュンイチ)35歳 独身。マヌケだが本気になるとすごい奴。 

高嶺の花子さん 29歳 独身。 純一と同じ会社の後輩

本屋の ...続きを読む
この脚本を購入・交渉したいなら
buyするには会員登録・ログインが必要です。
※ ライターにメールを送ります。
※ buyしても購入確定ではありません。
 

登場人物 

主人公 柳(ヤナギ) 純一(ジュンイチ)35歳 独身。マヌケだが本気になるとすごい奴。 

高嶺の花子さん 29歳 独身。 純一と同じ会社の後輩

本屋の店主 77歳 男




○信号待ちをしているジュンイチ。(夜) 

ジュンイチ「あぁーきょうも疲れた~」
両手を夜空におもいっきり突き上げ背伸びをするジュンイチ。
ジュンイチ「なんで、こんなに毎日忙しんだよー」
独り言を言いながら辺りを見渡すジュンイチ。
ジュンイチ「ううん?あれ、あんなところに本屋なんかあったっけ?」
     「…最近ヌいてないし、カネもないし、エロ本でも買って帰ろ」


〇タイトル「柳 純一 ~これが俺の恋物語。~」


○古本屋の中

ジュンイチ「えぇっとアダルトコーナーはどこだ、どこだ」
     「おっあった。」
エロ本を持ってレジに向かうジュンイチ。

○レジカウンター

ジュンイチ「これお願いしまーっす。」
本屋の店主「はい」
     「2千300円です。」
ジュンイチ「タッカッ!! ちょ…ちょっと待った」
財布の中身を確認するジュンイチ。
ジュンイチ「やっべ…500円しか持ってねぇーじゃん…」
本屋の店主「あの~どうかされました…」
ジュンイチ「すみません…。またにします。」
財布をポケットにしまうジュンイチ。
本屋の店主「かしこまりました。それではこちらの本は私が戻しておきます」
ジュンイチ「ありがとうございます」
     「ほんとすみません」
本屋の店主「いえいえ、お構いなく。」
     「ところで失礼ですが、お客さん今彼女さんはいらっしゃらないのですか?」
ジュンイチ「そんな相手が居たらこんな本も買わずに済むんだけどさ」
     「最近は、独りで、が多いんですよ」
本屋の店主「お仕事場に気になるお相手はいらっしゃらないのですか?」
ジュンイチ「そーだな…居ないって言ったら嘘になるし、居るって言っても俺なんか相手にされないだろうし」
本屋の店主「そんなこと相手に聞いてみないとわからないじゃないですか?」
ジュンイチ「まーね…いやいや聞かなくてもわかるでしょ」
     「高嶺の花子さんって感じだし」
本屋の店主「そうなんですか…」
     「しかしその方の事がお好きなんでしょ」
ジュンイチ「まー会社の中で俺が一番その子のこと、好きだと思う」
本屋の店主「だったらその方にお伝えするべきですよ」
ジュンイチ「ムリムリ。俺なんて絶対ムシ。」
本屋の店主「ムシ?虫?」
ジュンイチ「噛んじゃいました。喋りかけても無視されるって思ってたらムシって言っちゃってた。」
本屋の店主「あははは、あははは。あなた面白い人ですね。」
ジュンイチ「そんなにウケなくても」
本屋の店主「そうだ、そんなお客さんに良い本があるんですよ」
ジュンイチ「なになに、俺500円しか持ってないよ。」
古びた本を取り出し渡す本屋の店主。
本屋の店主「これね、うちの倉庫にずっと保管されててホコリまみれですけど、すごく面白い本だから読んでみてくださいよ。」
ジュンイチ「エロ本より面白いですか?」
本屋の店主「このご時世、エロ本よりももっと面白いモノなんてインターネットを使えばいくらだって簡単に見れるじゃないですか」
ジュンイチ「そーだけど…」
本屋の店主「それに本屋に行かなくても近頃じゃあ素人が脚本を投稿できるfilm buyerっていうサイトも出来たらしく面白い物語がたくさん投稿されているみたいですよ。特にその中の“やまさきたかし”って作者の物語は面白いらしいーので、ぜひ読んでみてください。…アダルトな物語があるかどうかは分かり兼ねますがね アハハハハ」
苦笑いをするジュンイチ。
ジュンイチ「わっ…わかりました。」
本屋の店主「おっと失礼しました。話がそれてしまいました。」
ジュンイチ「…俺はね、あの一枚一枚ページを捲る時のドキドキが好きなんですよ」
本屋の店主「大丈夫です。この本もきっとドキドキさせてくれますから」
ジュンイチ「ほんとですか?」
本屋の店主「ほんとです」
ジュンイチ「ほんとにほんとですか?」
本屋の店主「ほんとです」
ジュンイチ「じゃあいくら、買うよその本」
本屋の店主「500円でいいですよ」
ジュンイチ「はい、じゃあ500円」
お金を払い帰ろうとする後ろ姿のジュンイチ。
本屋の店主「そうだ、お客さん一つだけ言いそびれていた事が…」
振り向くジュンイチ。
ジュンイチ「なんですか」
本屋の店主「本の1ページ目にお名前を書く欄があるのですが、必ずご自分のお名前をお書き下さい」
ジュンイチ「はーい。わっかりましたー。」
本屋の店主「必ずご自分のお名前をですよ!」
ジュンイチ「はーい」
店を出るジュンイチ。

○ジュンイチの部屋(ベッドの上)

本を読み始め1ページ目に自分の名前を書く欄を見つけるジュンイチ。
ジュンイチ「マジで名前書くトコあんじゃん」
名前を書く欄の下に(主人公)とも書いてある。
ベットから起き上がりバックパックからペンを取り出す。
ジュンイチ「書いてみよ…」
時計の針は午前2時を指す。
本をペラペラ捲るジュンイチ。
本の内容はなんとなくラブ・ストーリーなのだとわかったのだが本の文章にはいくつもの空白があり、しかも“ここ重要だろ!”って所ばかりが空白になっている。
ジュンイチ「えっ、ここ重要だろ!!」
さらにラスト2行ほどに至っては白紙のまま。
ジュンイチ「なんだ、この本」
     「肝心なとこばっかが虫食いのように空白になってんじゃん」
     「気になるな~」
本をパタッと閉め、寝るジュンイチ。
ジュンイチ「まっとりあえず、きょうは寝よ」

○翌朝

ジュンイチ「やっべー寝坊した」
ケータイを取り同僚に電話する。
ジュンイチ「もしもし」
同僚   「もしもし」
ジュンイチ「すまん寝坊した 課長に少し遅れるって言っといてくれっ」
同僚   「あははは お前何言ってんだよ、きょう会社休みだろ」
ジュンイチ「マジで!?」
同町   「きょうは祝日です」
ジュンイチ「そうだった、あっぶねー」
同僚   「用ってそれだけ?もう切るぞ」
ジュンイチ「悪い悪い。お騒がせしましたー」
ホッとしたジュンイチはケータイを切る。
冷蔵庫に向かい、水をたっぷり注いでベットへ戻る。
飲み終わったコップをベットの横に置き昨日買った本を手に取る。
ジュンイチ「しかしこの本、空白ありすぎて内容がさっぱりわかんねぇーよ」
     「返品しに行こうかな」
3秒ほどフリーズし考えるジュンイチ。
ジュンイチ「いや、待てよ」
     「自分の名前を書いた次のページに、確か主人公の好きな人の名前を書く欄があったような」
本をもう一度、読みなおすジュンイチ。
ジュンイチ「やっぱあった。」
また3秒ほど考えフリーズするジュンイチ。
ジュンイチ「好きな人の名前…をか。じゃあ高嶺の花子さんの名前書いて、この物語は俺と花子さんの二人の物語にしちゃお…かな…」
消せるペンを取るジュンイチ。
ジュンイチ「ここに花子さんの名前を書いてっと、最初の文章の空白へは…」

物語の書き出し
【二人は※※※の※※※で話が弾み仲良くなった。恋焦がれていた※※※から声を掛けたのがきっかけだった】

ジュンイチ「二人は ※会社 の ※階段 で話が弾みっと、声を掛けたのは…やっぱり男からでしょう。つーことで 俺、※ジュンイチ から声を掛けたにして」
     「やべー楽しくなってきた…」
     「それから…」
ジュンイチはそんな調子で文章の空白になっている箇所をどんどん埋めていく。
ジュンイチ「あの場面で ※あんなコト や ※こんなコト をヤるって書いちゃったからここはもう ※エッチする だな。キスは ※舌を絡ませて をどっかで入れときたいな」

○翌日 (会社の階段)

ジュンイチは急遽7階で行われる会議に出席するため階段をのぼっている。
ジュンイチ「最近運動してないし階段使って少しは身体動かさなきゃなー」
上の階から高嶺の花子さんが降りてくる。
ジュンイチ「あれ花子さんだ…」
ジュンイチは階段をのぼるペースを落とす。
ジュンイチ「あぁ~声掛けてぇー」
高嶺の花子さんは軽く会釈をしてすれ違う。
ジュンイチ『あの本の主人公なら声掛けるのになー あー俺も声掛けてぇー』
     『…よし、決めた。本の主人公になんか負けねー』
高嶺の花子さんはスタスタ降りていく。
ジュンイチ「あっあのー」
高嶺の花子さんは気づかず降りていく。
ジュンイチ「あっあのー」
高嶺の花子さん「はっはい」
ジュンイチ「いつもお忙しそうですね」
高嶺の花子さん「そっそんなことないですよ」
ジュンイチ「人事部って大変そうに見えちゃって」
高嶺の花子さん「そんなことないですってば。いつも皆さんの方がお忙しそうで恐縮です。」
ジュンイチ「いやいやいやいや、そんなことないよ」
高嶺の花子さん「確かあなたは企画部の柳さんですよね」
ジュンイチ「はい。そうです。」
     「知っててくれたんだ、俺の事」
高嶺の花子さん「はい。企画部に知り合いがいて」
ジュンイチ「そうだったんだ」
高嶺の花子さん「仕事が出来て、とっても優秀な方だと伺っております」
ジュンイチ「それ、ほんとー?」
高嶺の花子さん「はい、本当です。でも運動はあんまりって噂です。」
ジュンイチ「そんなことまで知ってんの」
高嶺の花子さん「はい。」
ジュンイチ「まぁ間違いではないから否定はしません…きょうもさ、身体動かそうと思って階段を使ってるんだけど、少しのぼっただけでヘトヘトだよ。」
高嶺の花子さん「あたしも運動は苦手で、なんかスポーツかジム行きたいなって思ってるんですけど…思ってるだけなんです」
ジュンイチ「じゃあさ、今度の休みジム一緒に行かない?」
高嶺の花子さん「えっ、誘って下さるんですか?あたし独りじゃ絶対行かないから嬉しいです。」
ジュンイチ「誘う誘う。俺も独りじゃ絶対行かないと思うから」
高嶺の花子さん「やったー」
ジュンイチ「じゃあ、いつにする?」
高嶺の花子さん「今週の金曜の仕事帰りに行きませんか?」
ジュンイチ「いいね、その日にしよう」
     「良いジム探しとくね。決まったら連絡するからケータイ番号教えてよ。」
高嶺の花子さん「わかりました。」
高嶺の花子さんが見えなくなってジュンイチは軽くガッツポーズをする。
ジュンイチ「よっしゃ! うん?このシチュエーション…あの本と一緒だ。」

○自宅(ベッドの上)

ジュンイチ「きょうのことって不思議なくらいこの本とシチュエーション似てたけど偶然だよな。って第二章~夏~で確か俺 ※金曜 に二人で出かけるって書いたような…」
ジュンイチは本を開く。
ジュンイチ「やっぱ書いてる。ってかしかもその夜、本にはもう ※キスしちゃう って書いちゃってるし…これは合致しないだろう…な」
     「けど高嶺の花子さんと一緒にジムに行けるなんて奇跡だ」

テレビのニュースキャスターのコメントが流れる。
「本日から暦の上では夏ですね~、、、今年は例年にもまして、、、」

○会社の出入口(金曜の夜)

ジュンイチ「お待たせー」
高嶺の花子さん「あたしも今来たところなんです」
ジュンイチ「そっかじゃあ行こっか」
高嶺の花子さん「はい」

○ジム(休憩室)

高嶺の花子さん「ここのジム夜景を見ながら身体鍛えられるんですねー」
ジュンイチ「そうみたいだね、ネットで調べて人気№1だったから、俺も一度来てみたかったんだ。…ほんと綺麗だね。」
二人は夜景を見ながら会話が弾む。
ジュンイチ「そろそろ帰ろっか」
高嶺の花子さん「はい」
ジュンイチ「帰りなんか食って帰る?」
高嶺の花子さん「あたしずっと行きたいお店があって、もしよかったら付き合っていただけませんか?」
ジュンイチ「いいよ。何屋さん?」
高嶺の花子さん「イタリアンなんですけど」
ジュンイチ「じゃあそこ行こう」
高嶺の花子さん「いいんですか?」
ジュンイチ「いいよ。」
高嶺の花子さん「ありがとうございます。」

○レストラン

高嶺の花子さん「今日は誘って頂きありがとうございました」
ジュンイチ「こちらこそ、付き合ってくれてありがと。」
     「また一緒に行こうよ」
高嶺の花子さん「はい、お願いします。」
ジュンイチ「ここのおすすめ何?」
高嶺の花子さん「ここパスタがとっても美味しいらしくて夏限定の海鮮パスタはどうですか?」
ジュンイチ「じゅあ、それにする」
高嶺の花子さん「あたしはゆずときのこの醤油パスタにします。」
ジュンイチ「それもうまそー」
高嶺の花子さん「じゃあ頼みますね」
ジュンイチ「お願いします。」
店員を呼ぶ高嶺の花子さん。
高嶺の花子さん「柳さんて今、彼女さんとかいないんですか」
ジュンイチ「今は居ないよーって…もう何年も居ないかな…」
高嶺の花子さん「そうだったんですね。へー」
ジュンイチ「涼子さんは、お相手居るの」
高嶺の花子さん「内緒です。」
ジュンイチ「なんでよ、教えてよ」
高嶺の花子さん「片思い中なんで」
ジュンイチ「そうなんだ」
     「いつからその人のこと想ってんの」
高嶺の花子さん「会社ですれ違うたびに、ゆっくりお話したいなーと想ってて… いつからだろ…」
ジュンイチ「同じ会社の人なんだ」
高嶺の花子さん「きょういや今やっと叶えられました。」
ジュンイチ「そうなの?良かったじゃん。」
     「いいな~そいつが羨ましい…うん?今、今って言った?」
高嶺の花子さん「はい。間違いなく今って言いました…。」
3秒ほどフリーズし考るジュンイチ。
ジュンイチ「まさか、そいつって…俺?」
高嶺の花子さん「…はい」
ジュンイチ「エェーッ!!!!!!!」
高嶺の花子さん「そんなに驚かなくても」
ジュンイチ「すげぇ嬉しいんだけど!!!!」
高嶺の花子さん「ほんとですか」
ジュンイチ「ほんとだよ!!!」
高嶺の花子さんは微笑む。
ジュンイチ「今このハイテンションだからってわけじゃないけど、今しか言えない気がするから言うね」
高嶺の花子さん「??」
ジュンイチ「ずっとあなたの事が好きでした。僕と付き合って下さい。」
高嶺の花子さん「はっはい。私こそ好きでした。」
       「お願いします。」
ジュンイチは両手を高くあげる。
ジュンイチ「マ・ジ・で、やったぁーーーーーー」
空のお皿が並ぶテーブルを後にする二人。
ジュンイチ「家まで送るよ」
高嶺の花子さん「いいですよ。柳さんのお家と私のお家、真逆な方向ですから」
ジュンイチ「そうなの、けどきょうは送らせて、タクシー止めてくるよ」
高嶺の花子さん「わかりました。ありがとうございます。」

○タクシーの後部座席

ジュンイチ「きょうはマジで楽しかったー」
高嶺の花子さん「私もです。ご飯までご馳走になっちゃって」
ジュンイチ「お構いなく~」
高嶺の花子さん「そろそろお家が見えてきました。運転手さんここで止めてください。」
運転手「かしこまりました。」
タクシーから降りる高嶺の花子さん。
ジュンイチもタクシーから降りて見送る。
高嶺の花子さん「きょうは本当にありがとうございました。とっても楽しかったです」
ジュンイチ「俺もマジで楽しかったよ。次の休みもし予定空いてたら 映画でも観に行こうよ」
高嶺の花子さん「ぜひ、行きたいです」
ジュンイチ「よし決まり。早く来週こねーかなー、そん時はキスしていい?」
高嶺の花子さん「えっ…あはははは」
ジュンイチ「ごめん、ごめん、つい心の声が」
高嶺の花子さん「柳さんと居るとほんと楽しいです」
ジュンイチ「そりゃどうも」
高嶺の花子さん「キスは来週でもきょうでもいいですよ。」
ジュンイチ「じゃあ来週はマジで楽し…み…」
タクシーに乗り込もうとするジュンイチ。
ジュンイチ「待てっ待てっ今なんってった?」
タクシーから慌てて高嶺の花子さんの元へ戻るジュンイチ。
高嶺の花子さん「だから…」
ジュンイチ「きょうでもって言ったよね」
高嶺の花子さんの後頭部に左手を添え ※キスをする ジュンイチ。

○ジュンイチの部屋(ベットの上)

ジュンイチ「この本マジですげぇーかも…」
     「俺が空白に書き込んだコト、全部その通りになっていく…」
本をじっくり見つめるジュンイチ。
ジュンイチ「第三章~秋~から ※あんなコト や ※こんなコト をヤるって書いちゃってるけど全部、本の通りになんのかな…?」
ニヤニヤ笑うジュンイチ。

それから会社の先輩に恋愛の手ほどきを受けるため昼休みはもっぱら先輩との時間に使い、
第三章~秋~で書いた ※あんなコト が本の通りになった。
それまで読んだことのない恋愛漫画を夜な夜な読みあさりイケメン君の真似をして第四章~冬~で書いた ※こんなコト も本の通りになった。

○ジュンイチの部屋(ベットにもたれかかる)

ジュンイチ「この本、マジすげぇー!!」
     「そろそろ花子さんと付き合って一年か…」
最終章~春~を確認するジュンイチ。

最終章 文面【原文】
【二人の元へ穏やかな※※※が※※※の花びらと共にやって来た春に※※※は※※※に※※※して下さいと伝えた。
返事は※※※※※※※※※※※※※※※※※
そして、いつまでも春のあたたかさのような※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※。 完】

ジュンイチ「俺、最後なんて書いたっけ」

最終章 文面【ジュンイチバージョン】
【二人の元へ穏やかな ※風 が ※サクラの花びら と共にやって来た春に ※ジュンイチ は ※花子さん へ ※結婚 して下さいと伝えた。
返事は ※もちろん、喜んで。と答えてくれ
そして、いつまでも春のあたたかさのような ※花子さんのあたたかい手 をジュンイチはしっかりと握りしめ誓うのでした…幸せにします。 完】

ジュンイチ「俺って文才あんじゃん」
     「でも、ちょっと待てよ…」
どっかで何かが引っ掛かり素直に喜べない自分が居て悩むジュンイチ。
ジュンイチ「この本の不思議な力に頼ってばっかで本当に良いのか…」
3秒ほどフリーズし考るジュンイチ。
ジュンイチ「消ーそ、おっと」
自分で考えた最後の文章を全部消しはじめるジュンイチ。
消し終わった後、高嶺の花子さんのケータイへ連絡するジュンイチ。
ジュンイチ「もしもし。」
高嶺の花子さん「もしもし、どうしたの?」
ジュンイチ「あしたさ 夜、逢わない?」
高嶺の花子さん「いいよ。」
ジュンイチ「なら、仕事終わって家の近くの公園で待ってるから」
高嶺の花子さん「わかった。」

翌日
○公園(ブランコに座る二人)(夜)

高嶺の花子さん「どうしたの突然。」
ジュンイチ「いやーさ、そろそろ付き合って一年だし…今まで自分の力で何にもしてこなかったから…きょうは…」
高嶺の花子さん「えっなに聞こえない」
ジュンイチ「そろそろさ ケッケッ…」
高嶺の花子さん「だから、聞こえないってば」
ジュンイチ「ケッケッ結婚してください。」
高嶺の花子さん「はっ!?…はい。あり…がと…」
ジュンイチ「なんの記念日でもない、花束もない、指輪もない、けどどうしてもこの気持ちだけ伝えたくて」
高嶺の花子さん「うん、嬉しい。」
ジュンイチ「これからも、よろしくお願いします。」
高嶺の花子さん「はい。」
ジュンイチは高嶺の花子さんに近寄り手を繋いだ。
ジュンイチ「あったかい手だね」
高嶺の花子さん「あのね、小さい頃、先生があなたの手は春のようなあたたかさがするね。って言ってくれたことがあって、嬉しかったな…」
ジュンイチ「へーそうだったんだ。」
     「俺もこの手、大好き」
少し笑うジュンイチ。
ジュンイチ「幸せにするね。」
高嶺の花子さん「はい。」


その一年後
○本屋の前(夕)

ジュンイチ「こんにちは」
本屋の店主「おや、こんにちは」
ジュンイチ「お久しぶりです」
本屋の店主「お久しぶりですね」
ジュンイチ「あの…この本なんですけど…」
本屋の店主「なにか不思議なことでも起きましたか」
ジュンイチ「なにか知ってるんですか」
本屋の店主「いえ、私は何も」
ジュンイチ「そうですか。」
     「この本には空白がいくつもあって自分で書いた内容が現実になるんですよ」
     「ホント不思議な本なんです。」
本屋の店主「そんなことありえませんよ」
ジュンイチ「いや、ほんとなんですって」
本屋の店主「そうですか、じゃあ良い思いしたんじゃないですか」
ジュンイチ「まぁだけど、もうこの本いらなくなっちゃったから買い取ってくれます?」
本屋の店主「はい、喜んで買い取らせて頂きますよ」
ジュンイチ「ありがうございます。」
本屋の店主「買取金額80円ですが…」
ジュンイチ「それで大丈夫です。」
本屋の店主「では…」
     「ところでその左手の薬指に付けている物はもしかして…」
ジュンイチ「気づいちゃいました?実は結婚したんですよ…この本のおかげで!」
本屋の店主「そうでしたか!それは、めでたい」
ジュンイチ「ほんとにこの本の不思議な力のおかげなんです!」

本を見つめる店主。
本屋の店主「ほんとにそーでしょう…か…」
ジュンイチ「えっ」
本屋の店主「この本はお客さんが幸せを掴もうと動き始めるきっかけにしかすぎないですよ。自分で書いた内容がすべて現実になるわけがないじゃないですか」
ジュンイチ「まぁ冷静に考えてみれば…」
本屋の店主「ただ…」
ジュンイチ「ただ?」

本屋の店主「あなたがこの本に書いた主人公に負けないように…考え行動したのであれば…」
     「別ですがね」
微笑む本屋の店主。
     「その指輪は最初っからあなた自身の頑張りで掴み取った幸せですよ」

ジュンイチ「えっ…エェーーーーー!!!!」


          完

閉じる
この脚本を購入・交渉したいなら
buyするには会員登録・ログインが必要です。
※ ライターにメールを送ります。
※ buyしても購入確定ではありません。
本棚のご利用には ログイン が必要です。

コメント

  • まだコメントが投稿されていません。
コメントをするには会員登録・ログインが必要です。