人間関係修復士〜結び屋〜 ドラマ

解けかけた人間関係を結び直す物語
捨吉バルボア 49 0 0 03/03
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第一稿

登場人物
柿本悟(25)失業中
鈴本春香(29)柿本の恋人
橋詰和宗(37)人間関係修復士
笹森裕美(37)スナックのママ
江川敏昌(32)柿本と春香の共通の知人
小島 ...続きを読む
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登場人物
柿本悟(25)失業中
鈴本春香(29)柿本の恋人
橋詰和宗(37)人間関係修復士
笹森裕美(37)スナックのママ
江川敏昌(32)柿本と春香の共通の知人
小島弥生(20)大学生
戸川綾乃(20)大学生
足立桜子(20)大学生
○公園(夜)
 柿本悟(25)と鈴本春香(29)、
 手を組んで現れる
 柿本・春香、ベンチに座る
春香「……話ってなに?」
柿本「……えっと」
春香「言って」
柿本「バイト、クビになりました」
春香「(溜息を吐いて)また?」
柿本「またです」
春香「理由は?」
柿本「それはちょっと」
春香「言えない事したの?」
柿本「仕事ミスりまくったんだよ」
春香「……どうするのよ?」
柿本「何が?」
春香「……結婚」
柿本「それは」
春香「私、来年で30だよ」
柿本「分かってるよ」
春香「分かってない」
柿本「うるさいな。仕方ないだろ」
春香「仕方ないって何よ」
柿本「怒るなよ」
春香「怒りたくて怒ってるんじゃないの」
柿本「……悪かったよ」
春香「謝ったらいい問題じゃないでしょ」
柿本「じゃあ、どうしたらいいんだよ」
春香「就職しなさいよ。就職したら、もう
  少しマシになるんじゃないの」
柿本「何だよ、その言い方。俺の人生なん
  だから、俺の思う通りにしていいだろ」
春香「……今、何って言った?」
柿本「俺の人生なんだから、俺の思う通り
  にしていいだろ」
 春香、立ち上がる
春香「最低」
   春香、柿本の頬を叩く
柿本「痛ってぇ」
春香「別れよう」
柿本「え?」
春香「もう耐えられない」
柿本「……ちょっと」
春香「さようなら」
 春香、去って行く
柿本「春香!」
○スナック雅・前(夜)
 入り口のドアが開く
 店内から笹森裕美(37)と客達が
 出てくる
客1「ご馳走さん」
客2「また飲みに来るよ」
裕美「ありがとうね。また来て」
 客達、去って行く
 裕美、店内に戻ろうとする
 柿本、現れる
柿本「裕美さん」
裕美「あら、悟ちゃん」
柿本「ちょっといい?」
裕美「いいけど」
○スナック雅・店内(夜)
   モダン的な内装
 柿本、カウンター席でうな垂れながら
 酒を飲んでいる
 裕美、カウンター内で立っている
裕美「10杯目よ。いい加減止めたら」
柿本「今日は飲んでないとやってられない
  んですよ」
裕美「何かあったの?」
柿本「……振られたんですよ」
裕美「え?」
柿本「春香に振られたんですよ」
裕美「冗談でしょ?」
柿本「本当ですよ」
裕美「……あんなに仲良かったのに。
何かあったの?」
柿本「言い合いになったんですよ」
裕美「きっかけは?」
柿本「……それは」
裕美「言いなさい。じゃないともうお酒は
提供しないわよ」
柿本「バイト、クビになったんですよ」
裕美「理由は?」
柿本「……えっと」
裕美「言いなさい」
柿本「誰にも言わないって約束してくれま
すか」
裕美「えぇ」
柿本「……実は社員の人がバイトの女の子に
セクハラしてたんです。それを止めよう
したら、流れで殴っちゃって。
……それでクビになったんです」
裕美「店長には言わなかったの?」
柿本「言っても無駄ですよ。俺はバイトで、
相手は社員。立場が違うんです」
裕美「……そうかもしれないけど」
柿本「こう言うこと慣れっこです」
裕美「春香ちゃんにこの事は話したの?」
柿本「いいえ」
裕美「なんで?」
柿本「恥ずかしいじゃないですか」
裕美「……恥ずかしいって」
柿本「だって、かっこ悪いじゃないですか。
何もないくせして、正義感だけは一丁前
なんですよ。笑えますよね」
裕美「……悟ちゃん」
柿本「かっこつけ過ぎなんですよ、俺。
だから、愛想尽かされる」
 柿本、俯きながら泣き始める
裕美「……飲みなさい。今日は私の奢り」
柿本「……ありがとうございます」
○街 (夜)
   自動販売機が設置されている
   柿本、現れる
   柿本、自動販売機横のゴミ箱に嘔吐を
   する
○路地裏(夜)
 ゴミ袋などが転がっている
 柿本、千鳥歩きで現れる
柿本「くそったれ」
 ゴミ袋を蹴ろうとするが、空振りした
 勢いで転がって頭を地面に打つ
柿本「痛ってぇ……」
 柿本、気を失う
 橋詰和宗(37)、現れる
 橋詰、柿本に気づき駆け寄る
橋詰「大丈夫ですか。大丈夫ですか」
○雑居ビル・前(夜)
   橋詰、柿本を雑居ビルに運ぼうとし
   ている
   雑居ビルの入り口の看板に5階、
   「人間関係修復士・結び屋」と書かれ
   ている
○結び屋事務所(朝)
 様々な資料が本棚に並べられている
 橋詰、椅子に座っている
 柿本、ソファで横たわっている
 柿本、目を覚ます
柿本「……うん?」
橋詰「目覚めたか」
柿本「ここは?」
橋詰「事務所だよ」
柿本「……事務所?」
橋詰「私が経営している結び屋の事務所」
柿本「結び屋?何の仕事ですか?」
橋詰「簡単に言えば、人間関係を修復する仕
事だよ」
柿本「言っている意味が分からないです」
橋詰「そうだな。仲が悪くなった人との関係
を戻すきっかけを作るってとこかな」
柿本「……本当ですか?」
橋詰「本当だよ」
柿本「怪しい」
橋詰「怪しくないよ。実績だってあるんだか
ら」
柿本「そんなことより、何で俺ここにいるん
ですか?」
橋詰「そんなことよりって。何も覚えてない
  のか」
柿本「はい。全く」
 橋詰、溜息を吐く
橋詰「昨日、君は事務所の前で倒れていたん
だよ。だから、私が仕方なく事務所に運
んだよ。事務所の前であのままずっと、
倒れていられたら営業妨害だからね」
柿本「……なんか、すいません」
橋詰「まぁ、いいけどね」
 電話が鳴る
 橋詰、電話に出る
橋詰「はい。こちら、人間関係修復士、結び
屋の橋詰和宗です。……はい。かしこま
りました。それでは、本日の14時。
場所は喫茶店さゆきでよろしいでしょう
か?……はい、ありがとうございます」
 橋詰、電話を切る
橋詰「よし」
 橋詰、ガッツボーズをする
柿本「……あのー、今の電話って」
橋詰「仕事の依頼だよ」
柿本「本当だったんだ。詐欺じゃなかったん
  ですね」
橋詰「……君ね。怒るよ」
柿本「すいません」
橋詰「まぁ、いいけどね。よく言われるし」
柿本「やっぱり」
橋詰「反省してないだろ」
柿本「すいません。反省してます」
橋詰「……そうだ。今日は暇かい」
柿本「……まぁ」
橋詰「それじゃ、一緒に来るか」
柿本「いいんですか?」
橋詰「あぁ、何かの縁だ。それに疑われたま
まは嫌だしね」
柿本「……お願いします」
橋詰「決まりだな。まだ、名前聞いてなかっ
たね。名前は?」
柿本「柿本悟です」
橋詰「柿本君ね。橋詰和宗です。よろしく」
柿本「よろしくお願いします」
   柿本、橋詰と握手をする
○喫茶店さゆき(昼)
 洋風的な内装
 小島弥生(20)、窓側の席で座ってい
 る
 柿本・橋詰、現れる
橋詰「小島弥生さんですか?」
弥生「……はい。貴方達は?」
橋詰「ご依頼をいただきました。人間関係
修復士の橋詰和宗と助手の柿本悟です」
柿本「助手?」
橋詰「(小声で)話合わせて」
柿本「……助手です」
弥生「よ、よろしくお願いします」
橋詰「では、失礼します」
柿本「失礼します」
 柿本・橋詰、席に座る
橋詰「それでは今日はどういうご用件で?」
弥生「……親友と」
橋詰「親友と?」
弥生「絶交してしまったんです」
橋詰「絶交ですか」
弥生「……あんなことになるなんて、思いも
  しませんでした」
 弥生、泣き始める
橋詰「小島さん、落ち着いて」
弥生「すみません。つい」
橋詰「大丈夫ですよ。ゆっくりでいいので、
   なぜ、絶交したかを教えてください」
弥生「……あれは、一ヶ月前の事です。
   私と綾乃は同じ演劇サークルに入って
   て、私は演出、綾乃は脚本担当してま
   した。ある日、進級公演の打ち合わせ
   をしていたんです」
○(回想)稽古場(昼)
   長いテーブルが一台置かれている
   弥生と戸川綾乃(20)、テーブルを
   挟んでお互い椅子に腰掛けている
弥生「進級公演どうする?」
綾乃「今回は私のオリジナルじゃない方が
  いいと思う」
弥生「なんで?」
綾乃「だって、私の作品だけじゃ、サークル
  のみんなの成長にならないと思うし」
弥生「そうかな」
綾乃「そうだよ」
弥生「……そう。だったら何をするの?」
綾乃「シェイクスピアとかは」
弥生「無理無理、堅苦しいよ。マクベスと
  かハムレットでしょ。悲劇は病む」
綾乃「悲劇が駄目なら喜劇なら大丈夫よね。
  お気に召すままとか十二夜はどう?」
弥生「駄目。古すぎるよ。もっと、近代演劇
  に目を向けようよ」
綾乃「弥生がしたくないだけじゃないの」
弥生「違うよ」
綾乃「……そう。それなら、寺山修二の身毒
  丸とか唐十郎のアリババとかは?」
弥生「アングラ過ぎる」
綾乃「それじゃ、三島由紀夫の金閣寺は?」
弥生「恐れ多い」
綾乃「全部駄目じゃん。海外作品にする?」
弥生「もう、私が決める」
綾乃「何するのよ?」
弥生「コメディ。痛快ドタバタコメディを
  する」
綾乃「……そう。台本はどうするの?」
弥生「私が書く」
綾乃「本当に言ってるの?」
弥生「マジ」
綾乃「大丈夫?」
弥生「大丈夫、大丈夫。余裕」
綾乃「……今、なんて言った?」
弥生「え?」
綾乃「今、なんて言ったの?」
弥生「……余裕」

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