私は弱い ドラマ

男性に性的な目で見られることを女としての肯定感に変換して生きている愛。 会社でセクハラを受けている京子。 同じ「女の体」をもつ2人の、全く違う女の体への思い。
的場友見 289 2 0 12/01
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第一稿

人 物
寺崎京子(29)会社員
都波健太(33)会社員
佐々木愛(29)京子の友達
田代省吾(51)京子の上司
女性社員1
男1

○カフェ・外観

○同・中
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人 物
寺崎京子(29)会社員
都波健太(33)会社員
佐々木愛(29)京子の友達
田代省吾(51)京子の上司
女性社員1
男1

○カフェ・外観

○同・中
   おしゃれな店内。若い女性客で賑わっている。
   テラス席でお茶をしている寺崎京子(29)
   と佐々木愛(29)。
愛「もう、その顔でそのおっぱいって反則だろ!とか超言われてぇ」
   ぽっちゃり体型の愛、
   胸元を強調した服装である。
愛「俺もともと尻フェチだったのに!とかいって。
 え?私って人のフェチ変えちゃうほど特別なの?って。
 意味わかんないよね。私って、フツーじゃんね」
    周りを気にしながら曖昧に笑う京子。
京子「愛ちゃんは、普通より全然グラマラスだよぉ。羨ましい」
   愛、嬉しそうに。
愛「グラマラスってウケるー!
そんないいもんじゃないよぉ。
まじ超視線感じてきっついもん」
   チラリと道ゆく男性を見る愛、
   京子に顔を近づけ小声で、
愛「今通ったサラリーマンも見てた」
   曖昧に微笑む京子。
京子「そっかぁ、大変なんだね」
   京子、ためらいながら、
京子「あ、あのさぁ…」
   チューチューとストローでお茶を飲む愛、
   上目遣い何?と京子を見る。
京子「愛ちゃんは、ち、痴漢とかセ、セクハラとか大丈夫なの?」
   愛、パッとストローから口を外して、
愛「大丈夫な訳ないじゃん!こないだも部長に、
  佐々木くん見てるとムラムラすんなとか言われて抱きつかれて最悪。
  でもまぁ、笑いに変えてテキトーに流してる」
   京子、俯いて黙っている。
   愛、京子を見て、
愛「は?セクハラされてるとか言う?」
京子「ち、違う違う。そんなんじゃ…」
愛「だよね。びっくりした。どんなマニアだよって!」
   え?と愛を見る京子。
愛「あ、違うよ。京子ってちっちゃくて子供みたいだから、
 ほら児童ポルノ的な?ロリコン的な人が会社にいたら怖いよねって」
   グッと唇を噛み締める京子。
京子「あは。心配してくれてありがとう」

○駅のホーム(朝)
   たくさんの人が並んで混雑している。
アナウンス「間も無く、3番線に電車がまいります」
   群衆の中、憂鬱そうに俯く京子。

○電車の中(朝)
   満員のすし詰め状態。
   おじさんの背中と巨漢の男性に挟まれ
   押しつぶされている京子。辛そう。

○タナカホームプラン・外観

○同・オフィス
   デスクで電話をしながらPCワークをしている京子。
京子「ええ。はい。図面をあがりましたので、今から、
 はい。30分以内には、はい。後ほどよろしくお願いします」
   電話を切り、図面ケースを肩にかけ立ち上がる京子。
   隣の席の女性社員、驚いた表情で、
社員1「もう図面上がったの?」
京子「はい!他案件調整して、何とか」
社員1「かわいい顔して、デキるわねー」
   曖昧に微笑み、お辞儀する京子。
   京子をじっと見ている田代省吾(51)。

○同・エレベータホール
   エレベーターが到着し、乗り込む京子。
   扉が閉まる直前、乗り込んでくる
   田代。京子、怯えた表情。満員のエレ   
   ベータの中で、背後から京子の尻や太   
   ももに手を這わせる田代。京子、体を
   ずらしたり図面ケースで防御を試みる
   が、隣の女性に迷惑そうに睨まれる。
京子「す、すみません…」
京子、俯き泣きそうな顔。
エレベーター「一階です」

○同・1階エレベータホール
   エレベータが開き、京子が顔をあげると、
   都波健太(33)と目が合う。
   バッと駆け出す京子。その後ろ、
   ニヤつきながら手の匂いを嗅ぎ、
   ゆっくりと出てくる田代。
   京子の背中を見つめる都波。

○ファストフード店・中
   ハンバーガーをかじりながら、電話している京子、
京子「はい!すみませんでした。今から戻っ
 てすぐ取りかかりますんで、明日には、
 はい、よろしくお願いします」
   電話を切ると、愛からのメッセージが来ている、
  『金曜の20時に、2−2でコンパ頼まれちゃって。
   来てくれる?』京子、ため息をつき、
   『OK』のスタンプを送る。
   京子、ハンバーガーにガブッとかぶりつくと、
   ケチャップがはみ出し、スカート上、
   腿のあたりに落ちる。
京子「やば」
   慌てて紙ナプキンでケチャップを
   ゴシゴシ拭き取る京子、ふと真顔になる。
× × ×
(フラッシュ)
   京子の尻や太ももに手を這わせる田代。
× × ×
腿を見つめ、ぎゅっと紙ナプキンを
握りしめる京子。

○六本木交差点(夜)

○飲み屋・外観(夜)

○同・中(夜)
   愛と京子、男性1名が、L字のソファ席で飲んでいる。
   愛、胸元の大きくあいた服を着ている。
   愛、隣の男1に、
愛「ねー、もう一人まだなんですかぁ?」
男1「あ、ごめんね。もう来るって。さっき
 ライン来てた」
  居心地悪そうに酒を飲んでいる京子。
都波の声「すみません!遅れました!」
   京子、振り向くと都波がいる。
   愛、都波を見て満面の笑みになる。
愛「こんばんはぁ。お疲れ様ですぅ」
   ペコっと愛に頭を下げる都波、
   京子の隣に座る。
乾杯する4つのグラス。
男女の声「かんぱーい」
   京子の横顔をじっと見つめる都波、
都波「どっかで会ったことありません?」
   京子、ん?と都波の顔を見る。
男1「都波、古い手口使うなよぉ。
 お前みたいな野蛮な男が、こんな
 かわいい子と接点あるわけないだろ」
   んー?と考える都波。
   イラッとした表情の愛。
愛「そ。京子って、子どもぽくてかわいいでしょ?
 だから、会社のロリコンにセクハラ
 されてるって悩んでて、ねぇ?」
京子「や、やめてよ!違うってば」
   強張った京子の横顔を見つめる都波。
男1「えーセクハラってどんな?
 こう、おさわりとか?」
   京子の腰に手を回す男1、
   驚いてガシャンとグラスを
   落とす京子、声は出な
い。シーンと静まる店内。
愛「やだぁ、京子ってば何本気にしてんの?
 ここ笑いに変えて流すとこでしょ?」
   涙目で俯く京子を見つめる都波、
都波「あ」
× × ×
(フラッシュ)
   エレベータが開き、顔を上げる京子。
   バッと駆け出す京子。ニヤつく田代。
× × ×
   俯いたままの京子、見つめる都波。
   きゃっきゃっと笑っている愛と男1。
都波「笑って流すとこじゃないよ。
 笑っちゃダメだろ」
   え?と都波を見る愛と男1。
都波「女性として魅力的だからとかそんな
 んじゃないからね。愛とかリスペクトとか
 カケラもないから。触りたいから、
 触りやすいから、ってだけ。それを勘違いして」
  京子、ガバッと立ち上がり、
京子「そうよ!あんたみたいな気色悪い承認
 欲求の化身みたいな女のせいで…」
愛「はぁ?い、意味わかんない?」
京子「何で笑えるの?全然わかんない。
 何で怒らないの?何で何で…怒れないの…」
   京子、スカートをぎゅっと握り、
京子「私は女なんだって、女の体だから、
 小さくて弱くて、何にもできないんだって…
 無力さを突きつけられてるみたいで…
 何も…何も言えなくなる」
   思いつめた表情で、バッとテーブルの
   上のナイフを手にとる京子。
男1「うっわやば」
   逃げ出す男1と、腰が抜けて動けずにいる愛。
都波「ダメだよ!」
都波に羽交い締めにされ、ナイフを落とす京子、
泣き崩れて、自分の太ももをげんこつで殴りつける。
京子「この体が憎い」

<完>

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